フロントエンドエンジニアとは?Webスペシャリストの需要は大きい
フロントエンドエンジニアは、Web上で目に見える全てのことに精通する必要があるほど、守備範囲の広い職種です。ジョブサポートの研修でもフロントエンド(HTML5・CSS・JavaScript)コースがあり、ローコード開発・社内Webサイト改修の内製化を行うための教育などでニーズが増えてきています。育成を検討する際は、会社としても慎重な判断が必要となるでしょう。必要なスキルや、育成担当が知っておくべきポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.フロントエンドエンジニアの需要は大きい
- 1.1.フロントエンドエンジニアとは
- 1.2.コーダーやWebデザイナーとの違い
- 2.フロントエンドと関係の深い業務
- 2.1.サーバーサイドエンジニア
- 2.2.マークアップエンジニア
- 3.フロントエンドエンジニアに必要なスキル
- 3.1.Webサイト作成に必要な言語スキル
- 3.2.CMS構築のスキル
- 3.3.SEO関連のスキル
- 4.やりがいや面白みはどんな部分?
- 4.1.最新の技術やツールに触れられる
- 4.2.制作物が評価されて形に残る
- 5.スキルアップに役立つ資格
- 5.1.HTML5プロフェッショナル認定試験
- 5.2.Webクリエイター能力認定試験
- 5.3.CIW JavaScript Specialist
- 5.4.Ruby技術者認定試験
- 6.フロントエンドエンジニア育成のポイント
- 6.1.まず重要なのは基礎の学習
- 6.2.手を動かして成果物を作ってみる
- 6.3.能力の見極めやサポート体制の構築
- 6.4.必要に応じて社外研修も活用する
- 7.フロントエンジニアの育成は大きな戦力に
フロントエンドエンジニアの需要は大きい
フロントエンドエンジニアとはどのような職種なのか、まずは基本をおさらいしておきましょう。似た職種との違いや、業界における重要性についても解説します。
フロントエンドエンジニアとは
Web制作におけるWebブラウザなど、ユーザーとデータを直接やり取りする要素のことを、フロントエンドと言います。フロントエンドの構築やカスタマイズに携わる技術者がフロントエンドエンジニアです。
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリにおいて、ユーザーが直接目にする部分のほとんどを担当します。デザイン面だけでなく、UI・UX・SEOなどの知識やスキルも必要です。 Webサイト数の増加や新しいデバイスの登場などにより、フロントエンドエンジニアの需要はますます高まっていくことが予想されます。優秀な人材を育成できれば、自社にとって大きな戦力となるでしょう。若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策
コーダーやWebデザイナーとの違い
フロントエンドエンジニアと似た職種に、コーダーやWebデザイナーがあります。どちらもフロントエンドに関わる業務を行う職種です。 コーダーは、HTMLやCSSを基本スキルとし、主に静的なWebサイトを作成します。近年はコーディングなしでも簡単なWebサイトを作成できるため、コーダーの需要は減っていくと推測されています。
フロントエンドエンジニアは、コーダーが持つ全てのスキルを備えていることが求められます。コーダーを進化させた職種がフロントエンドエンジニアであるとも言えるでしょう。 WebサイトやWebアプリの見え方をデザインするのがWebデザイナーです。フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーの作業後、より使い勝手を良くするためにUIやUXをプログラミングします。ジョブサポートのフロントエンド(HTML5・CSS・JavaScript)コースはこちら
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フロントエンドと関係の深い業務
フロントエンドエンジニアは、サーバーサイドエンジニアやマークアップエンジニアと深い関係を持つ職種です。それぞれの特徴や関係性について解説します。
サーバーサイドエンジニア
フロントエンドに対し、ユーザーが直接関わらないサーバー側の要素をサーバーサイドと言います。サーバーサイドの開発や管理を行う技術者がサーバーサイドエンジニアです。
ユーザーが見える範囲の動作や処理をより快適にするためには、データ処理など裏側のシステムが、きちんと構築・メンテナンスされている必要があります。 そのため、フロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアは、緊密に連携してWebサイトやWebアプリを開発していかなければなりません。ジョブサポートでもサーバーサイドの教育としてJava研修があります。
マークアップエンジニア
