新卒のエンジニアを育成するには?効果的な方法と育て方のポイント
近年は優秀な人材の中途採用に加えて、新卒のエンジニアを積極的に採用して育成していこうという企業が増えてきました。新卒のエンジニアを積極的に採用・育成するメリットや具体的な育成方法、効率的な人材育成におすすめの外部研修について解説します。
目次[非表示]
- 1.新卒エンジニアの育成は難しい?
- 1.1.新卒エンジニアの育成で起こりがちな問題
- 1.2.自ら学び成長する人材の育成が不可欠
- 2.新卒のエンジニアを育成するメリット
- 2.1.自社の風土や環境に合った人材を育成できる
- 2.2.新しい技術を身に付けさせやすい
- 2.3.長期的には人件費の削減につながる
- 3.新卒エンジニアの育成方法
- 4.外部研修による新卒育成のメリット
- 4.1.プロの講師から専門的な教育が受けられる
- 4.2.自社で提供できないスキルも習得させられる
- 4.3.社内のリソースを割く必要がなくなる
- 5.新卒エンジニア育成のポイント
- 5.1.自ら学び成長できる環境を整える
- 5.2.心理的安全性を担保する
- 6.新卒エンジニアの育成に注力する
新卒エンジニアの育成は難しい?
エンジニアは業界全体で人手不足の傾向があります。特に優秀な人材は企業間の競争が激しく、最初から十分なスキルを備えた人材を採用しようと思っても、なかなか難しいのが現状です。 そこで、近年は新卒のエンジニアも積極的に採用する企業が増えています。しかし中途採用の場合とは違い、主に育成面で課題を感じている企業も少なくありません。
新卒エンジニアの育成で起こりがちな問題
エンジニアを育成する際、他の職種に比べて獲得させたい(させなければならない)知識やスキルは多様です。社内のエンジニアのみでは、業務経験のない新卒者をうまく育成できないケースが多くあります。 特に、自社が保有していない分野の知識や技術を教育したい場合、どう対応すべきか悩む教育担当者もいるでしょう。
また、そもそも育成に充てる人的リソースがないという問題も深刻です。開発プロジェクトの中核を担う中堅以上のエンジニアが、新人教育に時間を割けないケースは多々あります。
新卒採用に力を入れたい企業は、外部のリソースをうまく活用しながら、自社に必要な人材を効率的に育成する方法を考えなければなりません。
自ら学び成長する人材の育成が不可欠
近年の新卒人材の育成において、単に業務をこなすのに必要な知識や技術を身に付けさせるだけでは不十分です。困難な環境下でも、自ら成長する力を養うことが重要とされています。
特にエンジニアの場合、最終的にクライアントまたは自社の課題解決が仕事になります。さまざまな状況に柔軟に対応できる人材でなければ、十分に目的を達成できません。
新人教育では、汎用性の高い問題解決力を身に付けさせることが重要です。 未経験の新人エンジニアが一人前になるまでには、一般的に3年ほど必要といわれています。OJTや外部研修などを利用しながら、エンジニア自身が積極的に学び・成長できる環境を整えることで、少しでも早く戦力化する工夫が求められるでしょう。
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新卒のエンジニアを育成するメリット
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中途採用の人材に比べて育成に工夫が必要な新卒エンジニアも、うまく育てられれば企業の成長に欠かせない存在になるでしょう。新卒のエンジニアを積極的に採用・育成するメリットとして、具体的に何が挙げられるのでしょうか?
