フォローアップ研修とは?エンジニアに実施する際のポイントを解説
目次[非表示]
- 1.フォローアップ研修とは?
- 1.1.フォローアップ研修の対象
- 1.2.フォローアップのタイミング
- 2.エンジニアにフォローアップ研修をするメリット
- 2.1.必要な知識・スキルの定着を図れる
- 2.2.一人一人の課題を明確にできる
- 2.3.社員のキャリアプランの形成に役立つ
- 3.フォローアップ研修の手順と内容
- 3.1.1.各エンジニアの課題を調査
- 3.2.2.カリキュラムの決定
- 3.3.3.フォローアップの実施
- 3.4.4.フォロー後の状況確認
- 4.エンジニアに研修をする際のポイント
- 4.1.グループで研修を振り返る
- 4.2.成果を発表する場を設ける
- 5.エンジニアのフォローアップ研修事例
- 5.1.先輩エンジニアによる社内研修
- 5.2.外部研修の活用
- 6.フォローアップ研修でエンジニアを即戦力に
研修の終了後、学んだ内容を振り返るフォローアップ研修は、仕事に必要な知識・スキルを新人に定着させるのに有効です。エンジニアのフォローアップ研修のメリットや手順、研修のポイントを解説します。実施に適したタイミングも覚えておきましょう。
フォローアップ研修とは?
フォローアップ研修とは、主に新人研修が終了した後、一定の期間内に内容を振り返るための研修です。 エンジニアの活躍する業界でも実施されることが多く、新人のエンジニアが研修で学んだことを業務にスムーズに生かすために有効とされています。
フォローアップ研修の対象
フォローアップ研修の対象となるのは主に新入社員です。ただ、中堅社員や管理職にも業務に必要な知識・スキルの定着を図るために、研修が実施されるケースが少なくありません。企業に属する全ての社員に実施される場合があるのです。
エンジニアの業界でも、新人を中心にフォローアップ研修を開催している企業が多く、入社1~2年目の若手社員まで同じ研修の対象となるケースもあります。 当然ながら、研修の内容は立場によって多様です。多くはその時点で必要な技能を定着させたり、キャリアアップに必要な知識を身に付けさせたりといった目的で実施されます。
フォローアップのタイミング
フォローアップ研修を実施するタイミングは、企業によって変わってきます。ただ、知識やスキルの定着に有効な時期は3カ月後・1年後といわれており、これらのタイミングでフォローアップの研修が実施されるケースが多いようです。
まずは入社直後の研修から3カ月後に、内容の復習を兼ねて開催されます。この時点でのフォローアップ研修は、学んだ事柄を業務にしっかりと生かせているかを確認するものです。 上司にあたる社員が、仕事上の悩みや相談事を1on1で確認している企業もあります。 さらに6カ月や1年後に再びフォローアップ研修が開催され、それまでに学んだ内容を総括して次の段階に進む準備をさせる流れが一般的です。
必要に応じて1年間に何回も実施している企業もあれば、初回の研修のみ全体で実施し、後は現場で必要な知識の振り返りをしている企業もあります。
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エンジニアにフォローアップ研修をするメリット
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フォローアップ研修はどのような職種でも有効です。しかし、特に専門知識を活用して業務を進めるエンジニアは、他の職種よりも効率的に技能を身に付けなければいけません。 そのため、他よりもフォローアップの研修がより重要となります。エンジニアにフォローアップ研修を実施するメリットとは、具体的に何なのでしょうか?
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必要な知識・スキルの定着を図れる
業務をこなすために必要な知識とスキルの定着を図れるのが、フォローアップ研修の大きな目的でありメリットです。特にエンジニアは複雑で幅広い知識が求められることが多いため、初回の研修では覚えきれない知識も多いでしょう。
そこで、習得できなかった知識やスキルをフォローアップ研修によってピンポイントで学べるようにするのです。業務に必要な技能を一通り身に付けた状態で、本格的に業務を開始できます。 仕事を始める上での不安や悩みを解消でき、エンジニア自身のモチベーションアップにもつながるでしょう。
一人一人の課題を明確にできる
フォローアップ研修で振り返りをすれば、各人が自らの課題を明確にでき、どこを重点的に磨けばよいかが分かるようになります。 業務に必要な知識だけでなく、仕事の進め方やコミュニケーションの方法、上司への報告や連絡・相談などに関しても、具体的なやり方が分かるようになるでしょう。
一人一人が課題を振り返るだけではなく、チームで課題の洗い出しや共有をすることで、より正確に課題の認識ができるようになります。
社員のキャリアプランの形成に役立つ
新人のエンジニアの中には、自分の将来のキャリアプランを明確にしている人も多いでしょう。フォローアップ研修をきっかけに、今後どのように成長していきたいか、自分の得意分野は何かを明確にできるメリットがあります。
企業側にとっても、新人エンジニアのキャリアプランの設定を手助けすることで、それぞれの強みを発揮できる人材配置のきっかけにできるはずです。
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フォローアップ研修の手順と内容
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エンジニアにフォローアップ研修を行うときは、どのように進めればよいのでしょうか?準備段階からアフターフォローまで、順を追って一般的な手順を見ていきましょう。
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1.各エンジニアの課題を調査
フォローアップの研修を実施する前に、一人一人のエンジニアに自らの課題を確認してもらい、講師側もできるだけ詳細にそれを把握しておきましょう。課題が明確になることで、より効果的なカリキュラムを作れます。
エンジニアの抱える問題・課題はそれぞれ違うため、企業によって設定すべきフォローアップ・カリキュラムは変わってくるはずです。研修を受ける各エンジニアに対して、具体的に達成したい目標や身に付けるべきスキルを設定してもらいましょう。
