ヒューマンスキルの必要性。一人ひとりのスキルを高め組織を活性化
ヒューマンスキルを高めれば、業務の効率化を図れるだけでなく多様な変化にも対応できるようになるでしょう。リーダーやマネージャー、IT人材にも欠かせない能力です。スキルの意味や重要性を解説し、鍛え方や測定方法も紹介します。多くの企業の採用活動でもヒューマンスキルの必要性を求職者に伝える機会が多いと思いますのでご活用下さい。
目次[非表示]
- 1.ヒューマンスキルで業務が円滑に進む
- 1.1.ヒューマンスキルとは
- 1.2.どんな能力が含まれているのか
- 1.3.スキルの向上に必要な理解力
- 2.ヒューマンスキルの重要性
- 2.1.ビジネスのあらゆる場面で求められる
- 2.2.リーダー、マネージャーの場合
- 2.3.IT人材の場合
- 3.必要なトレーニング
- 3.1.意外と難しい、話を聴く力を磨く
- 3.2.相手がどのように解釈するか考えて伝える
- 4.ヒューマンスキルの見極め方
- 4.1.自己評価や360度評価から判断
- 4.2.EQを測定する
- 5.組織力を高めるヒューマンスキル
ヒューマンスキルで業務が円滑に進む
ヒューマンスキルを高めれば、組織の業務をより円滑に進められるようになるでしょう。スキルの概要や含まれる能力、必要とされる理解力について解説します。
ヒューマンスキルとは
他者や組織と良好な関係を構築・維持できる能力がヒューマンスキルです。「人間力」や「対人関係能力」とも呼ばれます。
ヒューマンスキルが高い人は、適材適所の人材配置をチームで実現したり交渉役に抜てきされたりします。組織の士気を上げるために、メンバーを鼓舞する場面でも役に立つ人材でしょう。
ヒューマンスキルは、アメリカの経済学者ロバート・カッツが提唱した、マネジメントに必要な3スキルの一つです。
業務遂行能力を意味するテクニカルスキルや、概念化能力を意味するコンセプチュアルスキルと並び、組織内における全てのマネジメント層が身につけるべき能力とされています。
どんな能力が含まれているのか
ヒューマンスキルには、相手の話に耳を傾け理解する「ヒアリング力」が含まれます。コミュニケーションにおける最も大事な能力といえるでしょう。
自分の意見を相手に伝える際は、物事を筋道立てて整理できる論理的思考力や、体系立てて説明できるプレゼンテーション力が求められます。
交渉力・コーチング力・リーダーシップは、対峙する人・企業や自らがが率いる組織の考え方を、自身や組織やとってよい方向へ導くために必要な能力です。
向上心や成長意欲も欠かせません。自身をステップアップさせるためだけでなく、相手や組織と豊かな関係を築くためにも前向きな成長意欲が重要です。
スキルの向上に必要な理解力
ヒューマンスキルを向上させるためには、「自己理解力」「他者理解力」「人間理解力」「状況理解力」が求められます。
自己理解力を高めるためには、自身を客観的に分析し、感情が動くパターンや足りない部分を把握した上で全てを受け止めなければなりません。
他者を理解する際は、相手に興味・関心を抱くことが大事です。感情や行動のパターンを把握し、どのように対応すればよいのか判断する能力を磨きます。
人間理解力は、組織の中にいるメンバーの能力や性格を見抜く能力です。他者理解力とは異なり、それぞれが組織内でどのような力を発揮できるかを判断します。
自己と他者・組織との関係性を理解するのが状況理解力です。自分の立ち位置を把握し、組織の中で自らが果たせる役割を導き出します。
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ヒューマンスキルの重要性
ビジネスにおいては、さまざまな場面でヒューマンスキルが求められます。マネジメント層やIT業界での重要性も確認しましょう。
ビジネスのあらゆる場面で求められる
他者や組織と良好な関係を築くヒューマンスキルは、ビジネスにおけるさまざまなシーンで求められます。相手に何かを依頼する場面や相談事がある場面では、よりよい結果を導き出すために役立つでしょう。
主張や拒否・謝罪など比較的強い気持ちを示す必要がある場面でも、他者理解力や状況理解力があれば、良好な関係を維持できます。人材の多様性を意味する「ダイバーシティ」が叫ばれている近年においては、ビジネスで関わる人の価値観もさまざまです。
言われたとおりに行動したり一方的に指示を出したりするのではなく、相手とじっくり向き合い考え方を理解した上で、より強い信頼関係を育む必要性が今後さらに増すでしょう。
