優秀なエンジニアの特徴は?見極め方と採用のポイントを解説
目次[非表示]
- 1.優秀なエンジニアを雇うために押さえたい現状
- 1.1.優秀なエンジニアは競争率が高い
- 1.2.採用市場では発見できないケースも
- 2.優秀なエンジニアが持つ特徴とは?
- 2.1.複数分野の知識が豊富である
- 2.2.「学び」を継続できる
- 2.3.ビジネス全般のスキルレベルが高い
- 2.4.コミュニケーション能力に優れている
- 2.5.突発的な状況にも対応できる
- 2.6.問題解決能力が高い
- 3.優秀なエンジニアを採用するポイント
- 3.1.エンジニアを採用活動に参加させる
- 3.2.採用のスピードを重視する
- 4.優秀な人材をエンジニアとして迎え入れるには
- 4.1.エンジニア側のニーズにアプローチする
- 4.2.採用のやり方を見直してみる
- 5.エンジニアを「育成」する視点も重要
- 5.1.育成環境の整備は定着率の向上につながる
- 5.2.研修カリキュラムの導入も効果的
- 6.優秀なエンジニアを自社の戦力に
高度なスキルを有するエンジニアは競争率が高く、転職市場でなかなか巡り合えないのが現状です。自社で長く活躍できる人材を採用するために、優秀なエンジニアの特徴と採用時のポイントを理解しておきましょう。エンジニアを育成するコツも解説します。
優秀なエンジニアを雇うために押さえたい現状
(出典) pexels.com
優秀なエンジニアを雇い入れるためには、まずエンジニアの採用市場の現状を把握しておく必要があるでしょう。
IT市場は全体として慢性的な人手不足です。特に高度なスキルを持つエンジニアは貴重な存在となっており、かなりの売り手市場になっているのが現状です。
優秀なエンジニアは競争率が高い
経済産業省の『IT人材需給に関する調査』によれば、2018年の時点でITエンジニアやプログラマーなどのIT人材は需要に対して約22万人も不足していました。IT人材の需給ギャップは、2025年には約36万人、2030年には約45万人にも上ると予想されています。
業界全体の需給ギャップが広がっている中で、特に高度なスキルを持つ優秀なエンジニアは多くの企業が欲している人材です。経験豊富だったり幅広い案件に対応できたりする人材は貴重なため、多くの組織が獲得のために動いています。
採用市場では発見できないケースも
多くの企業が優秀なエンジニアの採用に乗り出しているものの、経験豊富でスキルレベルの高いエンジニアを転職市場で発見できないケースも珍しくありません。
求人サイトに情報を掲載していてもエンジニアからの応募がほとんどなかったり、応募者が自社の採用条件を満たすエンジニアではなかったりする場合もあります。
たとえ経験豊富なエンジニアが転職活動を始めても、好待遇で迎えられる大企業が人材を囲い込んでしまうため、通常の求人には応募が集まりにくいのです。
中小企業がエンジニアを採用する場合は、ポテンシャル採用やリファラル採用など企業側から積極的に人材を獲得する工夫が求められます。
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優秀なエンジニアが持つ特徴とは?
(出典) pexels.com
即戦力となる優秀なエンジニアを採用するには、レベルの高いエンジニアの特徴は何かを理解し一人ひとりのエンジニアの素養を見極める意識が重要です。
採用時に自社で活躍できるか判断するためにも、優秀なエンジニアの特徴を確認しておきましょう。
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複数分野の知識が豊富である
優秀なエンジニアは自らの専門分野に関わる深い知識に加えて、周辺分野についても詳しい傾向があります。幅広い知識を有している方が、技術の進歩や新しい考え方やテクノロジーの台頭についていきやすいためです。
面接では専門以外ではどのような分野に興味があるか・なぜそのジャンルに関心があるのかを尋ねることで、エンジニアが持つ知識の広さを確認できます。
複数分野の知見があると幅広い場面に対処できる可能性が高いため、自分の専門にしか知識のないエンジニアと比べて活躍を見込めるでしょう。
「学び」を継続できる
エンジニアが関わる技術は日進月歩であり、数年で全く新しい知識が必要とされるケースも珍しくありません。常に新たな知識や技術をキャッチアップする姿勢が重要です。
たとえ現在は最新の知識を有していても、学ぶ姿勢を継続できなければ数年後には新しい開発案件に対応できなくなる可能性があります。
『優秀』と評価されるエンジニアは、複数の分野に興味を持つと同時に学び続けているのが特徴です。面接で現在の知識やスキルだけでなく今後学びたいジャンルについても確認すると、学習に対する姿勢を測れます。
ビジネス全般のスキルレベルが高い
ビジネス全般において高いスキルを有しているのも、優秀なエンジニアに共通する要素です。
