独学でプログラミングを学ぶことは可能か。学習ポイントや方法を紹介
プログラミングの独学ではモチベーションの維持が不可欠です。勉強法やプログラミング言語を正しく選択することで、エンジニアとしてのキャリア形成につながります。独学の学習ポイントや方法を見ていきましょう。採用担当者の方でプログラミング経験のない学生に勉強方法を聞かれた時に活用して頂ければと思います。現役エンジニア講師がしっかりサポートするJava・フロントエンド研修はこちら
目次[非表示]
- 1.プログラミングの独学は可能か?
- 1.1.モチベーションの維持が重要
- 1.2.適切な学習環境も不可欠
- 2.独学の成否を左右する言語選択
- 2.1.ニーズ・トレンドで選択する
- 2.2.作りたいものから考える
- 2.3.応用性・拡張性の高さで選ぶ
- 3.独学の方法を紹介
- 3.1.学習サイトを利用する
- 3.2.書籍を読む
- 3.3.スクール、研修会社に通う
- 4.おすすめの学習サイト
- 4.1.実践形式で学ぶ「プロゲート」
- 4.2.短い動画で学ぶ「ドットインストール」
- 4.3.生放送で学ぶ「Schoo」
- 4.4.最先端の授業から学ぶ「Udacity」
- 5.独学で学習するプロセス
- 5.1.学習目的を明確にする
- 5.2.学習環境を整える
- 5.3.実際にコードを書く
- 6.学習効率を良くするポイント
- 6.1.暗記する必要はない
- 6.2.小さな成功を積み重ねる
- 6.3.新しい情報を集める
- 6.4.学習を習慣化する
- 7.プログラマーになるためのステップ
- 7.1.GitHubを上手に使おう
- 7.2.完成品を公開しよう
- 7.3.研修や勉強会に参加しよう
- 8.独学の成功は学習方法と言語の見極めが大切
プログラミングの独学は可能か?
結論からいって、プログラミングの独学は可能と言えるでしょう。しかし、インターネット上で簡単に情報が手に入るようになった現在でも、挫折する人は後を絶ちません。
独学に成功する人は、モチベーションの維持や学習環境の構築を適切に行っています。独学を成功させるために必須の条件を見ていきましょう。
モチベーションの維持が重要
プログラミングを独学する人のうち、おおよそ9割が挫折を経験していると言われます。挫折の原因として多いのは、何らかの理由で「モチベーションが維持できなかった」ということです。現役エンジニア講師がしっかりサポートするJava・フロントエンド研修はこちら
プログラミングの学習には、実際に手を動かしてコードを書く『コーディング』が含まれます。プログラミング言語には文法があり、少しでも文法を間違えるとエラーが発生して、想定通りの実行結果が得られません。
初心者はエラーの仮説を立て修正・検証することを繰り返しますが、ここでモチベーションを失ってしまう人が大半です。完成形が見えないうちにエラーと格闘するのは、たしかに辛い行程と言えるでしょう。
しかし、これは誰もが経験することです。逆に言えば、モチベーションの維持さえできれば、プログラミングの独学は続けられます。プログラミングの独学では、「いかにモチベーションを維持するか」が重要です。
適切な学習環境も不可欠
プログラミングの独学では、自身でエラーの原因を究明したり、実際にコーディングしている内容の意味を調べたりします。さらに、初心者では「そもそも何を検索すれば良いか分からない」という状況も珍しくありません。
プログラミングの学習では、「プログラマーや経験者に質問したい」という事態が頻発します。しかし独学では、プログラミングスクールとは異なり、専任の講師によるコーチングが受けられません。
そこで、「分からないことを誰かに聞ける環境を作る」ことが重要になってきます。つまずいた際には自身で考えることも大切ですが、プログラマーや経験者に聞ける環境があれば、挫折する前に問題解決できます。
学習効率を上げるためにも、モチベーションを維持するためにも、適切な学習環境を作ることが重要です。
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独学の成否を左右する言語選択
プログラミング言語にはマイナーなものを含めると数百種以上がありますが、実際の開発現場で使われる言語はそのうち20ほどです。これら言語の中にも、何の開発に向いた言語かという違いがあります。
学習する言語の選択は、プログラマーとしての将来を左右します。言語選択の方法や考え方を、三つの視点から見ていきましょう。
ニーズ・トレンドで選択する
プログラミングを必要とする企業はさまざまですが、業種やプロジェクトなどによって求められる言語は異なります。
