リモートでのコミュニケーション不足を解消するための6施策を解説
新しい働き方が浸透し、テレワークでの業務も当たり前になってきました。しかし、リモートではコミュニケーションが足りないと感じていませんか。新時代のビジネスは、孤独になりがちです。社員とのやり取りをスムーズにする6つの施策を解説します。
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目次[非表示]
- 1.リモートワークでコミュニケーション不足に陥る原因は?
- 1.1.業務上のやりとりだけになってしまう
- 1.2.やりとりにタイムラグが生じる
- 1.3.コミュニケーションツールが使いこなせない
- 2.コミュニケーション不足に陥るとどうなる?
- 2.1.社員の評価・管理が難しくなる
- 2.2.モチベーション・生産性の低下
- 3.今すぐできる簡単リモートコミュニケーション施策
- 3.1.雑談の機会を増やす
- 3.2.感情が伝わるようにする
- 3.3.顔を確認できるコミュニケーションをとる
- 4.リモートコミュニケーションを効率化する社内ルール
- 4.1.チャットツールやアプリの導入
- 4.2.1on1面談の実施
- 4.3.コミュニケーションのルールを決める
- 5.リモートコミュニケーションの注意点
- 5.1.ネガティブな発信は対面で行う
- 5.2.暗黙の了解をやめるよう指導する
- 6.コミュニケーションが円滑になれば生産性も向上
リモートワークでコミュニケーション不足に陥る原因は?
人は会話をする際、言葉だけを聞いているわけではありません。仕草や表情、声のトーンなどで、言葉の中に隠された感情を読み取っています。リモートワークの問題点は、感情を感じ取れないことなのです。詳しく見ていきましょう。
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業務上のやりとりだけになってしまう
メールやチャットなどの文字でやりとりするコミュニケーションツールでは、発言が可視化されています。 余計な発言は仕事上の大切な情報が伝わらないと思い、余分な言葉を省いて正確に情報を伝えようとします。
しかし、それだけではコミュニケーションは不足するのです。 情報の重要性は、会話しているときには判別がつきません。あとになって「この情報が先にあったら!」と思うこともあります。雑談していた時間こそ、有益な情報を交換していたことに気付くのです。
やりとりにタイムラグが生じる
テレワークでは各社員が何をしているのかが見えません。質問が来ても、タイミングが合わなければすぐに回答ができないのです。
フレックスタイムなどで業務する時間が異なる場合、回答を受け取るタイムラグが起きると理解が遅くなります。結果的に業務が滞り、円滑なタスクの遂行に支障を来す可能性があるのです。
ちょっとした疑問や緊急性のない質問の場合、相手の忙しさが見えない状況なのでつい遠慮してしまいます。するとコミュニケーションがとりにくくなり、それがストレスとなってやりとりが最小限になってしまうのです。
コミュニケーションツールが使いこなせない
テレワークにおいて、チャットツールやオンライン会議、管理システムなどのICTツールは欠かせません。 対面が基本だったミドル・シニア世代は、仕事のやりとりなのに絵文字を使ったり、短文だけのやりとりに不快感を覚えることもあるようです。
コミュニケーションツールだけでは細かいニュアンスや、感情が伝わりません。文字だけで情報を読み取ることが不得意な人にとっては、ツールが使いこなせないことで情報の共有ができなくなってしまうのです。
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コミュニケーション不足に陥るとどうなる?
(出典) pexels.com
仕事をする上で、コミュニケーションは社員同士の潤滑油になる大切な要素です。もしコミュニケーションが不足してしまうと、さまざまな困難が訪れます。
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社員の評価・管理が難しくなる
これまでは、結果だけではなく勤務態度、仕事に対する姿勢、結果を出すまでの過程まで評価の対象になっていました。しかし、テレワークだと取り組みの様子や努力の過程は目に見えにくく、評価基準が少ない状態で判断しなければならないのです。
結果に対して社員がどれほど貢献したか目に見えないのに、成果が評価のメインになっていくと、従業員からの不安や不満は増すかもしれません。 評価がブレれば信頼関係も崩れ、部下のモチベーション管理も難しくなってしまいます。
成果をデータとして集積し、テレワークでの評価基準を改めて設け、周知徹底する必要があります。
モチベーション・生産性の低下
コミュニケーションが不足し、業務も円滑に進まず、評価にも納得感がないのでは、仕事に対するやる気が削がれ生産性も低下してしまうでしょう。そのままの状態を放置していると、離職に繋がる危険性もあります。
自由な働き方、ストレスフリーな職場を目指してテレワークを導入したのに、テレワークが働きにくさを生み出してしまっているのです。 とはいえ、これは未熟な管理体制や運用方法など、使い方が問題になっているパターンが多くあります。 最初は小さな問題でも、積もれば大きな不満となってトラブルを招きます。
テレワークを活用して生産性を上げるために何が必要なのか、運用方法から見直す必要があります。
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今すぐできる簡単リモートコミュニケーション施策
(出典) pexels.com
コミュニケーション不足は、良いことがひとつもないことがわかりました。低コストでしっかりと効果が期待できる、リモートワークに適したコミュニケーション施策を紹介します。
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雑談の機会を増やす
最近入社した社員や中途採用した従業員は、十分なコミュニケーションを取る前にテレワークとなってしまった社員も少なくありません。仕事のやりとりだけでは人の温かみを感じられず、孤独感を強めてしまうのも無理はありません。
