エンジニアがスキルチェンジを目指す理由。成長支援が人材確保のカギ
目次[非表示]
- 1.エンジニアの抱える不安や懸念
- 1.1.市場価値が上がっていないように感じる
- 1.2.将来スキルが通用しなくなる
- 2.エンジニアのスキルチェンジの方法
- 2.1.新しいプログラミング言語を習得する
- 2.2.社内の人事異動
- 3.自社のエンジニアがスキルチェンジを申し出たら?
- 3.1.根本的な原因に対処する
- 3.2.チェンジ後のプランを一緒に考える
- 4.将来性のあるエンジニアを確保するには
- 4.1.スキルアップ支援に注力する
- 4.2.ポテンシャル採用から育成で伸ばす
- 5.優秀なエンジニアを育成するコツ
- 5.1.育成の方向性を明確にする
- 5.2.外部研修をうまく利用する
- 6.スキルチェンジを支援して人材の確保を
エンジニアの抱える不安や懸念
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エンジニア市場全体で見れば、エンジニアの需要は高まっています。しかし現場では自身の価値やキャリアに不安を持ち、転職も含むスキルチェンジを考えるエンジニアが少なくありません。 どのような不安や懸念が、エンジニアにスキルチェンジを考えさせるのでしょうか。
市場価値が上がっていないように感じる
厚生労働省『賃金構造基本統計調査』によれば、2019年のSEの平均年収が約566万円であるのに対し、プログラマーでは約447万円です。 ITエンジニアは上流の仕事ができるようになるほど、年収が上がる傾向にあります。
上流のエンジニアを目指すのであれば、市場価値を高めなければなりません。新しい技術を習得し、知識を深めて経験を積むことが重要です。 しかし同じ会社の中で同じ仕事ばかりしていると、新しい技術を学ぶ機会が少なくなるでしょう。
知識や技術が一向に更新されない環境にいると「自分の市場価値が上がっていないのでは?」と不安に感じるエンジニアもいます。スキルチェンジや転職によって、新しい環境に身を置きたいと考えるのです。
参考:賃金構造基本統計調査職種DB第1表|統計表・グラフ表示|政府統計の総合窓口
将来スキルが通用しなくなる
パーソル総合研究が発表した2021年の『ITエンジニアの職業意識に対する調査結果』では、ITエンジニアのキャリア不安ランキング1位は『自分の技術やスキルがいつまで通用するか不安だ』という項目でした。
IT技術は日々進歩している上、新しいプログラミング言語や便利なツールがどんどん開発されています。同じ会社にいて同じ業務をこなしていると、いずれ自分のスキルが通用しなくなるのではないかと不安を覚えているエンジニアが多いようです。
参考:ITエンジニアの就業意識に関する調査結果|パーソル総合研究所
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エンジニアのスキルチェンジの方法
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現状と将来への不安からスキルチェンジをしたいエンジニアが出てきたとき、企業としては社内でかなうのか・転職しか方法はないのかを判断したいところです。エンジニアがスキルチェンジをする方法を知っておきましょう。
新しいプログラミング言語を習得する
新しいプログラミング言語を習得することで、エンジニアはスキルの幅を広げられます。
データベース言語であるSQLを習得していたエンジニアが、後からJavaやC言語を覚えることでシステム開発に移行するといったケースがスキルチェンジの例です。 AI開発にも使われるPythonやWeb開発に必要なPHPなど、将来性の高い言語を習得することでエンジニアの将来に対する不安が解消されやすくなります。
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社内の人事異動
キャリアに対して不安を覚えているエンジニアであれば、社内の人事異動で不安を解消できるかもしれません。 特に志望者が多いフロントエンドエンジニアと比べると、バックエンドエンジニアの方が需要は高く収入アップにも期待を持てます。
また、下流工程で積み上げたスキルを評価され、マネジメント層や上流工程への異動ということもスキルチェンジの一つとみなすこともできるでしょう。 エンジニア内での配置換えによって将来的な不安の解消や新しい技術や業務スキルを習得させることも、キャリアチェンジの方法の一つといえます。
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自社のエンジニアがスキルチェンジを申し出たら?