プログラミング言語にはニーズの違いやトレンドがあり、人気の言語ほど求人件数や平均年収は高くなるのが一般的です。
求人件数の多さや平均年収を調べることで、学んだ言語をどこでどれだけ活かせるかを、ある程度判断できます。トレンドは1、2年程度でも変化するので、人気の推移や予測も調べると良いでしょう。
作りたいものから考える
プログラミング言語には、Web制作向き・アプリ開発向き・人工知能向きなどの目的の違いがあります。どの言語を選択するかは「何を作るか」に直結するため、自身が作りたいものに合わせて言語を選択するというのも一つです。
例えば「WebサイトやWebサービスを作りたい」なら、HTML・CSS・JavaScriptの学習は必須と言えます。アプリ開発であればJavaやKotlin、Apple製品向けならSwiftが使われます。
プロジェクトや担当する仕事によって使用する言語が違うケースもあるため、「どの言語を習得すれば作りたいものに活かせるか」を検討しましょう。
応用性・拡張性の高さで選ぶ
選択するプログラミング言語によって、できること・得意なことが異なります。言語によっては特定の開発に特化していますが、さまざまな開発に対応できる言語も少なくありません。
例えば、近年人気のPythonや実行するプラットフォームを選ばないJavaなどは、幅広い開発に対応可能です。
Web製作の開発現場で必須なJavaScriptは、近年登場した『Node.js』という実行環境と組み合わせて、サーバーサイドでの利用も拡大しています。
応用性や拡張性の高いプログラミング言語を選択すると、一つの言語を習得するだけで、幅広く活躍できるプログラマーを目指せるでしょう。現役エンジニア講師がしっかりサポートするJava・フロントエンド研修はこちら
独学の方法を紹介
プログラミングの独学では、「学習サイトで学ぶ」ことと「本で学ぶ」ことを組み合わせます。また、有料のスクールを利用することで、さらに学習効果を高めることが可能です。独学の方法を見ていきましょう。
学習サイトを利用する
独学をするエンジニア向けに、インターネット上でさまざまな学習サイトが運営されています。サービスによっては有料ですが、基礎から無料で学べる学習サイトも豊富です。
利用に当たってはまずは基礎的な内容をお試しで体験してみましょう。サービスによっては動画やスライドを利用しており、直感的に本格的な内容が学べます。
インターネットにアクセスすればいつでもどこでも学べるため、学習プランを立てておけばモチベーション維持にも役立ちます。
分からないことは質問できるサービスもあるほか、エンジニア向けの掲示板も利用可能です。学習サイトや掲示板を上手に利用しましょう。
書籍を読む
プログラミングを体系的に学ぶなら、書籍を購入するのもおすすめです。辞書的な書籍よりも、コーディングを行いながら学ぶ内容の、実践的な書籍のほうが効率的に学べます。
例えば、サンプルコードを真似してアプリを作っていく内容の書籍です。実際に手を動かしてコードを入力してみるというのはプログラムの世界でも『写経』と呼ばれ、効果の高い学習方法として知られています。
作りたいものが決まっているなら、作りたいものに近い内容が学べる書籍を選びましょう。
スクール、研修会社に通う
プログラミングの独学では、学習プランは自身で決め、学習環境も自身で整えます。これでモチベーションが維持できるなら問題ありませんが、学習効率で言えばスクールや研修会社に通うのがおすすめです。現役エンジニア講師がしっかりサポートするJava・フロントエンド研修はこちら
スクールではカリキュラムが整っている上、情報は最新で、いつでも質問できる講師もいます。スクールによっては、学習後の進路相談や転職支援も可能です。研修会社を使う場合、上司と相談して外部研修を受講したいと相談して取り組む必要があります。
「プログラマーとして働く・エンジニアとして仕事の成果を出す」という目的があるなら通うことには大きなメリットがあります。通学型が厳しいなら、どこでも学べるオンライン受講も検討しましょう。
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おすすめの学習サイト
インターネット上にはプログラミングを学べる情報があふれていますが、学習効果を高めるには、体系的に正確な内容を学べるサービスを利用することが重要です。おすすめの学習サイト4選を見ていきましょう。
実践形式で学ぶ「プロゲート」
『プロゲート』は、直感的に分かりやすいイラスト中心のスライドに沿って、実践形式でプログラミング言語が習得できる学習サイトです。
基礎的な言語に対応する15コースを用意しており、1レッスン1〜4時間程度のカリキュラムで学んでいきます。基礎レベルのレッスンなら無料で学べるため、まずはお試しで利用してみると良いでしょう。
