Webでの新人研修を成功させるには?オンライン研修のポイント解説
大手企業を中心に、Web型の新人研修を取り入れる企業が着実に増えています。企業として生き残るためには、従来型の手法に固執せず、時代の変化に対応することが重要です。Web新人研修のメリットや成功に導くポイントを解説します。
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目次[非表示]
- 1.コロナ禍で変わりゆく新人研修
- 1.1.従来型の集合研修が難しくなる
- 1.2.在宅オンライン型の新人研修が広まる
- 2.Web型の研修には主に3タイプ
- 2.1.動画配信型
- 2.2.ウェビナー型
- 2.3.双方向コミュニケーション型
- 3.Web新人研修のメリット・デメリット
- 3.1.通勤がなく社員の負担が軽い
- 3.2.コストを削減できる
- 3.3.繰り返し視聴できて習熟度が高まる
- 3.4.モチベーションや集中力を保ちづらい
- 3.5.実習を伴う研修には不向き
- 4.Web研修の準備で大切なポイント
- 4.1.適切なアイテムや通信環境を整備する
- 4.2.ツールの使い方をレクチャーしておく
- 5.Web研修中に気を付けたいポイント
- 5.1.参加者全員の顔を見られる状態にする
- 5.2.適度な休憩を設ける
- 5.3.質問やトラブルに対応できる環境にする
- 6.より効果の高い研修を行うために
- 6.1.アウトプットやフォローの機会を設ける
- 6.2.対面型との相乗効果を意識する
- 7.Web研修の特性を理解し新入社員を育成しよう
コロナ禍で変わりゆく新人研修
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、従来型新人研修の実施が困難になっています。このような状況下で注目され始めているのが、在宅オンライン型の新人研修です。
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従来型の集合研修が難しくなる
これまで多くの企業では、毎年3月末から4月にかけて、集合型の新人研修が行われていました。しかし、コロナ禍の影響により従来通りの研修を行えなくなり、中止や延期を余儀なくされています。 企業の新人研修は、ビジネスマナーなど社会人としての基本的な知識を身に付ける、新人社員にとって重要な行事の一つです。新人社員に企業理念を浸透させたり、所属部署での役割を理解させたりする場でもあります。 新人研修しか社員研修を実施しない企業では、コロナ禍により勤め先からの研修機会を一切得られなくなった社員もいます。新人研修を担当する管理職や人事担当者の多くは、今後の対応に苦慮しているのが実情です。
在宅オンライン型の新人研修が広まる
コロナ禍により従来型新人研修の実施が難しくなった状況において、代替策として注目を集めているのがオンライン形式の新人研修です。 オンライン研修とは、Web会議ツールなどを使用し、参加者が一堂に会することなくリモートで行える研修を指します。動画配信型や双方向型など、いくつかの形式で実施できる点が特徴です。 実際にオンライン新人研修を実施した企業では、簡単な入社式を行った後、数日間にわたり在宅でオンライン研修を行うなどの措置が取られています。 2021年度が始まってもコロナ禍からの出口は見えておらず、引き続き各企業は難しい対応に迫られるでしょう。新人の早期戦力化や早期離職の防止など、多くのメリットがある新人研修についても、在宅オンライン型を採用する企業の増加が予想されます。
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Web型の研修には主に3タイプ
在宅オンライン型の研修は、動画配信型・ウェビナー型・双方向コミュニケーション型の3タイプに大きく分けられます。それぞれの特徴を押さえておきましょう。
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動画配信型
オンデマンド配信やeラーニングとも呼ばれる形式です。企業側が事前に作成した動画をサーバーにアップロードしておき、受講者が好きなタイミングで視聴できます。 24時間いつでも動画を視聴できるため、研修のために企業と社員が時間を合わせる必要がありません。一度作成した動画は基本的に何度でも使えるため、企業側の手間が省ける点もメリットです。 ただし、一方向型で社員の反応が分かりにくく、テストの実施やレポートの提出といった形でしかアウトプットできません。思ったほどの研修効果を得られない可能性があります。
ウェビナー型
ライブ映像をリアルタイム配信する形式のウェビナー型は、集合研修さながらの雰囲気でWeb研修を実施できます。録画映像ではないため、最新情報を届けられる点がメリットです。 受講者はあらかじめ決められた時間に映像を視聴します。チャットなどの機能が備わっているツールを使えば、受講者側から質問できるため、双方向型の要素も持ち得る研修形式です。 企業側のメリットとしては、動画を作成する時間や手間を省略できることが挙げられます。受講者が数百~数千人に達する研修の形式に適しているでしょう。
双方向コミュニケーション型