エンジニアはポジションによって、プロジェクトを計画通りに進めたりクライアントのニーズを把握して開発に落とし込んだりする業務も担当します。プログラミングやシステムに関する技術にとどまらず、経営や会計などビジネスに関する知識を持つエンジニアは幅広い場面で活躍できるでしょう。
応募までに携わったプロジェクトや残した実績をエピソードとして語ってもらうことで、プログラミングスキル以外の要素も見えてきます。納期に間に合うように自身やメンバーの業務をスケジューリングできていたかどうかも、ビジネススキルを測るのに確認したいポイントです。
他には細かい部分ではあるものの、採用に関するメールの内容やメッセージのレスポンス速度がビジネススキルを測る目安になり得ます。
コミュニケーション能力に優れている
エンジニアは専門知識や技術を前提として、周囲と協調しながらプロジェクトを進める能力も求められる職種です。『優秀』と評価される働きをするには、コミュニケーション能力に優れていなければいけません。
社内のエンジニア同士のやりとりはもちろん、クライアントとの意見交換や話し合いをする場面も多いでしょう。優秀なエンジニアほど相手の話を聞いて、ニーズを的確に読み取る力に優れています。
エンジニアのコミュニケーション能力を確認するには、面接という限られた時間で分かりやすく自身のことを伝えられるかどうかをチェックしましょう。自己紹介をしてもらう・転職したい理由を聞くといった確認方法が効果的です。
コミュニケーション能力に長けているエンジニアは、相手の立場に立って分かりやすく話を伝えられます。
突発的な状況にも対応できる
開発現場では予期しなかったトラブルや、避けられない納期の遅れが発生するケースも珍しくありません。プロジェクトの途中で優先すべき事柄が変わってしまう自体も頻繁に起こります。
突発的な出来事に対して柔軟に対応できるエンジニアは、優秀といえるでしょう。予想外の事態でも素早く頭を切り替えて適切な行動をとれる人は、技術者としてだけでなくプロジェクトリーダーとしての資質も備えていると判断できます。
臨機応変な対応ができるエンジニアかどうか判断するには、面接で『相手が予想していないであろう質問』をぶつけてみる方法が有効です。
事前に回答を準備できない質問や正答が難しい問いに対して説得力のある回答ができれば、柔軟な対処ができる人材と考えられます。
問題解決能力が高い
問題解決能力の高さも、優秀なエンジニアに共通する特徴です。開発中に予期せぬ問題やトラブルが起こった際、素早くその原因を突き止めて適切な解決策を立てられればプロジェクトの成功につながります。
開発現場にトラブルはつきものであるため、問題を解決できるスピードはエンジニアとしての評価に直結するのです。
エンジニアの問題解決能力を確認するには、解決に必要な情報がそろっていない・何が正しい答えなのか判断しづらい状況での行動をチェックするのが効果的です。
面接では解決が難しかったトラブルに対して、具体的に何をしたか質問してみると問題解決能力を測れるでしょう。
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優秀なエンジニアを採用するポイント
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優秀なエンジニアを採用する際、特に注力すべきポイントを解説します。面接で即戦力となる人材かどうかを見極めるだけでなく、優秀な人材に選ばれるための体制作りも重要です。
エンジニアを採用活動に参加させる
エンジニアは専門知識を求められる技術職です。採用を担う人事担当者では技術的な話が分からず、自社が採用すべき人材かどうか判断できないケースがあります。
採用担当者がエンジニアの専門的な知識やスキルレベルを判断できない場合は、現場のエンジニアも採用活動の場に参加させるのが効果的な解決策です。エンジニアを最もよく理解できるのは、エンジニアに他なりません。
できるだけ多くの採用プロセスに、社内のエンジニアを組み込みます。応募者が本当に自社の業務を遂行できるのか、現場の人間から見てミスマッチにつながる要素がないかをチェックしてもらいましょう。
採用のスピードを重視する
エンジニアの採用活動は『スピードが命』といっても過言ではありません。優秀なエンジニアは多くの企業から欲しいと思われているため、相手が自社に興味を示しているなら積極的に企業側からアプローチしましょう。
優秀な応募者は常に自社を含めた複数企業のうち、どこに転職すべきか検討していると考えるのが妥当です。
自社から応募者へのレスポンスは早ければ早いほど、相手に好印象を持ってもらえます。逆にアプローチが遅ければ、応募者は別の企業の採用に進んでしまう可能性があります。
採用機会を逃さないためにも、応募者への連絡はスピーディーに行いましょう。
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優秀な人材をエンジニアとして迎え入れるには