有料の『プラス会員』(月額980円・税別)になれば全てのレッスンが受講できます。また、スマホアプリ版も利用できるため、移動時間や外出中に無駄なく復習もできて便利です。
短い動画で学ぶ「ドットインストール」
『ドットインストール』は、3分動画でスキマ時間にプログラミングが学べる学習サイトです。400以上のレッスンと6000本以上の動画があり、一つの言語でできることを網羅的に学べます。
レッスンは基礎的な内容から実践的なアプリ製作まで幅広く、目的別にピンポイントで学べることも利点です。1日当たりの学習時間もコントロールしやすいため、モチベーション維持にも役立つでしょう。
こちらも基礎レベルのレッスンは無料で受講できます。プロゲートとどちらが良いか悩んだら、まずは無料レッスンを受講してみると良いでしょう。
生放送で学ぶ「Schoo」
『Schoo』は、講義形式の生放送動画で学べる学習サイトです。講義のバリエーションは非常に多く、プログラミングの考え方やプロセスなどについても学べます。
ただし、生放送であるため、講義は放送スケジュール通りに行われます。気に入った講義の続きは次回放送時まで待って、時間通りに視聴することが必要です。
自宅での視聴が難しい場合は、スマホアプリ版も利用できます。全ての動画は月額980円(税込)の定額料金で視聴できるため、気になる他言語に手を伸ばしやすいことも利点です。
最先端の授業から学ぶ「Udacity」
『Udacity』(ユダシティ)は、アプリ開発者やデータサイエンティストなど、「何になりたいか」から講義を選択できる学習サイトです。
網羅的かつ開発現場に直結する内容で、講師に質問できる制度も整っています。自身のペースでスクールのような充実した学習ができますが、講義は英語で行われるため、英語のスキルが必須です(一部日本語字幕が付きます)。
料金は講義によって設定が異なります。キャリア形成までプランニングした上で英語ができるなら、選択肢に入れるのも良いでしょう。
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独学で学習するプロセス
プログラミングの独学では、まず学習目的を明確にすることが重要です。学習目的に合った学習環境を整え、目的達成に向けてコーディングを行います。独学における学習プロセスを整理しましょう。
学習目的を明確にする
プログラミングを「何のために」学ぶのかは、人によってさまざまです。未経験からプログラマーとして働きたい人や、転職や副業のために新規な言語を学びたい人、新規サービスを立ち上げたい人もいるでしょう。
目的によって作ろうとするプログラムは異なり、学ぶべき言語も異なります。まずは学習目的を明確にして、どのようなプログラムを作るために勉強するのか、そのためにはどの言語を選択すべきかを明らかにしましょう。
学習環境を整える
プログラミングの独学を始めるにあたって、搭載するOSはWindowsかMacかという違いも検討しましょう。
Web開発の現場では分野や業態によって、Windows、Macに偏っていることが多く、インターネット上の情報もローンチ段階ではどちらかのOSを前提にしていることが少なくありません。
その他、開発環境としてそろえたいのは、Webブラウザ・テキストエディタ・IDE(統合開発環境)の3点です。パソコンを持っていれば、IDEさえ準備すれば最低限の環境は整えられます。
実際にコードを書く
プログラミングの勉強では、手を動かしてコードを書くこと、つまりコーディングが重要です。プログラミング言語についての情報は書籍やWebサイトから収集できますが、知識と実際のプログラミングには違いがあります。
サンプルコードを書き写すだけでもエラーが起こるなら、ケアレスミスがあるか、ソースの環境と自身の開発環境が異なっているかもしれません。
こういった状況に対応して正しく実行可能なプログラムを作ることで、少しずつプログラミングが身に付いていきます。
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学習効率を良くするポイント
プログラミングの独学では、稀なケースを除いて、自己流の方法で勉強しても思っているよりは学習効率を伸ばせません。独学で失敗しないために、学習効率を良くするポイントをおさえておきましょう。
暗記する必要はない
プログラミングの独学を始めると、言語についての辞書的な内容を暗記しようと努めるかもしれません。
しかし、コマンドや文法はアマチュアでもプロでも、スマートフォンやPCで簡単に確認できます。一字一句間違えずに記憶することより、問題解決能力を高めることのほうが重要です。