Web会議ツールを使用し、講師だけでなく受講者側からもリアルタイムで自由に発言できる形式です。受講者は講師と常にやり取りできるため、アウトプットを行いながら学習効果を高めていけます。 受講者に疑問点があれば、講師がリアルタイムでサポートできる点もメリットです。使用するツールによっては、受講者同士がグループに分かれてのグループワークもできます。 Web型研修のタイプの中では、従来型の研修に最も近い形で実施できる方式と言えるでしょう。ただし、全ての受講者が双方向コミュニケーションを取れるタイプのツールを導入する必要があります。
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Web新人研修のメリット・デメリット
Web型の新人研修には、いくつかのメリットとデメリットがあります。デメリットが気になる場合は、工夫で対処できないか考慮することが重要です。
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通勤がなく社員の負担が軽い
Web新人研修は在宅で実施できるため、新人社員の通勤負担を軽減できます。入社したばかりの慣れない職場への通勤に伴う体力的・精神的な負担がありません。 新人社員にとって、入社したての頃の通勤は、思いのほかストレスがたまるものです。Web研修を導入すれば、新人社員に通勤の余計な負担を与えることなく、じっくりと研修に取り組んでもらえるでしょう。 インターネット環境と端末さえあれば、どこでも受講できるため、遠方の新入社員に対応する点もメリットです。地方の支社や営業所に所属する社員にも、わざわざ本社に来てもらうことなく、本社の社員と同じ研修を受けてもらえます。
コストを削減できる
新人研修をオンライン形式で実施すれば、公共交通機関などを使って新人社員に移動してもらう必要がありません。移動にかかるコストを削減できます。 これまで会議室やホテルで集合研修を行っていたケースでも、会場費や宿泊費を抑えることが可能です。研修対象者が多いほど、コスト削減のメリットも大きくなります。 金銭的なコストだけでなく、時間コストの削減につながる点もポイントです。Web研修にすれば移動時間がないため、新人社員は研修後すぐに自分の業務を再開できます。
繰り返し視聴できて習熟度が高まる
Web型の研修では、どのような形式で実施しても映像を録画できます。後から何度も見直せるため、研修の習熟度を高められることがメリットです。 集合型の研修では、音声を録音することぐらいしか、後から学習し直す方法がありません。動画配信型の場合は、動画を分かりやすく編集していることが多いため、再学習への意欲も高まりやすくなります。 何らかの理由で研修に参加できない社員がいた場合、従来型の研修では資料を配るだけで終わっていたでしょう。Web研修なら、録画した動画を視聴してもらえば、全く同じ研修を受講してもらえます。
モチベーションや集中力を保ちづらい
Web新人研修のデメリットとしては、研修に対する集中力をキープしにくいことが挙げられます。自宅で1日中パソコンに向かっていると疲れやすくなり、どうしても集中力が途切れやすくなりがちです。 モチベーションを維持しにくいこともデメリットです。集合型研修なら、適度な緊張感や周囲の同僚からの刺激でやる気を保てますが、1人で参加するWeb研修はやる気が減退しやすくなります。 モチベーションや集中力の保ちづらさは、1人で黙々と研修を受ける状況が大きな原因です。質問を投げかけたりチームを組ませたりするなど、参加型の研修になるような工夫を凝らす必要があるでしょう。
実習を伴う研修には不向き
オンライン研修は、講義やディスカッションなど、会話主体の内容の研修に適しています。一方、体を動かしたり現物を操作したりするなど、実習を伴う研修には向きません。 例えば、ビジネスマナーの研修を行う場合は、実際に体を動かすほうがマナーを身に付けやすくなるでしょう。頭で理解するだけでは、学習効果が半減してしまいます。 ただし、どうしても実習が必要な研修を行う場合も、事前学習の部分はWeb研修でまかなうことが可能です。あらかじめオンラインで知識だけでも習得しておいてもらうことで、集合研修の時間を削減できます。
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Web研修の準備で大切なポイント
新人研修をオンラインで実施する際は、事前の準備が重要です。研修前に意識しておきたい二つのポイントについて解説します。
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適切なアイテムや通信環境を整備する
Web研修では、動画を視聴するためのパソコンが必須です。スマホでも対応できますが、資料を扱いにくいことや移動通信では回線不良の影響を受けやすいことなどから、パソコンを用意してもらうようにしましょう。 双方向型の研修を行う場合は、イヤホンやマイクも準備しなければなりません。不具合が発生したり雑音が入ったりするパソコン内蔵のものではなく、マイク付きのイヤホンがおすすめです。 自宅で受講してもらう研修なら、通信が安定する有線回線が使えるか確認しておきましょう。新人社員のアイテムや通信環境を整備するために、会社から補助金を出すのも一つの方法です。
ツールの使い方をレクチャーしておく
