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3年以内の離職率と退職する理由。新入社員は何に不満を持つのか


目次[非表示]

  1. 1.自社の新入社員の離職率は?
    1. 1.1.離職率の計算方法
    2. 1.2.一般的に3年以内の離職を早期離職と言う
    3. 1.3.日本でも転職が当たり前になってきている
  2. 2.早期離職率の高さが企業に与えるダメージ
    1. 2.1.コストの無駄、人材確保の難しさ
    2. 2.2.ブラック企業の印象が付く場合も
  3. 3.厚生労働省発表の平均離職率
    1. 3.1.高卒が約40%、大卒が約30%
    2. 3.2.離職率は業種によって差がある
  4. 4.社員が離職しやすい企業、職場環境
    1. 4.1.適切な評価、処遇ではない
    2. 4.2.やりがいを見出せない
    3. 4.3.ギスギスした人間関係
    4. 4.4.女性が働きにくい
  5. 5.リテンション施策で定着化を促そう
    1. 5.1.まずは自社の離職理由を探る
    2. 5.2.ポジティブな会話を生む環境づくり
    3. 5.3.キャリア明確化のサポート
  6. 6.想定外の離職は「話す」ことで防げる

労働人口の減少が進む中、3年以内の離職率は企業にとって採用コストにも影響する重要な指標です。3年以内の離職率の平均や退職理由について解説します。新入社員がどんなことに不満を持つのかを理解し、あらかじめ要因を把握しておきましょう。

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自社の新入社員の離職率は?


 (出典) pexels.com

新入社員の早期離職は、採用コストの負荷増や労働環境の悪化など企業に取って大きなデメリットとなり得ます。

自社の社員の離職率を正しく把握するところから、離職について考えてみましょう。まずは、離職率の計算方法と早期離職の定義ついて解説します。

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離職率の計算方法

そもそも離職率が何の指標かというと「企業に在籍している社員が一定期間後に退職する割合」のことです。

離職率は「離職人数÷従業員数×100」という計算式で算出できます。

例えば、全従業員数1000人の会社で1年に50人の退職者が出た場合、その1年間の離職率は5%ということになります。

一般的に3年以内の離職を早期離職と言う

一般的には、3年以内の離職を「早期離職」と定義します。これは2010年に「青少年雇用機会確保指針」が改正され、高校・大学などを卒業から3年は新卒として扱うという処置が要請された事に関係しているといわれています。

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」という調査でも就職してから3年以内の離職率を計算しており、一般的に期間の基準は3年です。

日本でも転職が当たり前になってきている

これまでの日本では終身雇用制を採用している会社が多く、新卒で就職した後は定年まで同じ会社で勤めることが一般的でした。

しかし、現在は海外同様に転職が当たり前になりつつあります。

厚生労働省の調査「初めて勤務した会社での勤続期間」によると、3年未満で離職する人の割合は63.2%、1年未満も24.6%となっており、早期離職する割合が高くなっていることがわかります。

転職に対して抵抗がなくなっている新卒の労働者は年々増えているのが現状です。

参照:厚生労働省・平成30年若年者雇用実態調査の概況

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早期離職率の高さが企業に与えるダメージ

 (出典) pexels.com

早期離職によって、企業にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。その中でもダメージの大きいものを紹介します。

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コストの無駄、人材確保の難しさ

新卒を一括採用している企業などは、新卒を即戦力としてはカウントしておらず、半年から1年程度は教育期間として赤字が出ることを想定しています。

その後、新卒社員のスキルアップや成長により企業に還元してもらうというのが日本の一般的な企業構造でしたが、早期に退職してしまう人が増えればこの構造は崩れてしまいます。

教育にかけた費用はそのまま無駄になり、人員補充のための採用コストも発生します。また、企業がせっかく教育した高い熟練度を持つ社員が減少することにもなり、優秀な人材を確保しておくことが難しくなります。

ブラック企業の印象が付く場合も

離職率が高いと、労働環境や待遇が悪い「ブラック企業」というイメージを持たれかねません。求職者が求人を出している企業を調べるとき、待遇だけでなく離職率をチェックすることもあります。

早期離職率の高い企業はブラック企業なのではという警戒を抱かせてしまい、採用をかけても人が集まらなくなることもあるでしょう。

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厚生労働省発表の平均離職率

 (出典) pexels.com

厚生労働省の発表している平均的な早期離職率について見ていきましょう。自社と比較することで、離職率の高低を判断する指標にもなります。

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高卒が約40%、大卒が約30%

厚生労働省の発表している「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」によれば、平成29年に入社し就職後3年以内に退職した新卒社員の割合は、高卒が39.5%、大卒が約32.8%となっています。

特に差があるのが1年目です。就職後1年以内に退職する新入社員の割合は高卒で17.2%、大卒で約11.6%となっています。このデータから高卒の人材は離職率が高いと認識され、高卒の人材を採用するのを躊躇している企業もあります。

新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況|厚生労働省

離職率は業種によって差がある

上記で紹介した調査の数値はすべての業種の合計であり、業種ごとに比較すると離職率にはばらつきがあります。

同じく厚生労働省の調査によれば、業種別で離職率が最も高いのが「宿泊業・飲食サービス業」で約26%、次に「生活関連サービス業・娯楽業」で約24%です。業種別の早期離職率も、この調査で示されている平成30年の離職率に対応していると考えてよいでしょう。