必要に応じて情報を参照しながら、正しく実行可能なコードが書けることを目指しましょう。初心者のうちは、コーディングのスピードを高める段階には達していません。
モチベーション維持のためにも、暗記を求めた詰め込み型の勉強ではなく、確実にコーディングの練習を重ねましょう。
小さな成功を積み重ねる
プログラミングの勉強で「作りたいもの」を明確に設定した場合、例えば、複雑なゲーム開発なら完成までに長い時間がかかります。
こういった先の見えないプログラミングを始めてしまうと、いつまでもゴールにたどり着かないため、勉強中に挫折してしまうリスクが高いと言えます。
まずは書籍や学習サイトなどにあたり、短時間で簡単に作成できるものに着手しましょう。簡単なプログラムでも正しく実行可能にできれば、学習の成果を体感できます。
小さな成功を積み重ねて、モチベーションを維持しながら少しずつ前進していきましょう。
新しい情報を集める
プログラミング言語のトレンドはIT技術の変遷と連動しています。例えば、近年ではスマートフォンや人工知能などの開発が盛んになりましたが、10年前の状況とは大きく異なります。
数十年前から運用され続けている技術もある一方で、新規な技術が開発されると古い技術は無用になる、というのがIT業界の常です。
インターネットには無数の情報があふれていますが、ほんの数年前の情報も現在では非常識というケースがあります。
学んだ技術が学習目的に活かせるように、できる限り新しい情報を集め、信用できる機関による数年後の予測も参考にしましょう。
学習を習慣化する
プログラミングの独学では自身でスケジュール管理をするため、無理なく勉強を続けていける習慣化が重要です。
「休日にまとめて勉強して平日は勉強しない」というプランの場合、先週勉強した内容の復習から入ることになるでしょう。これは非効率であるだけでなく、モチベーション維持にも悪影響を及ぼします。
モチベーションを維持し続けるためには、日々のスキマ時間でコツコツ勉強していくことが重要です。小さな目標を設定して日々成功体験を積み重ねていくような、楽しんで学習を続けられるプランを立てましょう。
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プログラマーになるためのステップ
独学でプログラマーになるためには、GitHubの活用や成果物の公開によって、採用担当者にスキルをアピールすることも重要です。
特に、職歴をアピールできないプログラマー未経験の人は、プログラミングの腕でプログラマーへの道を切り開くことを意識しましょう。また、研修や勉強会はプログラマー同士の関係構築の場として利用できます。
GitHubを上手に使おう
『GitHub』は、自身が書いたソースコードを無料でアップロード・公開できるホスティングサービスです。
エンジニアにとっては開発現場で必須と言えるツールで、採用担当者に向けたポートフォリオとしても利用できます。
採用担当者はソースコードからエンジニアのレベルを判断でき、企業によってはGitHubでソースコードが確認できないエンジニアを採用しないケースもあります。
ソースコードのアップロード回数が多いほど高評価を受ける傾向があるため、公開して構わないソースコードは積極的にアップロードしましょう。
完成品を公開しよう
エンジニアとしての実力は成果物で判断できます。アプリを製作したなら公開し、ダウンロードできる状態にしましょう。
ダウンロード件数が少なくても、実際に利用できるアプリを公開してユーザーを獲得したなら、採用担当者から一定の評価を受けられます。
ただし、公開の際には法に則った利用規約の策定や、ユーザー情報の管理などが必要です。これらをクリアした上で、バグが少なく、利用価値のあるアプリを公開しましょう。
研修や勉強会に参加しよう
エンジニア向けの研修や勉強会には、著名なプログラマーが講師として参加するケースがあります。自身と同じ立場で独学を続けている参加者もいるため、人脈形成に有効です。
研修や勉強会の内容自体も学習の一環ですが、独学をする仲間とつながりを持てると、モチベーション維持の効果も期待できます。
人脈形成を目的として参加するプログラマーは少なくないため、情報交換できる相手を見つけましょう。
■関連サイト
独学の成功は学習方法と言語の見極めが大切
プログラミングの独学では、モチベーションの維持が欠かせません。モチベーション維持のためには学習方法を考える必要があり、希望する職種・業種でプログラマーになるには言語の見極めが重要です。
学習サイトや掲示板を利用して無理なく勉強を続け、ソースコードの公開や人脈形成も行って、プログラマーへの道を切り開きましょう。