2.カリキュラムの決定
事前に調査した課題に応じて、フォローアップのためのカリキュラムを作成します。一般的なビジネスパーソンなら、ビジネスマナーや仕事の進め方・報告や連絡の仕方など、社会人として身に付けておくべき内容を振り返るケースが多いはずです。
エンジニアのフォローアップ研修でも、社会人としての基本的な要素を振り返ることは大事です。ただし、さらに業務で必要となるプログラミング言語やプロジェクトの進め方など、より専門的な内容の復習も必要になるでしょう。 課題の調査で把握した弱み・悩みを確認して、改善できるようなカリキュラムを組んでいきます。
3.フォローアップの実施
カリキュラムを作り終わったら、いよいよ研修を実施する段階です。
エンジニアそれぞれに合わせたフォローをすることは大前提ですが、対象となる人材が多ければ効率的に研修を進める工夫も必要になってきます。
例えば、基本となるOJTに加えて、さらにオンラインでの講義や面談を実施する方法も選択肢です。よりスムーズに支援ができる体制を整えておくとよいでしょう。 目標設定シートを活用して一人一人の課題や改善点を確認し、解消するための施策を上司とともに考えるといったフォローも有効です。
4.フォロー後の状況確認
フォローアップ研修は、研修をして終わりではありません。終了後は定期的に研修に参加したエンジニアの状況を確認し、研修内容の評価と改善のための施策を考えましょう。
初めから完璧な研修を実施することはまず不可能なので、PDCAを回しながら最適な内容にブラッシュアップし続けることが大事です。講師と参加したエンジニアだけでなく、さまざまな部署の意見を取り入れる姿勢も必要でしょう。
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エンジニアに研修をする際のポイント
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フォローアップ研修で重要なのは、一人一人の目標を明確にして、研修を通じて確実に達成できたか確認できるようにしておくことです。そのためには、どのようなポイントを意識するとよいのでしょうか?
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グループで研修を振り返る
エンジニア個人が研修の内容を振り返るだけでは、振り返りの内容に抜けや漏れが出るかもしれません。企業として、グループで研修を振り返りつつエンジニア同士がフィードバックし合える環境をつくるとよいでしょう。
指導者が一方的に課題を指摘するだけではなく、同じ立場の者同士でフィードバックを重ねることで振り返りの効果が高まります。 それぞれがより具体的に改善点を把握できるようになるだけでなく、エンジニア間の連帯意識も強まるでしょう。同じプロジェクトに携わるメンバー同士なら、連帯感を高めることで円滑なプロジェクト進行にもつながります。
成果を発表する場を設ける
研修の成果を発表する場を設けるのも、フォローアップ研修の効果を上げるのに有効な方法です。特に、研修内で大きな成果を上げられた人材にプレゼンテーションをしてもらうとよいでしょう。
他の参加者は成果を上げた人の行動を参考にして、より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。 どういった行動が組織として評価されるのか、自社のエンジニアとしてどのようなスキルを率先して身に付けるべきかなど、一人一人が目指すべき姿をイメージしやすくなるはずです。 発表する側のエンジニアも、クライアントや上司への提案に必要なプレゼンテーション能力を高められます。
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エンジニアのフォローアップ研修事例
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エンジニアに限らず、フォローアップ研修の方法は企業によってさまざまです。ただ、研修方法の例を知っておくと、自社での研修内容を決める足掛かりになるでしょう。代表的なやり方を二つ紹介します。
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先輩エンジニアによる社内研修
社内で研修を実施する場合、先輩のエンジニアを講師としてフォローアップをする方法が考えられます。一般的な職種と違い専門的な知識や知見が求められるので、ある程度の経験を持ったエンジニアが担当として適任です。
また、必ずしも管理職である必要はありませんが、指導力があってコミュニケーション能力にも優れている人材がよいでしょう。参加者と信頼関係を築ければ、個別のサポートもしやすくなります。
外部研修の活用
フォローアップ研修に限りませんが、自社に新人を研修するリソースがない場合は、外部の研修を活用するのがおすすめです。外部研修を利用すれば、自社で研修の準備をしなくても、専門家の高度なスキルやノウハウを利用できます。
近年は、エンジニア向けの高レベルな外部研修も充実しています。新人研修やフォローアップの研修にも対応している研修企業が増えているので、積極的に活用を検討しましょう。
ジョブサポートなら、研修を通じてエンジニアとして必要な問題解決力を身に付けさせることが可能です。参加者の満足度やリピート率が高く、コースによって研修期間も選べます。
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フォローアップ研修でエンジニアを即戦力に
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フォローアップ研修とは、過去に実施した企業研修の内容が、しっかりと定着しているかを確認するために実施されるものです。 それぞれの社員が研修を通じて自覚した課題の解消や、不明点を解消するのに役立つ取り組みです。特にエンジニアの場合は、スキルの習得度を具体的に計測する目的もあります。 具体的なカリキュラムは企業によって変わってきますが、エンジニアが自らの課題と向き合える環境を作り上げることが大事です。 自社に研修を実施するリソースがない場合は、外部研修の利用も検討してみましょう。新人研修はもちろん、その後のフォローアップまでしてくれる研修会社もあります。