研修の環境をきちんと整えても、研修で使用するWebツールをうまく使いこなしてもらわなければ、満足な研修は行えません。 オンライン研修そのものを成功させるためには、事前にツールの使用方法をレクチャーしておく必要があります。マニュアルなどを作成し、研修までに勉強してもらいましょう。 働き方の多様化が進む中、テレワークを導入する企業も増えてきています。新人社員にWebツールの使い方を覚えてもらうことは、新人研修のためだけでなく、今後の業務にも役立つでしょう。
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Web研修中に気を付けたいポイント
離れた場所から参加してもらうWeb研修では、従来型の研修で気になりにくい点にも配慮しなければなりません。研修中に注意すべきポイントを紹介します。
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参加者全員の顔を見られる状態にする
Web研修中は、参加者全員のカメラを、常にONの状態にしておいてもらいましょう。講師や他の参加者に見られている意識を持つことで、受講中の緊張感を保てます。 マイクやチャットのみ使える状態にしていても、研修を実施すること自体は可能です。しかし、参加者は誰からも見られていない状態になるため、集中力が低下しやすくなります。 参加者の様子を常に確認できることも、カメラをONにしてもらうメリットです。研修内容を理解できているかどうかは、参加者の表情やリアクションから、ある程度判断できます。
適度な休憩を設ける
オンラインでのやり取りでは、通常の対話に比べ、よりエネルギーを必要とするとされています。画面越しに自分の顔を見られていることから、注目を集めているような気持ちになり、プレッシャーも感じやすくなるでしょう。 参加者の疲労を考慮し、集合研修より多めに休憩を設けるのがポイントです。30分~1時間に1回の休憩をとり、休憩自体も長めに設定しましょう。 ただし、休憩を取りすぎると研修自体が間延びしてしまう恐れがあります。目を通すだけでよい資料を事前に読んでおいてもらえば、研修時間の短縮につながります。休憩以外に、参加者がリラックスできるような内容を取り入れるのもおすすめです。
質問やトラブルに対応できる環境にする
双方向型のオンライン研修では、疑問点をチャットで質問できる環境を整えておくのがおすすめです。チャットなら気軽に質問できる上、発言により講義を中断させてしまう心配もありません。 トラブルに対応できる環境も整備しておきましょう。通信環境が悪くなったり、ツールの使い方が分からなくなったりと、研修中はさまざまな問題の発生が想定されます。 講師とは別に、トラブル対応の専門スタッフも常駐させておけば、研修に大きな影響を与えることなく問題を解消できます。企業側にとっても、不具合が発生した際のサポーターがいれば安心です。
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より効果の高い研修を行うために
Web研修の効果をより高めるために、意識したいポイントを解説します。自社にオンライン研修を導入する際の参考にしましょう。
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アウトプットやフォローの機会を設ける
形式や目的にかかわらず、研修ではアウトプットを求めることが重要です。集合型に比べ、Web型の研修ではアウトプットを出しにくいため、講義内容を工夫する必要があります。 テストを実施したり、自分の考えをレポートの形で提出させたりすれば、最低限のアウトプットは出してもらえます。質疑応答やディスカッションの時間を設けるのも良いでしょう。 新人研修後のフォローも欠かせません。研修を終えた新人社員は、実務内でさまざまな壁にぶつかり、実際に退職してしまう人も出てきます。 数カ月ごとに定期的なフォローを行えば、早期離職の防止につなげることが可能です。面談やアンケートなどで、新人社員の満足度をチェックしましょう。
対面型との相乗効果を意識する
これまで解説してきたように、Web研修にはさまざまなメリットがあります。また、コロナ禍をきっかけにテレワークを導入し、業務形態の変革に取り組んでいる企業が増えているのも事実です。 コロナ禍が収束したら従来型の研修に戻すのではなく、対面型とWeb型を組み合わせたハイブリッド型の研修を積極的に検討しましょう。 わざわざ集合しなくても済む部分をオンラインで実施すれば、時間やコストの削減につながります。Web型は参加者と講師の間に距離があるため、参加者の主体性を引き出しやすくなり、積極的な参加姿勢を期待できる点もポイントです。
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Web研修の特性を理解し新入社員を育成しよう
コロナ禍で従来型の集合研修が困難になっている中、Web型の新人研修を実施する企業が増えています。通勤負担やコストを軽減できることや、繰り返しの視聴で習熟度を高められることが、Web研修のメリットです。 参加者全員の顔を見られる状態にしたり、適度な休憩を設けたりするなど、Web研修ではいくつか気を付けたいポイントがあります。導入を検討するならWeb研修の特性をしっかりと理解し、効果的に新入社員を育成しましょう。
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