リーダー、マネージャーの場合
ヒューマンスキルは、特にミドル・ローワーマネジメント層が身につけておきたいスキルといえます。チームを率いるリーダーやマネージャーには必須です。
これらの立場にいる人は、上層部・他のリーダーやマネージャー・部下など、あらゆる方向の人とコミュニケーションをとりながら現場を取り仕切らなければなりません。
経営層から受けた指示を部下に伝えたり現場の状況を経営層に伝えたりするだけでなく、横の関係で他チームとの連携を図ることもあるでしょう。
現場を動かす際にもヒューマンスキルが求められます。チームメンバーの能力や性格を把握し、状況に合わせて効率よくチームを仕切ることが重要です。
IT人材の場合
IT業界でもヒューマンスキルの高い人材が求められる傾向があります。特に上流工程に携わる人材には、ヒューマンスキルが必須です。
開発の現場では、さまざまなエンジニア・プログラマーが担当作業を上流から下流に流しながら開発を進めていきます。上流工程を担当するのは、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーです。
これらの人材には業務知識や技術力以上に、組織を動かす高いマネジメント能力やクライアントとやり取りするコミュニケーション力が求められます。
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必要なトレーニング
ヒューマンスキルを高めるために効果的なトレーニングを紹介します。聴く力と伝える力を重点的に高めることを意識しましょう。
意外と難しい、話を聴く力を磨く
ヒアリング力はヒューマンスキルを構成する重要スキルの一つです。ヒアリング力を高めるには、「なんとなく聴く」のではなく「積極的に聴く」ことを意識する必要があります。
相手の話から意図が見えてきたら、疑問に思ったことを質問してみましょう。質問を投げかけることで、相手にも気付きが生まれる可能性があるため、双方にとって建設的な会話に発展していきます。
質問する際は言葉の使い方や抑揚に気をつけましょう。相手を不快にさせない質問の仕方も聴く力を磨く重要な要素です。
相手がどのように解釈するか考えて伝える
ヒューマンスキルを高めるためには、自分が発した言葉に対して相手がどのように捉えるか考える力を磨くことも重要です。意図と違った解釈をされてしまうと、大事なポイントが伝わらない恐れがあるためです。
特に厳しい意見や嫌なことを言わなければならないような場面では、解釈の違いから大きな誤解を生む可能性もあるでしょう。
伝えたいことを正確に伝えるためには、できるだけ語彙を増やし正しく使えるようになるトレーニングを積むのが効果的です。
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ヒューマンスキルの見極め方
数値での測定が困難なヒューマンスキルの評価は、360度評価やEQ測定での判断が有効です。多くの企業で採用されている見極め方を紹介します。
自己評価や360度評価から判断
ヒューマンスキルの評価には、自己評価や360度評価の両方から判断する方法が多くの企業で採用されています。
特にさまざまな立場の関係者から評価を集めて判定する360度評価は、人や組織との関係性を高める力の見極め方として有効な手段といえるでしょう。
自己評価や360度評価は、簡易的な選択式のテストとして研修の形で実施する企業が多いようです。
EQを測定する
ヒューマンスキルの評価制度に「EQ測定」を採用する方法もあります。EQとは心や感情の知能指数を示すものであり、知能指数を示すIQに対比される概念です。
EQ測定はで、250問程度の質問をマークシート方式で出題するテストを実施します。総合指数だけでなく自己認識力や対人関係力など、領域ごとの数値を出せるのも特徴です。
人材の採用や育成の現場でEQ測定を導入する企業も増えてきています。育成プログラムの作成や、トレーニングの成果判定などにも活用できるでしょう。
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組織力を高めるヒューマンスキル
ヒューマンスキル他者と良好な関係を構築し、組織力を高めるために必要な能力です。ビジネスのさまざまな場面で求められ、特にマネジメント層が備えておきたいスキルといえます。
能力を高めるには、聴く力や伝える力を鍛える工夫がポイントです。一人ひとりのスキルを向上させ組織の活性化につなげましょう。