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優秀な人材を自社のエンジニアとして迎え入れるには、他社にはない魅力をアピールして「入社したい」と思わせる必要があります。どのような施策が『選ばれる企業』になるために有効なのでしょうか。
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エンジニア側のニーズにアプローチする
重要が高い人材を迎えたいなら、エンジニア側のニーズを調査し興味を引けるような求人内容にする必要があります。定型文が中心のありきたりな表現では、競合との差別化ができません。
求人を見て魅力を感じなければ、より興味を引かれる企業の求人に応募してしまうでしょう。理想とするエンジニアが何を基準に企業を選ぼうとするのかは、採用がうまくいっている競合の調査で把握が可能です。
エンジニア採用では自社の『技術情報』も記載する必要があります。非エンジニアの人事担当者は見逃してしまいがちですが、エンジニアは技術情報を確認して応募するのが特徴です。
採用機会を逃さないためにも、技術情報は忘れずに求人情報へ盛り込むようにしましょう。
採用のやり方を見直してみる
相手が求人に応募するのを待っているだけでは、なかなか優秀なエンジニアと出会えません。
企業側から優秀な人材をスカウトしたり、リファラル採用で既存のエンジニアから人材を紹介してもらったりという工夫が必要です。
優秀な人材が集まらず悩んでいるなら、『待ち』の採用姿勢から『攻め』の姿勢に転換してみましょう。実際、多くの企業が求人広告での募集以外の採用手法も取り入れ始めています。
高度なスキルを持つ人材はスカウトによってすぐ転職先が決まってしまうので、他社に先んじて積極的に声を掛ける姿勢が優秀な人材の採用に結び付くでしょう。
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エンジニアを「育成」する視点も重要
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企業として優秀なエンジニアを採用する努力も大事ですが、施策を練っても競争が激しい経験者の採用には困難を伴うでしょう。
採用の間口を広げて経験の浅い人材を優秀にエンジニアを育てるという考え方も、採用競争が激化しているIT業界では必要な視点です。
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育成環境の整備は定着率の向上につながる
優秀なエンジニアを育成するには、人材が自ら学びスキルを向上させられる環境が不可欠です。できるだけ最新の技術を導入した環境を整え、エンジニアが開発案件をこなしながらスキルの向上に努められるようにサポートしましょう。
エンジニアが離職してしまう理由の一つが、入社した企業で技術やスキルを伸ばせないと感じることです。自らのキャリアアップに生かせないなら、別の場所に移ろうと考えるエンジニアは少なくありません。
人材の定着を目指すには、優秀な人材に「この企業はキャリアアップに役立つ」と思ってもらえるような環境を作りましょう。
研修カリキュラムの導入も効果的
エンジニアの成長の機会を積極的に提供する施策が、優秀な人材の定着率を高めるのに有効です。エンジニアにとっての成長機会とは、技術を習得できる場に他なりません。
研修制度を整えるリソースを捻出できないのであれば、外部の研修を取り入れるのも選択肢の一つです。エンジニアのレベルに合わせて、研修内容を選択できる研修サービスを利用しましょう。
ジョブサポートは問題解決力に長けたエンジニアを育てる研修に定評があり、短期講座から3カ月のプロエンジニア育成コースまで複数のカリキュラムを用意しています。
対面だけでなくオンラインでの講座もあり、幅広い企業のニーズに対応しているのが強みです。
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優秀なエンジニアを自社の戦力に
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専門分野の深い知識・スキルに加えて幅広い分野の知識があり、ビジネススキルやコミュニケーション能力にも優れている点が優秀なエンジニアの特徴として挙げられます。
エンジニアとして優秀な人材は競争率が高いため、企業側からのスカウトやリファラル採用など多角的な観点から戦略的にアプローチする必要があります。
採用活動にあたっては現場のエンジニアとも協力しつつ、エンジニアが魅力的に感じられる求人を掲載しましょう。アプローチやレスポンスのスピードも忘れてはなりません。
ただエンジニアの圧倒的な売り手市場になっている現在は、自社で優秀なエンジニアを育成する視点も持った方が現実的です。育成環境の整備は人材の定着にもつながります。
優れた能力や資質を持つ人材を確保して、自社で活躍してもらえるような施策を整えていきましょう。