企業のIT研修について。リテラシーとスキルを習得させるメソッド
IT企業の研修には、通常の研修とITスキルを高める研修があります。研修効果を高めるためには、IT研修で行うべきカリキュラムや、有能な人材を育成するコツを知ることが重要です。IT企業の研修や、社員を正しく育てるポイントについて解説します。ジョブサポートの若手・新人向け通年Java研修はこちら
目次[非表示]
- 1.新入社員に対する研修の役割とは
- 1.1.意識改革とモチベーションの向上
- 1.2.実務で必要になるスキル習得
- 2.IT業界で行われる研修は2タイプ
- 2.1.通常の新人研修
- 2.2.ITスキルに特化した研修
- 3.IT研修の必要性について
- 3.1.業務の効率化や生産性アップ
- 3.2.情報セキュリティ意識を高める
- 3.3.IoT化する社会に対応
- 4.研修を成功へ導くのに大切なことは
- 4.1.目的を明確に設定する
- 4.2.実績と信頼のある講師を選ぶ
- 4.3.研修後のフォローを実践する
- 5.IT研修で学ぶ具体的な内容とは
- 5.1.マネジメント系の研修
- 5.2.エンジニア系の研修
- 5.3.Webクリエイター系の研修
- 5.4.ITインフラ系の研修
- 6.積極的に取り入れたい研修方法は
- 7.よりレベルの高い充実のIT研修を行うには
- 7.1.オンライン研修の体勢を構築する
- 7.2.外部の研修サービスを利用する
- 8.IT研修を理解して優秀な人材の育成を
新入社員に対する研修の役割とは
新人研修を実施する大きな目的は、意識改革・モチベーションの向上・実務に必要なスキルの習得です。それぞれについて詳しく解説します。若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策はこちら
意識改革とモチベーションの向上
新人研修が持つ大きな役割の一つに、新入社員の意識改革が挙げられます。今まで会社で働いたことがない新入社員に、社会人としての自覚や責任感、業務に対する正しい姿勢や心構えを意識してもらわなければなりません。 意識改革により新入社員に会社への帰属意識が生まれれば、自分の仕事に誇りを持てるようになり、早期離職を防止できます。個々のモチベーションも向上するでしょう。 意識改革とモチベーションの向上を図るためには、研修のみで終わらせないことが重要です。新入社員に研修の成果を発揮してもらうよう、組織やチームが一丸となって継続的にサポートする必要があります。
実務で必要になるスキル習得
新人研修では、実際の業務で必要とされる、基本的なスキルも習得してもらいます。ビジネスマナー・業務の進め方・課題の解決方法などが、対象となる主なスキルです。 実務で必要とされるスキルは、一般的にどの企業でも通用するものと、企業独自のものに分けられます。一般的なスキルは入社前に習得している可能性もありますが、その企業にしか通用しないスキルは、企業の新人研修でしか習得してもらえません。 特に、毎日行うことを求められる作業などは、優先的に覚えてもらう必要があります。新人研修で事前に定着させておけば、研修後の業務をスムーズに進められるでしょう。 実務で必要になるスキルの習得は、結果的に企業の生産性を向上させることにつながります。より多くの利益を生み出すためには、早期における個々のスキルアップが不可欠です。
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IT業界で行われる研修は2タイプ
IT企業の新人研修では、通常の新人研修だけでなく、IT分野に特化したタイプの研修が実施されることもあります。ビジネスで通用するITスキルを社員に求めるなら、IT特化型研修も検討する必要があるでしょう。
通常の新人研修
IT業界で実施される研修の一つが、一般的に行われる通常の新人研修です。社会人としてのビジネスマナーや業務の基本的な進め方など、新入社員であることを重視した研修が行われます。 通常の新人研修は、人事部の主導で実施されるのが一般的です。企業理念や社風に合わせた内容を練り上げ、講義内容へ反映させていくことになるでしょう。 IT企業といっても、一企業であることは他の企業と変わりありません。通常の新人研修は、対外的に失礼のない態度がとれる人材育成や、企業に大きく貢献できる人材育成の第一歩になります。
ITスキルに特化した研修
