若手・新人エンジニアの問題解決力を養うには?おすすめの鍛え方を解説
エンジニアの問題解決力を高めれば、トラブルが発生した際に適切な対応を取れるようになります。優秀な人材を育てるためには、技術面だけでなく精神面も鍛えることが重要です。問題解決力の重要性や、効果的な鍛え方を紹介します。開発環境(言語、バージョンアップなど)に影響されない問題解決力を身に付けるジョブサポートのエンジニア研修はこちら
目次[非表示]
- 1.問題解決力はITエンジニアに必須の能力
- 1.1.そもそも問題解決力とは何か
- 1.2.多くの問題は3種類に分類可能
- 2.エンジニアがよく遭遇するトラブル
- 2.1.システムに不具合が発生する
- 2.2.設計が変わる
- 2.3.納期の変更や遅れが生じる
- 3.問題解決のために重要な行動や考え方
- 3.1.現状を認識し冷静に対処する
- 3.2.コミュニケーションを重ねる
- 3.3.問題をポジティブに捉える
- 3.4.経験を積み自信を高める
- 4.問題解決法「ラバーダッキング」法について
- 4.1.ラバーダッキングとは何か
- 4.2.ラバーダッキング法のメリットは
- 5.社員の問題解決力を鍛える方法
- 5.1.問題解決に関する本から学ぶ
- 5.2.能力が高い人の真似をする
- 5.3.専門の研修を受ける
- 6.スキルアップを心掛け問題解決力を培おう
問題解決力はITエンジニアに必須の能力
他の職種と同じく、エンジニアの仕事にもさまざまな問題が発生します。業務を円滑に進めていくためには、問題解決力を身に付けておく必要があるでしょう。
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そもそも問題解決力とは何か
問題解決力とは、問題を分析して原因を突き止め、適切な解決策を導き出して解決しようとする能力です。頭で考えるだけでなく、解決に向けた実行力も求められます。 エンジニアが業務に携わっているときには、さまざまな問題が発生します。技術的な問題だけではなく、人間関係のトラブルや会社の信頼失墜につながる問題が発生することもあるでしょう。
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あらゆる場面で問題解決力を発揮できなければ、事態を打開することは不可能です。たとえエンジニアであっても、他の職種と同様に、社会人としての問題解決力が備わっている必要があります。
多くの問題は3種類に分類可能
問題解決力を考える場合は、問題を3種類に分けて考えるのが基本です。問題の種類は、発生型・潜在型・設定型に大別できます。 発生型は、すでに目に見えて発生してしまっている問題です。認識が容易であり、解決策も見つけやすい特徴があります。
まだ発生していないものの、いずれ発生することが予想される問題を潜在型と言います。常に意識していなければ、問題自体の認識が困難です。 自分で何らかの目標を立てた際は、設定型の問題が起こり得ます。目標と現状にギャップが生じることを指し、解決するには自分の考え方や行動を改めなければなりません。
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エンジニアがよく遭遇するトラブル
エンジニアとして仕事をしている際に、よく起こり得るトラブルを紹介します。いずれのケースでも、問題解決力を発揮して状況を打開することが求められます。
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システムに不具合が発生する
エンジニアが遭遇しやすいトラブルの一つがシステムの不具合です。システムの規模や影響力が大きくなるほど、トラブル発生後の問題も大きくなります。 システムが完全に停止してしまうと、利用者に多大な迷惑をかけかねません。トラブルの原因や発生後の対応次第では、大きな損失を出してしまう恐れもあります。
システムの不具合に対しては、不具合発生後にしっかりと解決することだけでなく、不具合を出さないようにする予防策をきちんと講じておくことが重要です。
設計が変わる
システムの設計変更も、エンジニアを悩ませやすい問題の一つです。完成したシステムの設計を変えることは、場合によっては多くの時間や手間を犠牲にしかねません。
完成後の設計変更を防ぐためには、最初の設計段階で仕様を詰めておく必要があります。ただし、システム稼働後は予測不能なことが起こる場合も多い上、時代の流れとともに変更を余儀なくされるケースもあります。
顧客が想像していたようなシステムに仕上がらず、変更を求められることもあるでしょう。さまざまなパターンを想定し、柔軟に対応できる体制を整えておく必要があります。
納期の変更や遅れが生じる
多くの場合、システム開発には納期が設定されます。顧客側で納品後のスケジュールがしっかりと組まれているなら、納期が遅れることで多大な迷惑をかけてしまいかねません。
しかし、システム開発では、作業の遅れがあらゆる工程で往々にして起こり得ます。納期に間に合わせるためには、下流工程で時間を取り戻さねばならず、精神的・肉体的な負担も増加しやすくなるでしょう。
納期の短縮も、エンジニアのトラブルとしてよくあるケースです。納期の変更や遅れが生じた場合は、問題解決力を発揮して作業を最大限に効率化する必要があります。
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問題解決のために重要な行動や考え方
エンジニアの問題解決力を高めるためには、以下に挙げる行動や考え方を意識することが重要です。スキルを習得させる上での参考にしましょう。
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現状を認識し冷静に対処する
問題が発生した際、まずはしっかりと現状を認識することが求められます。戸惑ったり焦ったりせず、冷静に対処することが重要です。
問題に向き合うときは、客観的な視点を心掛けましょう。自分の好き嫌いで判断するなど、主観的な視点で向き合ってしまうと、適切な解決策を導きにくくなります。 さまざまな立場に立って問題を捉えれば、問題の全容を把握しやすくなるため、力を入れて考えるべきポイントも見つけやすくなるでしょう。
