自責思考とは何かを具体例で解説。マインドや必要スキル
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- 1.自責と他責の違い
- 2.ビジネスにおいての自責思考
- 2.1.社員の自責思考が求められる理由
- 2.2.自分を責め立て思い詰めさせることではない
- 3.自責思考の例
- 3.1.自分をよく分析して成長に繋げる
- 3.2.問題の本質に気づき改善を促す
- 3.3.上手く仲間を巻き込み解決しようとする
- 4.責任感のある理想の自律型人材を育てる
- 4.1.自律型人材とは
- 4.2.マインド、スキルで土台作り
- 4.3.判断の機会を奪わない
- 5.課題に気付き解決する力を磨く
「自責思考」という言葉を聞いたことはありますか?ビジネスにおいて自責思考であることは成長のために重要なことです。ここでは自責思考とは何かを具体的に解説します。成長に必要なマインドやスキルについても学んでいきましょう。若手、新人教育に関わる担当者が理解して教育する事でチームのレベルを向上させる事もできるようになります。
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自責と他責の違い
(出典) pexels.com
「自責」「他責」という言葉はさまざまな意味で使われますが、人材育成の場においては以下のような意味合いで使われます。
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自責とは
自責とは、問題が起こったとき自らに責任や落ち度があると考えることです。特に仕事において、この傾向は顕著に表れます。
例えば、クレームが来たときや目標に数字が届かなかった場合に、自分自身の仕事ぶりや対応・行動が悪かったと考えるのが自責思考の特徴です。
他責とは
他責とは、問題が起こった際に原因を自分以外にあると考えることです。
クレームが来た場合、他責思考のタイプの人は「こんなことでクレームを出す方が悪い」「会社の仕組みが悪い」「商品を発送した人間に責任がある」といったような思考に行き着くため、自らの責任とは考えません。
責任はあくまで自分でなく他者にあるとするのが他責思考です。
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ビジネスにおいての自責思考
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自責思考について、具体的なビジネスシーンから掘り下げて考えて行きましょう。ネガティブなニュアンスで使われがちな言葉ですが、仕事をする上では決してマイナス面ばかりではありません。
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社員の自責思考が求められる理由
ビジネスの場において、社員は他責思考よりも自責思考の方がよいとされています。自責思考の人間は自分の至らなかった点を考えて、それを改善しようとするからです。
「今回はこちらの調査不足が問題だった。次回はもっと入念な調査をしよう」
「他部署との連携に問題があった。次は情報共有する仕組みを考えて臨みたい」
「失敗してしまって申し訳ない。次はもっと成果が出せるようにがんばろう」
といったように、自責思考の人は同じミスをしないための課題発見能力に優れている場合が多く見受けられます。
一方、他責思考が強いとそうはいきません。
「今回の失敗は、調査期間を十分に設けてくれなかった相手側にある」
「情報共有のために、他部署の担当者がもっと歩み寄るべきだった」
「失敗の原因は自分にはない。会社や周囲の人間が悪い」
といった思考に陥りがちです。これでは成長どころか、社内の雰囲気を悪くし人間関係に亀裂をもたらす可能性すらあります。
自分を責め立て思い詰めさせることではない
「自責」というと、失敗をすべて自らのせいにして思い詰めてしまうことのように考えるかもしれませんが、実はそうではありません。
過度な自責思考に陥ると、個人ではどうにもできない事柄にも思い悩んでしまうことがあります。これでは思考がマイナスに向かってしまうだけで、本人にとっても会社にとってもメリットが生まれなくなるでしょう。
教育によって社員の自責思考を培おうとするのであれば、過度に自身を責めすぎてメンタルに不調を来してしまわないよう注意が必要です。
ビジネスにおいて重要な自責とは「自分に責任があると認識し問題解決につなげる」ことであり、決して自らを責め立てて落ち込むことではありません。
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自責思考の例
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ビジネスでプラスになる自責思考には、具体的にどんな特徴やメリットがあるのでしょうか。代表的なものをいくつか例に挙げて解説します。自責思考に必要なマインドを育てるときの参考にしましょう。