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自社内のエンジニアからスキルチェンジについて相談されたら、人事としてはどのように対処すべきなのでしょうか。有効な対処法を紹介します。
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根本的な原因に対処する
スキルチェンジをしたいと申し出たエンジニアに対しては、思い立った理由をヒアリングしましょう。根本的な原因を解消する必要があります。 年収や役職が変わらないことへの不安・将来需要がなくなるのではないかという思いなど、さまざまな可能性が考えられるでしょう。
引き留めるにしろスキルチェンジを支援するにしろ、原因を究明して何がエンジニアにとって最も良い結果につながるのかを考える必要があります。 また個人の悩みとして捉えるのではなく、環境や制度自体を改善していく意識が必要です。サポートする制度の導入やツールを見直してみるなどして、エンジニアが働きやすくキャリアアップできる環境を生み出しましょう。
チェンジ後のプランを一緒に考える
技術の停滞を理由にスキルチェンジをしても、しばらくしてまた同じ問題が起こりかねません。 エンジニア自身が最終的にどのようなキャリアにたどり着きたいのかが思い描けていない状態で、安易なスキルチェンジを試みると失敗に終わる可能性があります。
特に下流工程を担当していて開発設計に関わる機会が少ないエンジニアの中には、上流工程への憧れのみで転職先を決めてしまう人もいるでしょう。 エンジニアがスキルチェンジに失敗しないように、開発工程をすべて把握している人事が、キャリアプランをともに考えてあげることもエンジニアの育成では重要です。
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将来性のあるエンジニアを確保するには
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スキルチェンジやキャリアパスについて具体的に思い描けているエンジニアは、将来有望である可能性を秘めています。将来性のあるエンジニアを確保するために効果的な施策を、二つ確認しましょう。
スキルアップ支援に注力する
市場価値を高める方法はスキルチェンジだけではありません。現状のスキルの方向を高めていくスキルアップも有効です。
エンジニアがスキルチェンジを希望する要因として、スキルアップができない労働環境であることも考えられます。エンジニアに対して技術・知識の習得を支援できる仕組みを作りましょう。 資格手当の導入や資格試験や勉強のための費用を会社が一部負担する、外部講師を招いた勉強会・社内研修を導入するといった取り組みが例です。スキルアップを促す制度を整えれば、エンジニアも安心して今の仕事に集中できます。
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ポテンシャル採用から育成で伸ばす
『ポテンシャル採用』とは現時点での実務能力や知識ではなく、将来性の高さや潜在能力を重視して採用する手法です。 経験豊富なエンジニアだけではなく、未経験であってもソフトスキルや素養が自社とマッチングしているなら採用を検討してみてはいかがでしょうか。
エンジニア市場は人手不足に陥っており、経験豊富なエンジニアを採用するのが難しくなっています。ポテンシャルに注目して自社で育てていくという視点が、リソース不足を解消するために必要です。 別の領域からスキルチェンジを考えているエンジニアであれば、全くの未経験者よりも短い期間で戦力となる可能性が高いでしょう。
また従来の社員が持っていない多様な能力やスキルを持った人材を採用することで、職場に新しいスキルや考え方を導入できるのもポテンシャル採用のメリットです。
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優秀なエンジニアを育成するコツ
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現場で活躍できるエンジニアになってもらうためには、どのように育てるかを明確に定め必要に応じて外部研修も活用しましょう。個々に合わせた教育が優秀なエンジニアの育成につながります。
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育成の方向性を明確にする
一口にエンジニアといっても、仕事の内容はさまざまです。Webエンジニアの中にもWebアプリの開発やサーバーサイド開発など、多様なポジションがあります。
一人一人のエンジニアに対して、将来的にどの方向性で進んでいくのか・そのためにどのような知識やスキルが必要なのかを明確にしましょう。 最終目標と中間目標を明確に定めれば、エンジニアは自身の市場価値が高まっていると実感できます。専門性の高いエンジニアを育成できる可能性が高まるでしょう。
エンジニアのニーズと自社が求める方向性とすり合われせば、習得できるスキルに不満を持たれる心配もありません。
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外部研修をうまく利用する
エンジニアがスキルチェンジを希望していても、社内にリソースやエンジニアの習得したいスキルに関してノウハウがない企業もあるでしょう。 しかし研修環境を整備できなければ、エンジニアはスキルアップができない環境に不安を感じて転職を考えてしまうかもしれません。
社内だけで十分な研修ができない場合は、外部研修を検討してみてはいかがでしょうか。社内のリソースを使わずにエンジニアを育成できます。育成の方法を自社研修の参考にするのも一つの方法です。 研修期間やエンジニアの方向性について多様な研修プランを用意している会社であれば、選択の幅が広がるでしょう。
ジョブサポートではオンラインを含む複数のコースを用意し、個別指導でレベルに合わせた研修を行っています。
■関連サイト
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スキルチェンジを支援して人材の確保を
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市場価値が停滞することや将来への不安から、スキルチェンジを検討しているエンジニアは少なくありません。 スキルチェンジを考えているエンジニアが社内にいる場合、まずはなぜスキルチェンジを考えているのかを明確にし、解決に向けて一緒に考える姿勢が重要です。
企業側から率先して適切なキャリアパスや労働環境を提供すれば、エンジニアの不安を解消して優秀なエンジニアを確保しやすくなります。 エンジニアがスキルチェンジのために転職する原因として、社内にエンジニアを育成する環境がないケースも考えられるでしょう。教育環境の整備が難しいなら、外部研修を活用してみるのも有効な方法です。