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自社の風土や環境に合った人材を育成できる
新卒の人材は他企業の文化や価値観に染まっていないため、中途採用の人材よりも自社の風土や環境に合った育成をしやすいのが特徴です。
長い目でじっくり育成する中で、自社の企業文化を理解し、企業が求める動きができる人材に育ってくれるでしょう。現場が欲しい資質を備えている就活生を採用できれば、自社が求めるエンジニアに育成できる可能性はさらに高まります。
また、新卒採用は全員が同じタイミングで入社するので、まとめて研修を実施しやすく、必要な知識や技術を効率的に習得させられる点もメリットです。
新しい技術を身に付けさせやすい
特定の分野で経験を積んできた中途採用に比べて、新卒の人材は自社の業務に必要な知識や技術だけでなく、新しい分野の技術を柔軟に身に付けられる傾向にあります。 経験やスキルが偏っている人材よりも、新人にゼロから学んでもらった方が定着しやすいケースは少なくありません。
特に、若い人材は新たな知識を吸収したり、技術を柔軟に応用したりする能力に優れているといわれます。企業として全く新しいジャンルを開拓する場合には、それを担う新卒人材の育成に力を入れるとよいでしょう。
長期的には人件費の削減につながる
新卒の採用・育成に力を入れるよりも、外部のエンジニアに頼りたいと考えている企業は多くあります。しかし、自社で丁寧に人材を育成することで、長期的には外注よりも人件費を削減できるでしょう。
必要に応じてエンジニアを外部から雇うとなると、その度に多額の費用が発生します。依頼する技術の専門性が高くなれば、負担するコストも大きくなるものです。
一方、自社で新人を育成すれば、常にチームで開発プロジェクトを進められるようになり、それぞれの強みや特性を生かした業務にアサインできます。結果的に効率よく開発を進められるようになり、全体のコスト負担も軽減されるでしょう。 新卒エンジニアの育成は初期コストこそかかるものの、戦力化してしまえば長期的な人件費の削減につながります。
また、全社一丸となって新卒から丁寧に人材を育てていくことで、早期離職の防止に期待できるのもメリットです。社員の企業に対する愛着が高まって定着率が上がれば、新たな人材を募集したり教育したりする費用をかけずに済みます。
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新卒エンジニアの育成方法
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新卒エンジニアを採用して育てることには、人材確保や長期的な育成の面で多くのメリットがあります。新卒エンジニアを育てる方法として、基本的なやり方を押さえておきましょう。
若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策はこちら
基礎的なスキルの習得を目指す「社内研修」
新卒の場合、まずは同期入社の人材を対象にまとめて社内研修(新人研修)を実施します。自社の経営方針やビジョンを共有し、ビジネスマナーや業務に必要な基礎を習得してもらうための研修です。 新人向けの社内研修は集団での講義形式で行われることが多く、近年はオンラインでの研修も広まっています。
ここではエンジニアだけでなく、営業や総務・広報など他の業務を担う新人と一緒に研修を受けさせる企業が多いようです。 ただし、企業によっては、エンジニアに特化した内容の新人研修を用意している場合もあります。企業規模や社内研修で習得させたいスキルによって、実施形態は変わってくるでしょう。
リアルタイムで実践力を身に付ける「OJT」
OJT(On the Job Training)は実際に業務をこなしながら、必要な知識やスキルを身に付けさせる教育法です。 特にエンジニアをはじめとした技術職に有効なトレーニングとして、広く認識されています。
近年は営業やマーケティング職でも、OJT形式で新人を教育する企業が少なくありません。 先輩エンジニアの指導の下、小人数で必要な事柄を集中的に学べるのがOJTのメリットです。新人は不明点や疑問点をその場で解消できます。実際に仕事をしながらでなければ学べない事柄も、OJTでなら習得させやすいでしょう。
プロに頼んで効率的に育成「外部研修」
社内に新人研修を実施する十分なリソースがない場合や、より高いレベルで新人教育をしたい場合は、外部の専門企業による研修を受けさせるのがおすすめです。 社内研修やOJTの場合、講師となる社員が本来の業務に集中できなくなるケースも多いでしょう。
さらに現場で優秀なエンジニアが、講師としても十分だとは限りません。 社内で新人を着実に育成するのが難しいと感じる場合は、外部の研修サービスを活用しましょう。
例えば、ジョブサポートは問題解決力を備えたエンジニアの育成に定評があります。リピート率や研修受講者の満足度が高い外部研修サービスです。資料を見て自社で必要なスキルとカリキュラムが合致しているようなら、導入を検討してみましょう。
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外部研修による新卒育成のメリット