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自分をよく分析して成長に繋げる
自責思考の人は、自己分析のプロセスをたどります。自分に至らない点があれば、どんなスキルや準備が足りなかったのか・それは自らの性格や能力に起因するものなのかといった分析を行います。
そして分析の結果、今後に必要なスキルや能力を身につけようと努力します。自己分析から成長につなげられることは、自責思考のメリットといえるでしょう。
問題の本質に気づき改善を促す
自責思考の人は、他人のせいにして終わらせず「何が悪かったのか」を考えます。その結果、自らの行動だけでなく問題の本質についても深く分析することになります。
例えば商品が傷ついたというクレームが発生した場合、「梱包に問題があったのか」「配送の仕方に問題があったのか」などさまざまな要因を考えるのが自責思考の特徴です。
自責することは、問題の根本から目をそらさずに向き合い本質的に改善をしようする試みにつながります。
上手く仲間を巻き込み解決しようとする
問題を分析した結果、「自分ではどうにもならなかった」という結論に至る場合もあるでしょう。このとき「自分はなんてダメな人間なんだ」と自己を批難する方向に持っていってしまうのは、プラスに働く自責思考とはいえません。
作業する手が足りなければ他の人に手伝ってもらう、アイディアが不足しがちなら他の人にもアイディアを出してもらうといった手助けを求めることも必要です。
同僚や部下・上司などの仲間をうまく巻き込んで問題解決にあたることで、自責思考からよい結果を出すことができるでしょう。
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責任感のある理想の自律型人材を育てる
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自責思考の人材を育成していくことで、自律型の人材を生むこともできます。
「自律型人材」とは具体的にはどのような人のことを指し、どんなステップで育てたらよいのでしょうか。ポイントを解説していきます。
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自律型人材とは
自律型の人材とは、他人に流されるのではなく自分の判断で動ける人・問題解決にあたって能動的に動ける人のことを指します。
プラスに働く自責型の思考を突き詰めていくと、問題があってからの反省するのではなく「問題が起こる前に防止すること」に行き着きます。そのために自ら率先して動き、課題を発見して解決に向けて行動しようとするのが自律型人材の特徴となります。
マインド、スキルで土台作り
自律型人材を組織で育成するためには、マインドやスキルを成長させるための土台を会社側が用意する必要があるでしょう。
自律型のマインドの育成のためには、与えられた業務をこなすばかりではなく、業務中の課題を見つけ解決に向けて取り組むことが重要です。会社はそのために必要な環境作りを行う必要があります。
研修の準備やルール作りだけでなく、会社の慣習や雰囲気など自律型人材を育成しやすい下地を形成することが求められます。
判断の機会を奪わない
自律型の人材を育てるために重要なのは、「自身で判断を下し結果を体験させること」です。自律型の人材はそこから学びを得て成長します。
上司やベテランの社員に判断を委ねれば、間違いも起きにくくスムーズに業務が進むかもしれません。しかし自律型人材を育成するなら、多少の効率を犠牲にしても育てたい社員に判断させることが重要です。
判断の機会を多く与えることで、やがてベストな判断ができるようになっていきます。失敗する可能性の方が高くても、あえて行ってもらい結果を見せる手法もときには有効です。
■関連サイト
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課題に気付き解決する力を磨く
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会社にとって必要な人材は「自責型」の思考を持つ人間です。自責型思考の人には、結果から目をそらさず分析して改善・ステップアップにつなげられる素養があります。
他責型の思考をする社員を、自責型やその先にある自律型の人材に変化するように教育する必要が出てくる場合もあるでしょう。
自律型の人材は、課題に自ら気づいて解決に向け積極的に動きます。このような会社にとって有益な人材を育成するためには、判断の機会を奪わず経験から学ばせるための土台作りも必要になります。
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