コミュニケーションを重ねる
問題を解決しやすくするためには、日ごろから周囲とコミュニケーションを重ねておくことも大事です。 同僚や上司と頻繁にコミュニケーションを取っておけば、さまざまな情報を入手しやすくなります。
納期の変更や遅れも、情報として事前にキャッチできるため、対応しやすくなるでしょう。 チーム内でコミュニケーションを重ねれば、個々の問題を常に把握できる点もポイントです。チームプロジェクトにおいては、常に何かしらの問題が発生していることが多く、連携を密に取ることで素早い問題解決につなげられます。
問題をポジティブに捉える
問題が発生すると、多くの場合はその問題をネガティブに捉えてしまいがちです。しかし、問題を深刻に捉えると焦りが生じやすくなるため、的確な解決策が導けなくなってしまいます。
問題解決力を高めるためには、どのような問題でもポジティブに捉える意識を持つことが重要です。自分や周囲に心の余裕が生まれ、冷静な判断で解決できるようになるでしょう。
問題をネガティブに捉えると、問題を解決することだけを目的にしやすくなります。一方、問題をポジティブに考えれば、問題を解決した後に、より良いものを生み出せる可能性が高まります。
経験を積み自信を高める
問題解決力を高めるためには、多くの経験を積むことも重要です。さまざまなトラブルを経験し、それぞれの解決策を蓄積すれば、自信が高まりトラブルを怖がらなくなります。
トラブル対処法の引き出しを増やすことで、次のトラブルにも根拠のある対策を講じられます。自信を持って問題に向き合えば、周囲からの信頼も得やすくなるでしょう。
問題が発生した際は、原因や解決策をマニュアル化するのがおすすめです。自分だけでなく、社内のあらゆる人に役立つトラブルシューティングになります。
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問題解決法「ラバーダッキング」法について
エンジニアの世界では、ラバーダッキング法と呼ばれる問題解決法が有名です。どのような方法なのか、概要やメリットを解説します。
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ラバーダッキングとは何か
ラバーダッキング法とは、自分の中で問題が発生したときに、ラバーダックに悩みを打ち明けて解決策を導き出す方法です。
ラバーダックとは、ゴムでできた小さなアヒルのおもちゃです。話しかける相手はラバーダックでなくても構いません。小さなマスコットキャラクターなどで代用しましょう。 ラバーダッキング法のポイントは、自分の悩みを実際に声に出して話すことです。頭の中で漠然と抱いている悩みを言語化することで、解決策が頭に浮かびやすくなると言われています。
ラバーダッキング法のメリットは
ラバーダッキング法で問題解決を図れば、誰かに相談することなく、自力で解決策を導き出せます。相談する時間がなかったり、人に相談したくない内容だったりする場合に便利です。
ラバーダッキング法では、論理的思考力も高められます。ラバーダックに次々と自分の考えを話すことで、物事を体系的に整理できるようになり、スムーズに結論を導き出せるでしょう。
自分で悩みを抱えているときは、具体的に何を悩んでいるのか分からないこともあります。声に出して言語化し、悩みの原因を洗い出しながら解決の糸口を探っていけば、後は解決策を実践するだけの段階まできているでしょう。
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社員の問題解決力を鍛える方法
社員の問題解決力を効率良く高められる方法を紹介します。独学にプラスして、研修を実施するのもおすすめです。
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問題解決に関する本から学ぶ
問題解決力を独学で鍛える方法としては、書籍から学ぶ方法が効果的です。問題解決に特化した参考書を読めば、トラブルをロジカルに解決できるようになります。
体系的に学習を進められる点が、本で勉強する大きなメリットです。ゼロベース思考や仮説志向などの代表的な思考法をはじめ、技術やプロセスまできちんと理解できます。
良書とされている本をインターネットなどで探し、3冊程度じっくりと読んで行動に移せば、より確実に問題解決力を身に付けられるでしょう。
能力が高い人の真似をする
社内に問題解決力の高い人がいれば、社員がその人の考え方や行動を真似ることで、社員自身も能力を高めやすくなります。ロールモデルが同じエンジニアなら、より高い効果を期待できるでしょう。
メンター制度を導入するのも一つの方法です。問題解決力を高めたい社員に、先輩や上司をメンターとしてつけ、問題解決をサポートしてもらいます。
問題解決力の高いメンターなら、適切なアドバイスをしてあげられるため、効率良くスキルアップを図れるでしょう。メンター自身が解決してみせるのではなく、あくまでも社員自身に解決させるのがポイントです。
専門の研修を受ける
より効率良く能力の向上を図るなら、社員に外部の専門研修を受けてもらうのもおすすめです。エンジニア向けの企業研修には、問題解決に特化したものも用意されています。
外部の社外研修を実施することで、スキルの体系的な習得が可能です。プロが作成した質の高い講義を受けられるため、高い成果を上げやすくなります。 外部の業者が実施する問題解決研修の主な目的は、問題の正確な把握・正しいプロセスに基づいた問題解決・問題の未然防止です。
エンジニア向けの研修として提供されているため、実際の業務で生かしやすいスキルが身に付きます。1度に多くの社員のスキルアップを図れることもメリットです。
■関連サイト
スキルアップを心掛け問題解決力を培おう
問題解決力は、業務中にさまざまな問題が発生するエンジニアにとって必須の能力です。問題解決力が高まれば、根拠のある論理とプロセスを経て解決策を提示できるようになります。 スキルを高める方法としては、書籍から学んだり能力が高い人を真似たりする方法が有効です。外部研修サービスの実施も検討し、効率良く社員のスキルアップを図りましょう。
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