サービス業の離職率の高さは日本社会でも課題の一つとなっています。一方、製造業や建設業では10%以下と低くなっています。

産業別の入職と離職|厚生労働省

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社員が離職しやすい企業、職場環境

 (出典) pexels.com

社員が離職しやすい職場環境には、どのような共通の要素があるのでしょうか。自社が下記の要因が当てはまっていないかを確認し、環境改善の材料としましょう。

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適切な評価、処遇ではない

適切な評価は従業員の承認欲求を満たし、モチベーションの向上につながります。逆に、自身のしている仕事の成果や頑張りが評価されなければ、意欲の低下から退職につながる可能性が高くなります。

数値だけの注目した評価は、新入社員にとって不満が募る要因の一つです。売上や商談件数の獲得はわかりやすい指標ではあるものの、特に新入社員の場合はスキル面の未熟さから努力が数字に直結しないこともあります。

頑張っていても結果が出るまで評価が全く上がらなければ、モチベーションは上がりにくくなります。また、評価が給与や待遇に反映されないことも、社員がフラストレーションを抱え転職を考える原因になるでしょう。

処遇も離職に大きく関係しています。自分の希望した部署に配属されない、機材や環境の悪さによって成果が出せないといった状況もストレスや不満につながる要因です。

やりがいを見出せない

やりがいがは、人が積極的に働くための大切なモチベーションになります。やりがいを見いだすことで仕事が楽しくなり、多少の不満であれば打ち消されることもあるでしょう。

逆に、やりがいを見いだせない仕事をしていると不満が蓄積されていきます。やりがいがないと感じる要因として、毎日が同じ作業の繰り返しであること・情報が共有されないことが挙げられます。

例えば、全体のプロジェクトの中で自分が何のためにその作業をしているか説明を受けていない場合や、商品を企画しても購入者の反応などが一切フィードバックされない環境などです。

社員が仕事に意味を見いだせるよう適切に情報を共有することや、本人のスキルに合わせて新しいことにも挑戦させることなど、業務がマンネリ化しない工夫が早期離職の防止につながります。

ギスギスした人間関係

離職理由の中でも、劣悪な人間関係は大きな割合を占めています。従業員同士の中が悪かったり罵声や悪口が飛び交っていたりする職場環境は、新入社員にとって大きなストレスです。

そうした部署やチームはの環境は、新人の離職だけでなく生産性の低下にもつながります。人間関係が円滑になるよう、配置換えを行う・上司が仲介に入るなどして人間関係のトラブル解消に努めましょう。

女性が働きにくい

女性が働きにくければ、当然女性の早期離職者が増えます。人材確保のために女性の採用枠を設けてはいるものの、女性を受け入れる態勢が整っていない企業も存在します。

例えば、出産や育児などは女性にとって重要な人生のイベントです。子供が生まれると女性は長期休暇を取らざるを得ませんが、休暇を終えて戻ったときに仕事がなくなっていたり、同じ部署に戻れなかったりといったケースもよくあります。

また、育児中や産後のパートナーをフォローするため男性が休まなければならない場合もあります。こうした家庭環境に配慮ができていない職場では男性の離職率も上がってしまうため、早急に改善しなければなりません。

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リテンション施策で定着化を促そう

 (出典) pexels.com

リテンションは「維持」や「保持」という意味の言葉で、リテンション施策とは社員を定着させるための試みのことです。

離職率を低下させるためのリテンション施策にどのようなものがあるのか、具体的に紹介します。

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まずは自社の離職理由を探る

離職率が高い場合、何がネックになっているのかを探るところから始めましょう。すぐに社員が辞めてしまう要因が不明のままでは対策のしようがありません。

給与が低い・待遇が悪い・人間関係が悪化している・やりがいを感じられないといったさまざまな要因の中で、何が離職につながっているのかを探ってみましょう。

離職した社員と連絡を取れるなら、理由を聞いてみるのが有効です。現状働いている社員に匿名でアンケートを行うという方法もあるでしょう。主な離職理由を探ることで、とるべき対策が見えて来ます。

ポジティブな会話を生む環境づくり

ネガティブコミュニケーションが主流となっている職場には、なかなか新人が定着しない傾向があります。

人間関係が希薄なだけでなく、失敗したら自分にもネガティブな評価がついて回るのではないかという不安から心理的安全が確保できないためです。離職の要因になるのはもちろんですが、ミスやトラブルが発生したときに報告しにくくなる原因にもなります。

人材を引き留めておきたいなら、ポジティブな会話を生む環境を構築しましょう。1on1ミーティングで社員からの不満を吸い上げたり、定期的なレクリエーションを開いたりして交流しやすい環境を作り上げるのもよい方法です。

キャリア明確化のサポート

特に入社したばかりの新人の多くは、キャリアプランに不安を抱えている傾向があります。職務給(担当する仕事に応じて給与が決まる体制)を採用する企業も増えてきている現代では、勤続年数が長くなれば必ず待遇が上がるとも限りません。

自身のキャリアアップには、スキルアップや実績を作ることが欠かせなくなってきています。そのため、成果をなかなか出せない新人の中には「一生平社員ではないか」「いざというときに首を切れる立場になっていないか」という不安を抱えている人もいます。

また、キャリアパスが明確化していないことは目標ややりがいの欠如にもつながります。新入社員の将来的なキャリアを明確化するためのサポートを充実させることで、やりがいや目標が生まれ定着が期待できるでしょう。

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オンボーディングの重要性。手厚いサポートにより解決できる課題とは

想定外の離職は「話す」ことで防げる

 (出典) pexels.com

離職の要因になることの多くは、自ら打ち明けることができないというものです。上司や人事部に自分の不満を話す機会が設けられ、待遇や環境が改善されれば離職を踏みとどまる可能性が高くなります。

離職を防ぐためには、社員が辞めたいと思う原因に対するキャッチアップやサポートが不可欠です。そのためにも、普段から話しやすい職場環境を整えることが早期離職防止の第一歩といえるのではないでしょうか。

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