チャットやオンライン会議では、雑談しやすいように上司から雰囲気作りをしていくことも大切です。雑談だけのチャット部屋や、雑談時間を設けるのも効果的です。 コミュニケーションが活発になれば、チーム全体の雰囲気も良くなって業務にも前向きに取り組むことができます。
感情が伝わるようにする
チャットやメールなどの文字情報は、感情が見えにくく淡々としがちです。ちょっとした言葉の解釈違いであらぬ誤解を生み出したり、冷たい印象に見える可能性があります。
チャットでは顔文字や絵文字などを文末に添えるだけで、ポップで明るい印象を与えることができます。ビジネスメールでは使用することのないビックリマークやはてなマークなども多用して、わかりやすく、親しみが感じられる文章にしましょう。
ただし、ログが残る重要な会議や、重役が出席する場で絵文字を使ったり語尾を軽くするのは場にふさわしくないのでやめましょう。
顔を確認できるコミュニケーションをとる
部下とのコミュニケーション量に不安を感じたら、週に一度は少人数で話せる時間を作りましょう。お互いの顔を見て話すことは、信頼関係構築にも繋がります。
少人数のオンライン会議や1対1のミーティングなど、話しやすい環境を準備するのです。 ただし、少人数のミーティングで説教やネガティブな発言をするのは控えましょう。顔をつきあわせて話せる貴重な機会なので、普段思っていても話せないようなことを打ち明ける場にします。
長い時間拘束するのは相手の負担にもなってしまいます。短めの面談を定期的に実施することを習慣化していきましょう。
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リモートコミュニケーションを効率化する社内ルール
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リモートでのコミュニケーションを円滑にするためには、明確な社内ルールが必要です。注意すべきは、罰するためにルールを設置するのではなく、円滑・効率化のためにルールを施行するという点です。
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チャットツールやアプリの導入
チャットツールは、電話やビジネスメールよりも手軽にコミュニケーションを図ることができます。テレワークという慣れない環境の中では、積極的にコミュニケーションのとれるツールが社員同士の関係性向上に役立ちます。
社内オリジナルのコミュニケーションアプリを導入するのもおすすめです。デザインや使い勝手などを企業ごとにカスタマイズできるので、ツール自体に愛着がわきます。 こうしたコミュニケーションに便利なチャネルを増やすことで、社内のコミュニケーションを活性化することが可能です。
1on1面談の実施
全体的な会議やミーティングだけでは、社員の内側に抱えた不満やストレス、意見を吸い上げることは困難です。 対面での面談ができない環境下では、オンラインで1on1面談を定期的に実施するようにしましょう。
その際はWEBカメラをオンにして、お互いの顔が見える状態で行います。従業員の表情をしっかりと確認しながら、悩みや意見を引き出しましょう。 テキストコミュニケーションのみでは確認できなかったさまざまな情報を引き出すことができます。
コミュニケーションのルールを決める
リモートコミュニケーションは、まだ成熟した文化ではありません。細かいルールや制度が決まり切っていないのが現状です。あまりガチガチにルール設定してしまうと、かえってやりにくくなってしまいます。
- 毎日決まった時間に業務の振り返りや意見を言う時間を設ける
- ルールがうまく機能しない場合はすぐに議題として取り上げ、改善する
- 自社に合ったツールを導入する。場合によってはツールの追加、変更も検討する
変更したほうがいいと思う箇所があればスピーディに変更、修正を加えていきましょう。社員全員の意見があってこそ、コミュニケーションツールは本来の役割を果たすことができるのです。
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リモートコミュニケーションの注意点
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リモートでコミュニケーションをとる際は、ただ会話できれば良いというものではありません。リモートならではの注意点がいくつか存在します。
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ネガティブな発信は対面で行う
文面での指摘は、どれほど気を付けていても冷たくなりがちです。とくに部下への指導や注意などのネガティブな発信は、相手の反応が見えないと誤解を生んだり、伝えたい意図が伝わらなかったりします。 チャットで注意するのではなく、必ず対面にて指導するようにしましょう。
チャットだと注意されたことがログにずっと残ってしまい、見るたびにネガティブな気分になってしまいます。 オンラインでしかコミュニケーションをとれない場合は、ビデオ通話で顔を見ながら通話しましょう。
暗黙の了解をやめるよう指導する
日本のコミュニケーション方法は、「察する」文化であると言えます。表情や仕草、語気の強さや声のトーンなどで話している言葉以上の情報を読み取り、相手の感情を察するコミュニケーションなのです。
「わざわざ言わなくても分かるだろう」といういわゆる暗黙の了解は、リモートコミュニケーションでは伝わりません。 予定変更や何かをキャンセルする場合には、理由も伝えるようにルールを設定しましょう。不要なトラブルを減らせます。
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コミュニケーションが円滑になれば生産性も向上
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仕事でのやり方は、日々変化していきます。数十年前には予想もしていなかった技術やツールが当たり前になっていく中で、コミュニケーションの取り方も工夫する必要があります。 新しいツールやコミュニケーション方法は、上手に運用すれば効率もアップし、生産性も上がるものです。社内での意見交換を積極的に行いながら、自社に合ったコミュニケーションツールを模索していく姿勢が重要になっていきます。