マークアップエンジニアとは、HTMLやCSSなどのマークアップ言語を使い、WebサイトやWebアプリを包括的に担当する職種です。 Webデザイナーが設計したデザインに沿ってページを実装するコーダーと異なり、マークアップエンジニアは自らの意志で改良を加えることがあります。
コーダーの上位職とされる職種です。 フロントエンドエンジニアは、マークアップエンジニアに必要となるスキルに加え、さらに多くのフロントエンド系スキルを求められます。マークアップエンジニアの上位職がフロントエンドエンジニアです。
フロントエンドエンジニアに必要なスキル
フロントエンドエンジニアに求められる主なスキルは、Webサイト作成スキル・CMS構築スキル・SEO関連のスキルです。それぞれについて詳しく解説します。
Webサイト作成に必要な言語スキル
フロントエンドエンジニアは、Webサイトを制作できるコーディングスキルが求められます。HTMLやCSSといった、Web制作におけるマークアップ言語への深い理解が不可欠です。これらの知識はジョブサポートのフロントエンド(HTML5・CSS・JavaScript)コースでも身に付ける事が可能です。
CSSのスキルに関しては、BootstrapやBulmaなどのフレームワークも必須スキルとなります。近年の開発では、これらのフレームワークを活用するのが一般的です。
ブラウザ上で動的な表現を可能にするJavaScriptのスキルも習得しなければなりません。開発効率を高めるためのフレームワークやライブラリについても、知識を深めておく必要があります。
CMS構築のスキル
フロントエンドエンジニアは、実務の現場ではCMSを活用してWebサイトを構築するケースが多くなります。CMSとは「コンテンツマネジメントシステム」の略称であり、Webサイトの構成要素を一元的に保存・管理できるシステムのことです。
CMSは、WordPressをはじめとして、さまざまな種類が存在します。HTMLやCSSの知識がほとんどなくてもWebサイトを作れるため、個人によるブログ制作でもよく使用されるシステムです。
CMSには、専門知識なしでコンテンツの更新・追加が可能となったり、マルチデバイスへ容易に対応できたりするメリットがあります。サイト運営の分業化を図れる点もポイントです。
SEO関連のスキル
現在のWebサイトには、SEOを反映させるのが基本です。SEOとは、特定ワードで検索エンジンによる検索を行った際、Webサイトが上位表示されるようにする対策を指します。 どれだけ優れたデザインやコンテンツを備えたWebサイトでも、ユーザーの目に届かなければ意味がありません。Webサイトの開発に携わるフロントエンドエンジニアにとって、SEO関連のスキルの習得はとても重要です。 SEOに関する知識は常に変化しているため、知識を最新のものにアップデートし続ける意識も必要となります。
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やりがいや面白みはどんな部分?
フロントエンドエンジニアには、どのようなやりがいや面白みがあるのでしょうか。仕事においてモチベーションが上がりやすい、二つの要素を紹介します。
最新の技術やツールに触れられる
IT分野の技術や情報は、日々新しいものに更新されています。フロントエンドエンジニアに必要なスキルやツールの多くも、時代の流れに合わせてアップデートし続けています。
ユーザーにとって魅力的なWebサイトやWebアプリを提供し続けるためには、フロントエンドエンジニアが最新技術やツールに詳しくなければなりません。
さまざまなことに好奇心があり、チャレンジ精神が旺盛な人なら、最新の技術やツールに触れられるフロントエンドエンジニアになればやりがいを感じられるでしょう。
制作物が評価されて形に残る
フロントエンドエンジニアは、単なる技術者ではなく、クリエイターとしての側面も持っています。自分の個性を反映したWebサイトやWebアプリを作成できる点が特徴です。
制作物に対する反応を見聞きする機会も多くなります。自分で手掛けた制作物が評価され、かつ、それがWeb上に形として残ることは、大きなモチベーションアップにつながるでしょう。
ユーザーに直接評価される部分に携われる点は、サーバーサイドエンジニアにはない魅力です。意欲的かつクリエイター気質の人に向いた職種と言えます。
スキルアップに役立つ資格
フロントエンドエンジニアを効率よく育成するには、資格の習得を目標にさせるのがおすすめです。スキルアップに役立つ四つの資格を紹介します。若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML・CSS・JavaScriptをはじめ、フロントエンド開発全般のスキルや知識を認定する資格が『HTML5プロフェッショナル認定試験』です。試験の難易度により、2種類のレベルに分けられています。
レベル1の主な出題内容は、HTMLマークアップやJavaScriptプログラミングなどの基礎知識全般です。レベル2になると、マルチメディアや動的コンテンツなどの範囲が問われます。
より難易度の高いレベル2は、受験費用の補助や資格手当を出す企業もあるほど、実用性を認められた内容です。レベル2を目指すなら、ある程度実務経験を積んだ後のほうが良いでしょう。
