7・2・1の法則とは?経験と助言により効果的なエンジニア育成を
人間は多くの事柄を経験から学びます。仕事でも経験は学びの基礎となる大切な要素です。経験とフィードバック、訓練の重要性を示した「7・2・1の法則」を活用しましょう。エンジニアの経験を増やす方法や、人材教育への取り入れ方を解説します。
目次[非表示]
- 1.7・2・1の法則とは?
- 2.エンジニアの「経験」の場を増やす方法
- 2.1.業務の割り振り方を工夫する
- 2.2.自発的に動く環境を整える
- 2.3.ジョブ型雇用を取り入れる
- 3.7・2・1の法則を人材教育に取り入れるには?
- 3.1.OJTを積極的に行う
- 3.2.1on1を実践する
- 3.3.外部の研修を活用する
- 4.7・2・1の法則から人材育成を考えよう
7・2・1の法則とは?
「7・2・1の法則」はもともとアメリカの経営コンサルタントが提唱した考え方で、ビジネスの現場でも参考にされています。まずは、この法則が何を意味しているかを理解しましょう。
「経験」「助言」「トレーニング」から学ぶ割合
人間はビジネスにおいて、必要な事柄の7割を仕事の「経験」から、2割を他者の「助言(フィードバック)」から、残り1割をトレーニングから学ぶといわれています。これが「7・2・1の法則」です。 7・2・1の法則は、個人のキャリアアップだけでなく企業の研修にも取り入れられています。この割合を理解した上で研修の内容を考えることで、組織に必要な人材を効率的に育成できます。
■関連記事
エンジニアの新人研修に必要な期間は?内容と研修のポイントを解説
エンジニアの「経験」の場を増やす方法
(出典) pexels.com
「7・2・1の法則」に従えば、人材育成に最も重要なのは仕事上の「経験」ということになります。それでは、エンジニアの「経験」の場を増やすにはどのような方法があるのでしょうか?
若手、新人エンジニアの成長を阻む 人材育成5つの失敗と解決策はこちら
業務の割り振り方を工夫する
エンジニアに経験を積ませるには、上司にあたる社員が業務の割り振り方を工夫しなければいけません。新人のエンジニアであっても、積極的に挑戦できる場を作るようにしましょう。 チャレンジできる機会が増えれば、定型的な業務ばかり遂行させるよりも成長が早くなります。
管理者が部下に効率的に経験を積ませるには、まず仕事を教える人材の教育に力を入れる必要があります。管理者のための外部研修も多いので、積極的に活用するとよいでしょう。
自発的に動く環境を整える
エンジニアには他の職種と比べて、習得すべき知識やスキルが多くあります。一人一人が自発的にインプットとアウトプットを繰り返し、業務上の経験を積めるようにしましょう。
単に上司にあたる社員が「勉強しろ」「スキルを磨け」などと、発破をかけるだけでは不十分です。社員の自発性を高めるには、組織として評価制度を見直したり学習環境を整えたりする必要があります。 人事部門やマネジメント層が中心となって、エンジニアが自ら必要な技術を習得し、実践の中で磨けるような体制をつくりましょう。
ジョブ型雇用を取り入れる
エンジニアが自ら積極的に経験を積むだけでなく、周囲からの助言を受け入れて成長する人材を選択的に採用することも重要です。 将来のキャリアを見据えて経験を積もうとする人材が、そうではない人材よりも成長のスピードが早いのは間違いないでしょう。
自発性の高い人材を採用するには、「ジョブ型雇用」の導入が効果的です。ジョブ型雇用は業務内容を事前に規定して雇用する方法を指します。 応募側は入社してから具体的に何をするのか理解しているので、採用後のミスマッチが起こりにくいのが特徴です。
ジョブ型雇用を前提に評価制度を見直すことで、自発的に経験を積み成長する人材を育成しやすくなるでしょう。事実、ジョブ型雇用の採用をきっかけに、大きな成長を遂げている企業は多くあります。
■関連記事
エンジニアには企業研修が重要。外部委託のポイントや育成の考え方
7・2・1の法則を人材教育に取り入れるには?
(出典) pexels.com
「7・2・1の法則」を人材教育に取り入れるには、具体的にどうすればよいのでしょうか? エンジニアに「経験」と「助言」を与えるとともに、自らトレーニングできる環境を整える方法を確認しましょう。
問題解決力を身に付ける若手、新人SE・PG向けの通年Java研修(1~3ヶ月コース)はこちら
OJTを積極的に行う
エンジニアは非技術職に比べて、専門的かつ実践的なスキルを多く身に付けなければいけません。仕事で使える知識や技能の習得には、OJTで実地に学ぶ研修が効果的です。
OJTで実際に業務を経験させ、必要に応じて助言やフィードバックを与えれば、座学のみの研修よりも圧倒的に人材の成長速度が速くなるはずです。 研修で明らかになった課題の解決方法は、トレーナーによる指導だけではありません。エンジニア自身に振り返りの機会を与え、自発的に課題を乗り越るための手助けもしましょう。
1on1を実践する
上司にあたるエンジニアと、新人のエンジニアが1on1ミーティングをするのも効果的です。1on1を行うと、研修の内容を振り返りつつ、経験豊富なエンジニアの助言をもとに今後取り組むべき課題を明らかにできます。
助言やフィードバックは、適切なタイミングと方法で行わなければ十分な効果を得られません。定期的に1on1の機会を設けることで、新人が自ら学びや気付きを得やすくなるでしょう。上司と部下の信頼関係の構築にも役立ちます。
外部の研修を活用する
外部の研修を活用して、エンジニアに経験とフィードバックを得る機会を提供する方法もあります。特に社内のリソースが足りない場合には、外部研修がおすすめです。 外部研修では、プロ講師の下で最新の技術を身に付けられます。「教えるプロ」に任せられる点も、外部に研修を依頼するメリットです。
Javaやフロントエンドの研修を行っているジョブサポートでは、実践的な問題解決力の醸成を重視しています。個人に合わせた指導やフィードバックで、経験と助言・トレーニングをバランスよく取り入れられるでしょう。 Java・フロントエンド研修のジョブサポート
■関連記事
新人SEに必要な研修とは。基本を抑えスキルレベルの差を埋める
7・2・1の法則から人材育成を考えよう
(出典) pexels.com
「7・2・1の法則」とは、人間が仕事に必要なことの7割を経験から、2割を上司や周囲からの助言から、残りの1割を研修などのトレーニングから学ぶという法則です。 この考え方を人材教育や新人研修に生かせば、自社に貢献する人材を効率的に育成できるでしょう。
必要な事柄の7割を占める良質な経験を積ませるには、業務の割り振りを担う人物の教育や、自ら経験値を伸ばせるような環境を整えることが大事です。OJTや1on1の実践、外部研修を積極的に取り入れましょう。
学歴、学部による「IT知識」「基礎知識」の格差を無くす個別指導の新人研修プロエンジニア育成コース(Java2・3ヶ月コース)はこちら