社会人エンジニアに必要なものとは?多様なスキルを把握して育成を
目次[非表示]
- 1.エンジニアを育てていく必要性
- 1.1.経験者の採用は競争率が高い
- 1.2.ポテンシャル採用が人材不足解決のカギ
- 2.社会人エンジニアに必要なもの【基本スキル】
- 2.1.PC業務に必要な基礎的能力
- 2.2.プログラミングの言語を扱う能力
- 2.3.要点を押さえたドキュメントを作る能力
- 3.社会人エンジニアに必要なもの【応用スキル】
- 3.1.最適なアプローチを決める論理的思考力
- 3.2.業務を円滑にするコミュニケーションスキル
- 3.3.提案の魅力を伝えるプレゼンテーション力
- 3.4.問題を見つけ解決に導く課題解決力
- 4.キャリアパスによってはマネジメントスキルも
- 4.1.物事を前進させる意思決定力
- 4.2.個人の能力を最大限に引き出すコーチングスキル
- 5.エンジニアに必要なスキルを習得させる手段
- 5.1.個々のスキルを把握してOJT研修を行う
- 5.2.外部の研修を活用する
- 6.未熟なエンジニアも仕事ができる人材に
エンジニアを育てていく必要性
(出典) unsplash.com
エンジニアは現状で慢性的な人手不足にあり、人材確保のためには育成が欠かせません。まずは業界の実情と人材不足の解決策となる取り組みについて知り、エンジニア教育の準備を始めましょう。
経験者の採用は競争率が高い
エンジニア業界は圧倒的な売り手市場であり、経験豊かな人材の採用が難しくなっています。即戦力となる人材を大手企業が囲い込んでいる状況で、特に中小企業は自社に必要な経験者を確保しにくいのが現状です。
特に技術面だけでなく他のスキルにも優れているエンジニアは、競争率が高く採用が難しいでしょう。転職市場に出てきたとしても、中小企業が大手企業に待遇で勝つのは容易ではありません。 経験が浅い・未熟という人材にも目を向けないと戦力の確保ができない状況です。
エンジニアとして成熟した人材をとる方向性から、『自社で育てる』という考え方へのシフトが求められています。
ポテンシャル採用が人材不足解決のカギ
経験豊富で優秀なエンジニアを採用しにくい中、注目されるのが『ポテンシャル採用』です。 ポテンシャル採用は『キャリア採用』の対義語で、既に持っているスキルではなく潜在的な能力(ポテンシャル)を評価する方法を指します。その人の特性や人柄・エンジニアとしての素養が評価基準です。
面接の時点で自社の開発案件を十分にこなせる力がなかったとしても、十分な研鑽を積むことで他のエンジニア以上に活躍できると判断したら採用します。 エンジニア未経験者も対象になるため、母数を増やせるのがポテンシャル採用のメリットです。応募が集まらない・優秀な人材に巡り合えないという企業は、ポテンシャル採用からの育成にシフトする必要があります。
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社会人エンジニアに必要なもの【基本スキル】
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ポテンシャル採用でとった人や既存の社員が未熟だと感じるなら、エンジニアとして活躍できるように教育しなければなりません。社会人として働くエンジニアにまず必要なのは、業務に直接関わる能力です。
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PC業務に必要な基礎的能力
エンジニアとして業務を遂行するには、PC業務に必要となる基礎的なIT知識が身に付いていなければいけません。PCやソフトウエアの基礎知識・扱い方はもちろん、インターネット上のルールやマナーは必須です。
エンジニアのスキル習得の土台となる、データベースやネットワークに関する知識も求められます。全て分野にかかわらず必要になってくるため、採用時の最低基準と考えましょう。 ポテンシャル採用で未経験者をとるにしても、PCの操作方法やインターネットの基本も分からなければ教育が難航します。ある程度は面接までに基礎的なPCスキルを見極め、足りない部分を把握して育てる準備をしましょう。
プログラミングの言語を扱う能力
ITエンジニアとしてプログラミング言語を扱う能力は必須です。例えばWebシステムの開発ではJavaやRuby・PHPといった言語がよく使われます。経験者の採用で習得している言語やプログラミングのスキルを必ず確認するでしょう。
ただポテンシャル採用では、自社の開発案件に必要な言語を完全に習得していない人材も採用します。人事担当者はプロジェクトに必要な言語や技術をよく理解して、育成の計画を立てなければなりません。 プログラミングスキルを習得できる人材かどうか見極めるには、知らない知識や技術を習得する意欲を確かめます。
開発環境や使う言語は案件によって変わってくるため、新たな知識の習得が苦にならない人は活躍の場が広いでしょう。
要点を押さえたドキュメントを作る能力
エンジニアは要件定義書やシステムの設計書・テスト仕様書など、業務で多様なドキュメントを作成する必要があります。
ドキュメントの作成能力もエンジニアが働く上で身に付けていたい基本スキルです。 単にドキュメントを作るだけでなく、チームのメンバーやクライアントに伝わるよう要点を整理できる能力が求められます。いわゆる『文才』は必要ありませんが、相手の立場から読みやすい文章を書かなければなりません。 特にまだ十分な経験のないエンジニアに上流工程を担当させるとき、育てておきたいスキルといえるでしょう。
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社会人エンジニアに必要なもの【応用スキル】
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より職務遂行能力の高いエンジニアに育てるためには、基本スキルに加えて応用的なスキルも身に付けさせる必要があります。エンジニアが社会人として成熟するためにも、基本的な技能以外の能力が重要になってくるでしょう。
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最適なアプローチを決める論理的思考力
『論理的思考力(ロジカルシンキング)』は、社内のエンジニアを育てるときに重視したい能力です。エンジニアは顧客の要望をもとに、複雑な要件や仕様を整理しなければなりません。