IT企業の中には、ITスキルの取得に特化した研修を実施している企業も多く存在します。研修の内容は、企業の業種や求めるスキルレベルによりさまざまです。 例えば、即戦力となるエンジニアを育成したい場合は、プログラミングやサーバーの知識を学んでもらうことになるでしょう。業務に必要な言語があるなら、その言語を優先的に習得させなければなりません。 コンプライアンスの観点から、ITリテラシーや情報セキュリティについても学習する必要があります。マネジメント系やWebクリエイター系など、職種により研修内容が分かれるケースもあるでしょう。開発環境(言語、バージョンなど)に影響されない技術を身に付けるジョブサポートの新卒者向けJava研修はこちら
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IT研修の必要性について
新入社員の研修でIT研修をしたほうが良い理由を解説します。社会や企業でIT化が進む中、ITスキルの習得は不可欠であることを押さえておきましょう。
業務の効率化や生産性アップ
IT研修を実施すれば、社内に導入しているITツールを、新入社員が一様に扱えるようになります。先輩や上司によるレクチャーの手間が省けるため、業務の効率化につながります。 ITツール自体を使いこなせるようになる点も、IT研修のメリットです。素早く文書を作成できるようになるなど、業務の効率化を図れるスキルを習得できます。 IT研修でツールや機器の使い方を覚えれば、トラブルにも落ち着いて対応できるようになります。人の手を借りずに修正できれば、業務の進行を遅らせずに済むでしょう。 近年は多くの企業で、生産性の向上を図るために、さまざまなITツールを導入しています。それぞれのツールをきちんと使いこなしてもらうためにも、入社時のIT研修は重要です。
情報セキュリティ意識を高める
企業の重要情報に対するセキュリティ意識を高めることも、IT研修の大きな目的です。情報漏えいにより企業が甚大な損害を受ける恐れがあることを、研修で理解させる必要があります。 多くの新入社員は、企業における情報セキュリティを軽く考えているでしょう。業務上発生し得る身近なリスクや、データ・端末の扱い方などを、きちんと学んでもらわなければなりません。 近年は大企業だけでなく、中小企業も情報犯罪の標的になっています。セキュリティ人材の市場価値がますます高まる中、自社でもセキュリティ対策ができる人材育成に注力することが重要です。
IoT化する社会に対応
IoT化とは、身の回りにあるさまざまなモノをインターネットとつなげることです。家電製品をはじめ、近年はさまざまな分野でIoT化が進んでいます。 IoT化を外注している企業なら、IoTを深く理解している社員がいれば、パートナー企業とより効果的に連携できます。IoTと関係のない分野の企業でも、今後のIoT化に備えた人材を育成しておけば、素早い対応が可能になるでしょう。 IoT分野においては、絶対的に人材が不足しているのが実情です。社会のIoT化が進む中、企業として時代の波に乗り遅れないよう、研修でしっかりと対策を講じておきましょう。
研修を成功へ導くのに大切なことは
新人研修の効果を高めるためには、明確な目標設定・適切な講師の選定・研修後のフォローが重要です。それぞれについて詳しく解説します。
目的を明確に設定する
新人研修を成功させるためには、研修の目的を明確に定めておくことが重要です。目的がなければ、無駄なカリキュラムに余計な手間や時間を費やしかねません。 目的を設定することは、受講者にとってもメリットがあります。受講者がきちんと目的を理解し、目的に向けて実践してくれれば、必要なスキルが身に付きやすくなるでしょう。 目的を決める際は、自社に内在する問題や課題を洗い出すことが大事です。漠然としたものではなく、より具体的な目的を定めることで、社員の意識も高まります。 過去に実施した研修の成果を参考にするのも一つの方法です。具体的な成功例を提示することで、新人社員のモチベーションアップにもつなげられます。
実績と信頼のある講師を選ぶ
研修を実施するにあたり、講師の選定は研修の成果を左右する重要な作業です。新人研修に関して、確かな実績と信頼を持つ講師に依頼しましょう。 講師の選定では、社内講師にするか外部に委託するかで迷いがちです。講師としてのスキルは外部講師のほうが優れている一方で、社内講師は自社に精通している強みを持っています。 どちらかにこだわらず、研修内容で決めるのがおすすめです。メイン講師を外部講師にしつつ、サポート役として社内講師と連携してもらうのも良いでしょう。 社内講師で研修を行う場合は、受講者に寄り添って講義を進められる人選を意識することが大事です。ビジネスマナーなどを教える場合は、新入社員と年齢の近い人を選べば、より親近感がわきやすい講義を行えます。
