期待の新人は成長を求めている。期待はずれにさせる原因は環境
能力が高い新人が入社すると、活躍を期待する企業が多いでしょう。しかし中には、業績が伸び悩んでしまったり離職したりする新人も出てきます。新人が期待外れになる環境要因と、有能な人材を定着させるためのポイントを解説します。人事採用担当者はもちろん、OJT担当者、配属先の管理者の方にも基本的な情報として活用頂ければと思います。
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目次[非表示]
- 1.期待の新人の特長
- 1.1.素直である
- 1.2.ハングリー精神が強い
- 1.3.自分の役割を理解している
- 2.期待していたのに頑張らなくなる理由
- 2.1.優秀だからとタスクを集中させる
- 2.2.適切に評価されない
- 3.優秀な新入社員の離職を防ぐには?
- 3.1.早く職場に馴染めるようにする
- 3.2.モチベーション管理を行う
- 3.3.成長できる機会の創出がカギ
- 4.成長を感じさせるには?
- 4.1.経験から学ばせる
- 4.2.得意なことで成功体験を積ませる
- 5.働きがいを与え優秀な人材の流出を防止
期待の新人の特長
毎年入社してくる新入社員の中には、将来を期待したくなるような有望株も存在します。期待の新人には共通した特長があります。有能な人材を的確に見極めるためにも、特長を把握しておきましょう。
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素直である
分野を問わず、成長速度の速い人は素直であるという共通点があります。先輩からの助言や仕事のコツを素直に聞き入れ、技術や知識をどんどん吸収していきます。改善点を指摘されたときも反発せず振り返ることができるため、よりよい状態を保てるでしょう。
素直な新入社員は、先輩や上司からも好感を得られるため目をかけられやすくなります。普通の新人よりも丁寧に指導することがあるかもしれません。素直さが周りの人を動かし、さらなる成長につながるのです。
ハングリー精神が強い
ハングリー精神を持っているのも、期待できる新人に共通する特長です。例えば解決の難しそうな問題にぶつかったとき、妥協したり上司に泣きついたりするのではなく、どうにか解決できないかとさまざまな角度からアプローチを重ねます。
結果としてスキルとチャレンジ精神が育まれ、問題解決ができたという成功体験から自信もつくでしょう。
普段から知識やスキルを貪欲に吸収しようとする姿勢も見られます。わからないことをそのままにせず習得できるのも、ハングリー精神が高い新人が有能な人材に育つ理由といえるでしょう。
自分の役割を理解している
優秀な新人は漠然と作業をこなすのではなく、全体の中で自分の業務がどういった役割を担っているのかを考えながら仕事をします。
どうすればより効率的に作業を行えるのか、どうすれば引き継ぐ作業者がやりやくなるかを考え全体像を把握しようとします。将来的に管理職やリーダーに必要な力を自然に育んでいるといえるでしょう。
プロジェクト単位ではなく会社の中で自分に求められている役割も見いだせる特性は、優秀な人材を見極めるポイントになります。
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期待していたのに頑張らなくなる理由
期待をかけていた新人の中には、入社してしばらくたつと頑張らなくなってしまう人もいます。なぜ入社後に期待を裏切るような態度になってしまうのでしょうか。考えられる原因を二つ紹介します。
過去に期待の新人が頑張らなくなった経験があるなら、該当していなかったか確認してみましょう。
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優秀だからとタスクを集中させる
処理能力が速く精度も高いからといって、スキルの高い新人にばかりタスクを集中させるのは危険です。仕事を頼む側としては優秀な人材に仕事を任せたほうが楽ではありますが、頼まれる側の負担は大きくなります。
また有能でない人材は手持ち無沙汰になるため、タスクが集中した期待の新人は「なぜ自分だけ苦労するのだろう」という不満を感じます。
優秀な人間ほど残業が増え、失敗できないというプレッシャーもあって心身共に疲弊する状況が生まれます。新卒入社など若い社員は特に、能力はあっても精神力が多忙さについていかず、やる気をなくしてしまう可能性もあります。
タスクの量がかたよらないよう調整し、優秀な人が能力を十分発揮できるコンディションを保つ環境作りを意識しましょう。
適切に評価されない
よい成果を残しても、評価につながらなれば社員のモチベーションは低下します。入社したばかりの時期は、業績がよい人でも十分に評価されないことがあります。年功序列が根付いている会社などでよくあるケースでしょう。
成果を出しているにもかかわらず、新人だから昇給・昇進ができない、年上というだけで自分より給料をもらっている社員がいる環境は、期待の新人のやる気を損なう要因です。
有能な人材には働きに見合った評価が求められます。評価が十分でなければ転職も考えるでしょう。
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優秀な新入社員の離職を防ぐには?