上流工程を担当するエンジニアは、さまざまな仕様を検討し性能面とコスト面の双方から最適な仕様を決定するポジションです。プロジェクトの成功には、物事を筋道立てて考える力が求められます。 論理的な思考は人によって得手・不得手があるものの、基本的に誰でも習得できるようになる能力です。業務に携わる中で覚えてもらう・研修で培うなど、育てる方法を模索しましょう。
業務を円滑にするコミュニケーションスキル
エンジニアは周囲と協調して作業を進めなければならないため、コミュニケーションスキルは必須です。クライアントからヒアリングをしたり仕様を提案したりなど、社内・社外の多くの人々と意思の疎通を図らなければいけません。
トラブルが起こった際には、相手といかにスムーズにコミュニケーションをとれるかが業務の生産性にも影響するでしょう。 コミュニケーションスキルは人によってレベルの差が出やすい能力です。苦手な人材には、コミュニケーションに関する書籍や講座の活用をすすめてみましょう。
提案の魅力を伝えるプレゼンテーション力
エンジニアの仕事ではプログラミングをするだけでなく、クライアントに提案をする場面も多くあります。魅力的な提案ができるプレゼンテーション力は、上流工程において案件の成否を分けるスキルといっても過言ではありません。
他人と話すのが苦手という理由でエンジニアになる人もいますが、実際には自身の考えをアウトプットする機会が多い職種です。新人のエンジニアには業務を通じて、積極的にプレゼンテーションをする機会を与えましょう。
問題を見つけ解決に導く課題解決力
エンジニアの関わるシステム開発には、トラブルがつきものです。プログラムのエラーが頻発したり途中で仕様を大きく変更しなければならなかったりなど、予期せぬ問題が発生するケースは珍しくないでしょう。
素早く問題点を発見して解決に導く力は、優れたエンジニアになるために欠かせません。短期間で身に付く能力ではありませんが、経験を積むに従って解決策の引き出しが増え育っていきます。 新人のエンジニアにも早いうちからプロジェクトに参加させ、多くの経験を積んでもらう取り組みが重要です。
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キャリアパスによってはマネジメントスキルも
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将来的に開発プロジェクトを担う人材を育てるなら、マネジメントに関するスキルも身に付けさせる必要があります。マネジメントにはどのような能力が必要なのでしょうか。
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物事を前進させる意思決定力
組織やチームのマネジメントに必要なスキルが多くある中で、特にプロジェクトを前に進めるための『意思決定力』は重要な能力です。 さまざまな人の意見を聞き、見解が対立した場合には上手く調整しなければなりません。
多くの人に支持される決断をスピーディーに下せる力も求められます。 プロジェクトマネージャーを任せたい人材には、複数の物事に対して素早く優先順位を付ける訓練を検討しましょう。瞬時に物事を判断する力に加えて、長期的な視点に立って方針を決定する力が身に付きます。
個人の能力を最大限に引き出すコーチングスキル
プロジェクトを統括する立場になると、一人ひとりのエンジニアの能力を引き出す力も求められるようになります。個人の能力を最大限に引き出すには、相手の特性を理解した上で適切なコーチングをする必要が出てくるでしょう。
それぞれのエンジニアが問題や課題に向き合い、解決する方法を自ら導き出せるようにするのが管理者の役割です。 コーチングにはエンジニアとしての技能に加えて、チームを統括する経験が必要となります。見込みのある人材に対しては、早いうちからチームをまとめる役割を与えるのが育成のポイントです。
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エンジニアに必要なスキルを習得させる手段
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エンジニアが活躍できるよう育てる方法は、伸ばしたい能力によって変わってきます。ただ大まかに分けるとスキル育成の手段は、『社内でOJTを実施する』『外部研修を使う』の2種類です。
個々のスキルを把握してOJT研修を行う
エンジニアは専門性の高い技術職です。プロジェクトで活躍できる能力を育てるにはOJT研修(実地研修)が役立ちます。
先輩のエンジニアが具体的な業務フローやプログラム開発におけるルールを説明し、実際に開発を担当させてフィードバックすると効率的です。
スキルレベルの高い人材に対しては、自ら成長できる環境を整える施策も考えましょう。業務へのモチベーションが上がるだけでなく、組織へのエンゲージメントも向上します。 個々のエンジニアの特性に合わせた教育が求められるため、本格的なOJTに入る前にスキルレベルの把握が必要です。
外部の研修を活用する
エンジニアとして優秀な社員がいても、他者を教え導くのが得意とは限りません。社内の人的リソースを新人教育に割く余裕がない企業もあるでしょう。
エンジニアの育成方法や教育の人手不足に悩んでいるなら、外部の研修を活用するのがおすすめです。 外部研修ではエンジニア教育のプロが教育を担うため、必要な知識やスキルを効率的に習得させられます。社内の人的リソースを割かずに済み、生産性の低下も防げるでしょう。
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■教育実績2700名以上のエンジニア研修
未熟なエンジニアも仕事ができる人材に
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社会人として活躍できるエンジニアには、自らが関わる分野の専門知識に加えて仕事をスムーズに進めるために必要なスキルが多くあります。 基礎的なPCスキルやプログラミングスキルなどは、必須の能力です。
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より活躍できる人材に育てたいなら、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルといった要素にも目を向ける必要があります。 習得に時間のかかる能力もありますが、研修方法を模索しながら自社の戦力となる人材を育てる施策を練りましょう。必要な人材を育てられる環境づくりが、自社のエンジニア不足を解消するポイントです。