中堅以上の社員に求められる課題解決能力。必要な理由と訓練方法
目次[非表示]
- 1.課題解決能力とは?
- 1.1.課題を発見して解決策を立案する力
- 1.2.「課題解決」と「問題解決」の違い
- 2.なぜ課題解決能力が必要なのか
- 3.課題解決力に必要なスキル
- 3.1.課題を客観的に分析して本質を見極める
- 3.2.自分で積極的に行動できる
- 3.3.周囲の人を巻き込めるコミュニケーション力
- 4.課題解決能力を養う訓練方法
- 4.1.目標管理制度(MBO)の導入
- 4.2.1on1ミーティングの実施
- 4.3.研修を受けてもらう
- 5.率先して課題を解決できる社員は貴重な人材
課題解決能力を身に付けた社員がいれば、現場で発生する問題を改善したり、より良い働き方を自ら求めて生産性を高めたりできます。特に、企業の中堅社員に求められる能力です。課題解決能力の内容や必要スキル、鍛え方について解説します。
課題解決能力とは?
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課題解決力とはどのような能力のことを指すのでしょうか。課題解決力の概要や問題解決との違いについて解説します。
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課題を発見して解決策を立案する力
課題解決力とは、今後発生し得る課題を発見し、解決に向けて対策を講じる能力のことです。課題解決力が高い人は、問題の発生を未然に防ぎ、状況をより良い方向に向かせる力を発揮します。
生じている問題に対し、問題の発生原因や事象分析を整理できることも、課題解決力がある人の特徴です。問題を解決できる具体策を立案し、再発防止策まで立てられます。
現在のビジネスシーンでは、あらゆることが複雑化し、これまでのセオリーが通用しない部分も増えているのが実情です。問題の本質を見極め、潜在的な問題まで解決できる課題解決力が求められています。
「課題解決」と「問題解決」の違い
課題解決と似た意味の言葉に問題解決があります。『課題』に対して使われる『問題』とは、既に発生し、状況をマイナスの状態にしている事象のことです。目標と現状のギャップともいえるでしょう。
一方、『課題』とは、これから発生し得る問題や、問題を解決するために行うことです。プラスの方向に進むために妨げとなるものとも言い換えられます。 既にマイナスの影響を与えているものをなくすことが問題解決であるのに対し、課題解決は対処すべき問題を事前に片付けておくことです。
課題解決と問題解決は、解決する対象が違うことを覚えておきましょう。
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なぜ課題解決能力が必要なのか
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近年、多くの企業で課題解決力を持つ人材が求められています。なぜ課題解決力が必要なのか、主な理由を見ていきましょう。
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課題解決力を持つ人材は高いパフォーマンスを発揮する
課題解決力を身に付けている人材は、職場で高いパフォーマンスを発揮します。仕事のさまざまなシーンで活躍してくれるでしょう。 課題解決力があれば、既存商品の問題点を見つけやすくなり、画期的な改良品をリリースできる可能性があります。
問題の本質を捉える力もあるため、無駄を省略した大幅な効率化も期待できるでしょう。 自ら行動できる点も課題解決力が高い人の特徴です。上司の指示に頼らず、自分で責任を持って動けるため、日々新しい気付きを得ながら成長していけます。
問題の発生を未然に防ぐことができる
発生し得る問題を未然に防げる点も、課題解決力が高い人材のメリットです。業務を進めるための妨げをなくせるため、企業にとって貴重な存在となるでしょう。
課題解決力を持つ人材には、既に発生している問題を素早く発見し、分析した上で適切な解決策を講じられる力もあります。常に当事者意識を持ち、観察力や実行力に優れていることの表れです。
中堅社員が課題解決力を身に付ければ、部署の人間関係に関する問題の解消にもつながるでしょう。部署内の見本になることで、部下の成長促進も期待できます。
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課題解決力に必要なスキル
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社員に課題解決力を習得してもらうためには、次に挙げるスキルを身に付けてもらう必要があります。訓練の実行を検討する際の参考にしましょう。