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外部研修には当然ながら社内研修よりもコストはかかります。しかし、プロに任せるからこそ得られるメリットを考えれば、決して高くない出費だと思えるはずです。新卒エンジニアの研修を外部に委託する利点を、詳しく見てみましょう。
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プロの講師から専門的な教育が受けられる
外部研修を利用すれば、エンジニアの教育に慣れたプロの講師に質の高い研修を提供してもらえます。 プロの講師は実務経験のない人材が抱えがちな不安や課題、技術の習得において疑問に感じる点などを把握しています。経験がない新卒人材にも、効率的に必要な知識・スキルを身に付けさせることが可能です。
社内の優秀なエンジニアが新人教育に秀でているとは限らず、知識やスキルに偏りがある場合も少なくありません。汎用的な知識やスキルを広く身に付けさせたいなら、外部研修の方がおすすめです。
自社で提供できないスキルも習得させられる
社内の人的リソースでは提供できない分野の知識や、新しいスキルを身に付けさせる場合も、外部研修を利用した方が効率的です。 それぞれの分野のエキスパートが講師を務めるので、環境やトレンドに合ったタイムリーな指導を受けられます。外部研修によって、それまで自社になかった発想や考え方なども身に付けられるため、組織の若返りや活性化にもつながるでしょう。
特に既存エンジニアの年齢層が高く、組織の硬直化を感じている企業は効果を感じやすいはずです。新しい技術の習得が重要視されるエンジニアにとって、幅広い分野に触れられる環境はやりがいにもつながります。
社内のリソースを割く必要がなくなる
新卒の育成を外部研修に任せられれば、自社のエンジニアの負担が減り、本来の業務に集中できるようになります。 研修の開催には事前準備が不可欠で、研修場所の確保やカリキュラムの作成、講義を行う人材のトレーニングなども必要です。
企業によっては、数カ月の準備期間が必要なケースもあるでしょう。 新卒の研修を外部に委託すれば、これらの準備が必要ありません。既存のエンジニアはシステム開発をはじめとした「本業」にリソースを割けるようになり、結果的に生産性の維持・向上につながります。
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新卒エンジニア育成のポイント
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新卒エンジニアの育成方法には、社内研修やOJT、外部研修などがあります。しかし、単に研修を実施すれば若手が成長するわけではありません。企業として、新卒の人材が十分に発揮できる土台も整えておきましょう。
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自ら学び成長できる環境を整える
新卒のエンジニアの育成に当たっては、自発的に学び成長できる環境を積極的に整備する必要があります。
エンジニアは他の職種に比べて習得すべき技術が多いので、必要な事柄を効率的に学べる環境を作らなければいけません。 エンジニアが自ら必要な情報を得られる場所や、ネットワークの構築が必要です。
学習用の書籍やWebサイト、疑問点があったときの質問先などについて、積極的に情報を提供する姿勢が求められます。
メンター制度を導入して、適切なタイミングで先輩からアドバイスを得られる体制作りも重要です。メンターは仕事はもちろん、日常生活における悩みの相談も受けながら新人を指導します。 精神面のサポートが充実していれば、OJTをはじめとした教育に新人が積極的に取り組むようになるでしょう。
心理的安全性を担保する
エンジニアを教育するとなると、どうしても技術一辺倒のカリキュラムになりがちです。新人の「分からない」「不安だ」という心理に対する配慮を忘れてしまうケースも少なくありません。
新卒エンジニアの心理的安全性を担保することで、新人が自ら学ぶ姿勢を生み出せるようになります。 例えば、小さなことでも先輩に質問できたり意見を率直に言えたりする環境を用意することで、新人は「組織に受け入れられている」という感覚を得られるでしょう。 所属している組織に対する安心感を得られれば、仕事へのモチベーションも向上し、自ら能動的に学ぼうとする姿勢が醸成されます。
事実、心理的安全性の高いチームは業務の生産性も高いとされています。新人教育の場に限らず、組織全体で心理的安全性を高める工夫をしていきましょう。
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新卒エンジニアの育成に注力する
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新卒エンジニアの育成に注力することで、自社の企業風土や環境にマッチした人材を育成できます。長い目で見れば、離職率や人件費の削減にもつながるはずです。
新卒の育成方法としては社内研修やOJTが代表的ですが、社内に新人教育のためのリソースが足りない場合は外部の研修がおすすめです。
エンジニア教育のプロからレベルの高い講義を受けられるので、特に組織に新しい知識や技術を取り入れたい企業は、積極的に利用を検討してみましょう。 新卒の人材が自ら学ぼうと思える環境を用意することで、研修の効果がさらに高まるはずです。