Webクリエイター能力認定試験
『Webクリエイター能力認定試験』は、Webサイト制作におけるデザインスキルやコーディングスキルを認定する資格です。スタンダードとエキスパートの2種類に分かれています。
スタンダードの主な内容は、HTML・CSSを用いたデザインやレイアウト、簡単なコーディングなどです。エキスパートになると、動的コンテンツやマルチデバイス対応が含まれます。
近年のWebサイトは、目立つデザインより多くの人が利用可能なデザインを重視する傾向があります。Webクリエイター能力認定試験を勉強すれば、時代の流れに合ったユーザビリティの高いWebページを作れるようになるでしょう。
CIW JavaScript Specialist
インターネットとWebに関するスキルを認定する世界共通の国際資格『CIW』には、職種やレベルにより16種類の資格があります。 このうち、JavaScriptのスキルや知識を認定する資格が『CIW JavaScript Specialist』です。フロントエンドエンジニアに必須のJavaScriptスキルを磨けます。 日本国内だけでなく、海外でも通用する国際資格です。試験は全て英語で出題されるため、ある程度の英語の読解力が必要となります。
Ruby技術者認定試験
『Ruby技術者認定試験』はオブジェクト指向スクリプト言語のRubyに関する知識・スキルを認定する資格です。構文・組み込みライブラリ・オブジェクト指向などが出題されます。 Rubyはサーバーサイドでよく使われる言語です。Rubyを習得することで、フロントエンドとサーバーサイドの両方の開発に携われる「フルスタックエンジニア」を目指せます。 Rubyは習得難易度が比較的低く、汎用性も高いため、習得しておいて損はありません。SilverとGoldに分かれているレベルのうち、Silverは持っておいたほうが良いでしょう。
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フロントエンドエンジニア育成のポイント
フロントエンドエンジニアをより効率よく育成するためのポイントを紹介します。社内で育成計画を立案する際の参考にしましょう。
まず重要なのは基礎の学習
フロントエンドエンジニアを育成する際は、最初に徹底して基礎を学習しましょう。いきなりプログラミング言語から学んでも、基礎知識がない状態でインフラ系などの学習は進められません。
近年は、インターネット上で効率よく勉強を進められる、無料学習サイトが充実しています。実際に手を動かしながらスキルを身に付けられるためおすすめです。
フロントエンドエンジニアの学習に特化した書籍を使うのも良いでしょう。書籍を使った学習は、体系立てて学習を進められるメリットがあります。
手を動かして成果物を作ってみる
Webサイト作成やプログラミングの学習は、実際に手を動かしながら進めるのが基本です。学習サイトや書籍の内容を読むだけでは、理解したつもりで終わってしまいます。
独学で効率よく学習を進めるには、実際に自分で成果物を作ってみるのがおすすめです。勉強で得た知識を参考にして、自分のパソコンに開発環境を構築し、さまざまなものを作ってみましょう。 実際に記述や操作をしてみることで、考える力も養えます。
思考力や発想力は、フロントエンドエンジニアとして持っているのに越したことはない能力です。
能力の見極めやサポート体制の構築
エンジニアの育成においては、カリキュラムに沿った育成だけでなく、能力の把握や個々のサポートも重要です。若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策
OJTなどを導入し、新人社員に先輩や上司が指導できる環境を構築できれば、それぞれの能力に合ったサポート体制の中で社員のスキルアップを図れます。
育成対象の社員だけでなく、指導する側のサポートも意識しましょう。指導側に回る管理職として任命した社員には、経営層や役員などをメンターにつけ、相談できる環境を整えるのも有効です。
必要に応じて社外研修も活用する
フロントエンドエンジニアをより効率よく育成するなら、社外研修を取り入れるのも一つの方法です。エンジニア育成のプロ講師から、実務に役立つ知識やスキルを学べます。ジョブサポートならオンラインでフロントエンドの知識を学ぶ事も可能です。
研修を全て社内で実施しようとすると、内部の人材を研修の準備や指導に回さなければならないため、どうしても生産性が落ちます。質の高い研修ができるとは限らない点もデメリットです。
一方、社外研修を実施すれば、自社のリソースを研修に回す必要がありません。ノウハウや経験に基づいた質の高い学習を受けられるため、研修内容を考える手間や時間も省けます。
■関連サイト
フロントエンジニアの育成は大きな戦力に
WebサイトやWebアプリの開発市場が拡大していることに伴い、フロントエンドエンジニアの需要も高まっています。優秀な人材を育成できれば、企業にとって大きな戦力となるでしょう。 フロントエンドエンジニアには、さまざまな知識やスキルの習得が求められます。必要に応じて社外研修も活用しながら、効率よく人材を育てていきましょう。