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課題を客観的に分析して本質を見極める
課題解決力を身に付けるためには、物事を客観的に見る能力が不可欠です。柔軟かつ多角的な視点を持てなければ、物事の本質は見極められません。
問題が発生した際は、解決に向けて努力すると同時に、問題自体を正確に認識する必要があります。本質的な原因は何なのか、どうすれば再発を防げるのかを考えることが重要です。
問題発生の分析が甘いと、潜在的な問題から別の問題が発生しかねません。問題の影響範囲まで的確に把握できれば、広い範囲で問題発生を未然に防げます。
自分で積極的に行動できる
課題解決力がある人でも、全ての問題を未然に防げるわけではありません。失敗を繰り返す過程で得た経験を生かし、課題解決に役立てています。
ある程度の経験を重ねるためには、自分で率先して行動する意識が欠かせません。何事も人任せにせず、自分で動いてみて初めて、見えにくかったものが見えるようになります。
非効率的な業務や形骸化したシステムは、慣れた雰囲気の中で放置されがちです。しかし、課題解決力を持つ人がいればメスを入れてくれるため、さまざまなものが改善されるでしょう。
周囲の人を巻き込めるコミュニケーション力
課題解決力を身に付けている人は、周囲の人を巻き込む力があります。より効果的に能力を発揮するためには、周囲に協力してもらえるコミュニケーション力も必要です。
例えば、問題の再発防止策を考える場合、自分が持つ知識や経験だけでは判断材料が足りないこともあるでしょう。高いコミュニケーション力があれば、周囲からの情報やアイデアを集めやすくなります。
やり取りを通して一緒に答えを出せることも、コミュニケーション力がある人の特徴です。論点の構造を整理したり、的確な質問を投げ掛けたりしながら、問題の最適解を導き出せます。
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課題解決能力を養う訓練方法
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目標管理制度(MBO)の導入
課題解決力を養う方法の一つに、目標管理制度(MBO)の導入が挙げられます。MBOとは、企業の目的に沿った従業員の目的を設定し、達成度合いを評価基準とする人事制度です。
MBOでは、目標を従業員自らに設定してもらい、目標達成に向けて自律的に行動することを求めます。目標の達成は自分の評価に直結するため、より効率的な能力向上やモチベーションアップを期待できます。
目標を達成するために、従業員は自ら課題を発見し、解決へのアプローチを考えなければなりません。実際の業務を通して従業員の課題解決力を養える点が、MBO導入のメリットです。
1on1ミーティングの実施
従業員に課題解決力を習得させたい場合、1on1ミーティングの実施も検討してみましょう。1on1ミーティングとは、主に上司と部下が1対1で対話する場のことです。
課題解決力を身に付けさせたい部下と上司でミーティングを行い、課題の発見から解決に至るまで部下を誘導します。上司はあくまでも聞き役に徹し、話を聞いたり質問したりすることをメインにするのがポイントです。 上司が具体的な課題や解決策を持っている必要はありません。実践で役立てられるような能力を身に付けてもらうために、ミーティングで思考のプロセスを磨くことが重要です。
1on1ミーティングを行う際は、上司が一方的な指摘や質問をしないように注意しましょう。部下の意見を引き出しやすくなるよう、対話型のコミュニケーションを意識する必要があります。
研修を受けてもらう
社員向けの研修を実施すれば、課題解決力を体系的に学んでもらえます。多くの研修サービス業者が提供している課題解決研修を探してみましょう。
課題解決研修では、課題解決に必要な視点や手法を実践的に学習できます。実際の業務をベースに研修を進めてくれるため、現場ですぐに実践できることも魅力です。
中堅社員を中心に部署内の課題解決を推進するプランや、全階層で判断力を高めるプランなど、さまざまなプランが用意されています。一般的な研修期間は半日~3日間程度です。
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率先して課題を解決できる社員は貴重な人材
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課題解決力とは、課題を発見し解決策を立案できるスキルです。率先して課題を解決できる人材は高いパフォーマンスを発揮できるため、多くの企業で重宝されています。 課題解決力には、客観的に分析できる能力や、高いコミュニケーション力が必要です。自社に適した訓練方法を取り入れ、社員の課題解決力を高めましょう。