研修後のフォローを実践する
新人研修を効果的なものにするためには、研修だけで終わらせるのではなく、その後のフォローアップが重要です。 テスト・アンケート・面談などを定期的に実施し、研修内容が生かされているかをチェックします。フォローアップは、3カ月後・半年後・1年後に行うのが一般的です。 研修後のフォローには、新人社員のモチベーションを高めたり、悩みや不安を解消したりする効果もあります。早期離職を起こさせないためにも、大事な業務であることを覚えておきましょう。若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策はこちら
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IT研修で学ぶ具体的な内容とは
IT研修に含まれることが多い、主な内容を紹介します。自社に合ったカリキュラムを選べば、無駄を省いた効率的な研修を実施できるでしょう。
マネジメント系の研修
プロジェクトのリーダー的な役割を担わせたい社員がいる場合は、マネジメント系の研修を実施しましょう。実務に必要なスキルと併せて、プロジェクトの設計・制作・運用について学びを深められます。 自社でオウンドメディアやECサイトを運営しているケースでも、マネジメント系の知識があれば将来的な運営を任せられます。この場合は、プログラミング言語・ビッグデータ解析・SEOなどの学習が不可欠です。 マネジメント系の研修では、ITリテラシーやデジタルマーケティングなどの内容を盛り込むのも良いでしょう。プロデュースやディレクションの知識を学ぶプログラムを入れておくのもおすすめです。
エンジニア系の研修
IT技術者の養成を目的として研修を実施するなら、エンジニア系の研修を選ぶことになるでしょう。プログラミング言語をはじめ、システム開発やサーバー構築などのスキルを習得できます。 新人向けのIT研修でエンジニア系の内容にする場合は、知識や経験が全くないことを前提に、長期間の研修になるのが一般的です。コンピューターの基礎からじっくりと学んでいきます。 プログラミングの研修を実施する際は、自社で必要な言語をベースとし、汎用性や需要も参考に言語を選択しましょう。
Webクリエイター系の研修
Webサイトの構築に携わるWebクリエイターの養成研修では、プログラミング言語・アプリ開発・Webデザインの学習が中心です。 プログラミング言語を選択する際は、HTML/CSSだけでなく、PHP・Ruby・JavaScript・SQL・Pythonなども取り入れるのがポイントです。実際にプログラミングを行いながら、体験的な学習を進めていきます。 即戦力の育成を目的に、より実践的で詳細な知識やスキルを習得できるのが特徴です。近年はスマホの利用者が増えているため、アプリ開発の分野を重点的に学習するカリキュラムも増えています。
ITインフラ系の研修
ITインフラとは、企業の活動をITの面からサポートする基盤システムのことです。企業において、ITインフラの導入や整備は重要な課題の一つといえます。 ITインフラ系の研修を実施することで、ネットワーク・データベース・サーバーなどに関する知識を習得できます。企業によりITインフラの状況は異なるため、自社に合った適切なカリキュラムを選ばなければなりません。 研修を行う際は、現在のITインフラを担当している社員との連携も重要です。最低限の用語や用途などを事前知識として理解しておけば、研修効果をより高められるでしょう。
積極的に取り入れたい研修方法は
新人研修に組み込めるスキルアップの手法には、さまざまな種類があります。代表的な研修方法を知り、自社の研修に積極的に取り入れてみましょう。開発環境(言語、バージョンなど)に影響されない技術を身に付けるジョブサポートの新卒者向けJava研修はこちら
グループワーク
研修の参加者同士でチームを組み、全員で協力しながら課題をクリアしていく方法がグループワークです。研修にグループワークを取り入れれば、チームプレイのスキルを高められます。 実務においても、ほとんどのプロジェクトはチームで行われるのが基本です。グループワークでチームプレイを疑似体験することで、組織の一員として貢献する方法を学べます。 IT研修のグループワークでは、一つの成果物を発表することが目標です。成果物のクオリティーだけでなく、段取りの良さや目的意識の高さなども評価対象となります。
ケーススタディ