スキルや能力の高い新入社員は会社にとって貴重な財産です。長期的に活躍してもらえれば、企業の成長にもつながります。
優秀な新入社員の離職を防ぐためには、会社としてどのような対応をすればよいのでしょうか。有能な人材を定着させるポイントを三つ紹介します。
若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策はこちら
早く職場に馴染めるようにする
新入社員は、職場での人間関係をゼロから構築することになります。悩みや仕事の不安を誰にも相談できない状況が長く続くと、ストレスがたまりパフォーマンスを発揮しにくくなります。
職場に早くなじめるように、積極的に話しかけたりイベントを設けたりする工夫が有効です。わからないことがあったとき誰に聞けばよいのかなど、連絡系統も明確化しておきます。
安心できる職場は定着しやすいだけでなく、能力を伸ばせる環境でもあります。優秀な新人を離職させたくないなら、まずは自社の環境を見直してみましょう。
モチベーション管理を行う
上司が新人のモチベーション管理を適切に行うのも、定着のポイントです。褒めるべきタイミングで褒め、評価すべきタイミングで評価します。見られている意識が高まれば、自然と緊張感とやる気が高まるでしょう。
人前で叱らない、注意すべき時は一方的に注意するのではなく何が悪かったのかを一緒に考えるなど、指導の仕方も重要です。恥をかかせたり一方的に責任を押しつけたりしないよう、言葉の選び方や指導するタイミングなどに気をつけましょう。
成長できる機会の創出がカギ
有望な新人は職場に対して、自分が成長できる機会を求めています。半年から1年目の頃は新しい仕事に意欲的に取り組みますが、同じ仕事が続くと成長を実感できず不安を覚えることがあるようです。
自分の将来のキャリアについて悩むこともあるでしょう。「この会社で本当に成長できるのか」という不安から、転職を考える人もいます。優秀な人ほど成長欲求が高いため、スキルアップの機会がない職場では離職率も高くなります。
新しい仕事や責任のあるプロジェクトを任せるなど、新人のキャリアや成長に合わせて仕事を変えるのが有効な方法です。成長できる機会の創出が、期待の新人を定着させるカギになるでしょう。
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成長を感じさせるには?
新人を育成するためには、自身の成長を実感させる取り組みも大切です。成長が実感できると自信につながり、モチベーションの向上やさらなる成長が期待できるようになります。
新入社員に成長を感じさせるために、会社としてはどのような機会を設けるべきかを把握しましょう。
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経験から学ばせる
人は経験により得る教訓から多くのことを学びます。新人を成長させるには、講義や見学よりも実際に業務を体験させてみるのが有効です。
ただ実際には、業務に慣れている人に担当させてしまい、新人がなかなか経験を積めないという問題が起こります。経験を積ませるためには、現場の理解と協力が不可欠です。
また経験をさせるだけでフィードバックを返さない、難しい仕事でもやらせるだけやらせて、新人によってはよくわからないうちに業務が進行しているというのもよくあるパターンです。
新人の知識や技能に見合った新しい業務を体験させ、何が悪かったのか的確にフィードバックしましょう。経験から学ぶことで、新しい知識や価値観を得て新人は自分の成長を実感できるようになります。
得意なことで成功体験を積ませる
新人のうちは慣れない業務にあたることが多く、失敗を重ねてしまいがちです。失敗して上司や先輩から注意される経験が続くと、次第に意欲を失い新しいことに挑戦しなくなっていきます。
モチベーションを維持するために、得意な業務やジャンルを担当させて成功体験を積ませましょう。成功は自信に、自信は積極性や意欲につながります。成功体験が増えると、自らが成長できているという実感も得られます。
失敗からだけでなく成功からも学ばせることで、自信を持って仕事に取り組める状態を保てるのです。
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働きがいを与え優秀な人材の流出を防止
期待できるスキルや能力を備えている人でも、労働環境や人間関係によっては意欲を失い離職することもあります。優秀な人材が早期に離脱するのは、企業にとって大きな損失です。
有能な人材を確保するためには、早く職場になじめるように環境を整える・適切な評価やフィードバックを行うといった工夫を行うと効果的です。
優秀な人材を流出させないためにも、社員にとって働きやすい職場作りを行いましょう。成長機会を与える・得意を見つけて成功体験を積ませるなどの取り組みも有効です。