ケーススタディとは、具体的な事例から一般的な理論や法則を導き出そうとする研究方法です。ビジネス・医療・教育など、さまざまな分野で導入されています。 ケーススタディにより、問題や課題が多岐にわたり発生する状況でも、組織としての最適解を定めやすくなります。リスク回避やアイデア創出、時間短縮の能力を身に付けられることがメリットです。 研修においては、チームを組んでいくつかのケースについてディスカッションし、それぞれの解釈を発表する方法がよく採用されています。
OJT
実務の現場で実際に業務を行いながら、スキルを習得する方法がOJT(On-the-Job Training)です。先輩や上司から、業務を通して知識や技術を計画的に新入社員へ伝えます。 マニュアルや座学だけでは習得しにくい知識やスキルを学べることがメリットです。より実践的なスキルが身に付くため、即戦力を育成しやすい特徴も持っています。 先輩や上司と単に業務を一緒に行うだけでなく、マニュアルや評価軸を定めて計画的に行うことが、OJTを成功させるポイントです。効果的な研修方法として、多くの企業がOJTを取り入れています。
メンター制度
メンター制度とは、新人社員に対し、年齢の近い先輩社員が業務面やメンタル面でサポートする制度です。不安や悩みが多くなりがちな新人社員を、知識や経験が豊富な先輩社員が、さまざまな観点から支援します。 メンター制度を導入することで、新人社員の居心地が良くなり、労働環境が改善されます。結果的に早期離職を防ぐことにもつながるでしょう。 ひと昔前の職場なら、このような制度がなくても、助けてくれる先輩が何人も現れたものです。しかし、働き方が多様化した現在は年齢の近い先輩もライバルになりやすいため、あえて制度化して働きやすい環境を作る傾向があります。
ロールプレイ
仕事において実際に起こり得る場面を想定し、役割を分担して演じながら課題の解決を探る方法がロールプレイです。知識のインプットだけでは習得しにくいスキルが身に付きやすくなります。 実際の現場を想定して行えるため、研修にも採用しやすい点がメリットです。限られた時間内で、効果的にスキルを習得できるでしょう。 受講者の具体的な課題を把握しやすくなることや、コミュニケーションスキルが身に付きやすいこともポイントです。特に、販売・電話対応・商談などのスキルアップ方法として、多くの企業が採用しています。
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よりレベルの高い充実のIT研修を行うには
IT研修の成果をよりアップさせたいなら、以下に挙げる二つのポイントを意識してみましょう。効果的な研修を行える可能性が高まります。
オンライン研修の体勢を構築する
働き方の多様化や感染症への対策として、オンライン研修を導入する企業が増えています。オンライン研修とは、インターネットと端末を利用し、離れた場所からも参加できる研修です。 Web会議ツールを使用すれば双方向のコミュニケーションが可能となるため、講師とのやり取りやグループワークも行えます。集合型の研修に比べ、移動コストを削減できることや遠隔地からも参加できることがメリットです。 テレワークを導入済みの企業なら、オンライン研修の環境も構築しやすいでしょう。従来型に固執せず、時代の変化に合わせて柔軟にシステムの変更を検討することが重要です。ジョブサポートのオンライン講座(短期Java。フロントエンド)はこちら
外部の研修サービスを利用する
予算に余裕があるなら、IT研修は外注で実施するのがおすすめです。研修サービスを提供している業者の中には、IT研修を専門にしている業者も存在します。 研修を外注すれば、準備に時間や手間がかかりません。プロの講師に指導してもらえることや、社外のさまざまな考え方を知れることもメリットです。 コストはそれなりにかかるものの、確かな成果を得やすいことを考えれば、費用に見合った効果は大いに期待できます。人事部の負担を軽減するためにも、IT研修は外注を検討しましょう。若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策はこちら
IT研修を理解して優秀な人材の育成を
新人研修にIT研修を組み込めば、業務の効率化や生産性アップを期待できます。情報セキュリティ意識を高めたり、IoT化する社会に対応できたりする点もメリットです。 研修を成功へ導くためには、目的を明確に設定し、実績と信頼のある講師を選ぶ必要があります。オンライン研修の導入や研修の外注も検討し、優秀な人材の育成を目指しましょう。