エンジニアを新卒採用するポイント。課題や方法などを解説
WEBサービスやITの充実が広がる中、エンジニアに対しての市場価値は高まっています。自社でエンジニアを新卒採用する際、ノウハウが確立していなかったり、課題に直面したりする可能性があります。課題を解決する方法についても解説します。
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目次[非表示]
- 1.エンジニアを新卒で採用する課題
- 1.1.エンジニア人材の不足
- 1.2.育成が難しい
- 2.エンジニアを新卒採用するポイント
- 2.1.早期から学生に接触する
- 2.2.求める人材を明文化している
- 2.3.適性や将来性も考慮する
- 3.エンジニアを新卒採用する方法
- 3.1.ダイレクトリクルーティングの活用
- 3.2.地方学生の採用を検討
- 3.3.文系学生の採用も視野に
- 4.新卒採用は将来性も視野に入れる
エンジニアを新卒で採用する課題
少子高齢化が進む日本では、人材不足の深刻さはより顕著になってきています。ITの発展に伴い、IT人材としてのエンジニアはますます人手が足りなくなることが予想されます。新卒、さらにエンジニアという難しい問題には、さまざまな課題が潜んでいました。
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エンジニア人材の不足
経済産業省の試算では、2030年には約45万人のエンジニア不足に陥る計算になっています。需要に対して、供給が圧倒的に間に合っていないのです。
世界的に見ても日本のエンジニア不足は深刻です。日本のIT人材はおよそ91万人いるとされていますが、必要とされている技術や知識の習得には追いついていません。市場が求めている「質」に達していない人が多いのが現状です。
少子高齢化の影響も人材不足を加速させています。労働人口は減少する一方で、世界的なIT技術の必要性は高まり続けています。両者の格差が、深刻なエンジニア不足を引き起こしているのです。
育成が難しい
せっかく新卒でエンジニアを採用したとしても、次に「育成」の壁が立ちはだかります。主な問題点は、以下のポイント3点です。
- 業務を安価に委託できてしまう
- 自社の持っている技術以外を教えることができない
- 教育のために時間を使えない
ポイント1については、クラウドサービスやフリーランスの登用により、比較的安価にエンジニアを確保できてしまいます。新人教育には時間だけでなく、金銭的な負担も掛かるので、コスパの面で外部のプロを頼ってしまいがちです。
ポイント2には、使っているシステムがバージョンアップして使えなくなったり、新しい技術を習得したりする必要があっても、自社内にそのシステムを扱ったことがある人がいなければ教えることはできません。
ポイント3も深刻な悩みです。エンジニアは納期に追われて忙しいことも多く、新人教育に多くの時間を割けません。育成用に人員を送れば、そのぶん開発は遅れてしまいます。余分に人員を割く余裕はないのです。
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エンジニアを新卒採用するポイント
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「新卒でエンジニアを採用したい! 」と考えた際に、注意すべき点をまとめました。ポイントは「とにかく早期に企業側から動く」という点です。
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早期から学生に接触する
中小企業などは、大手と比べてどうしても知名度が低くなりがちです。大手企業には勝てないからと、内定を出し終えたタイミングで採用活動を開始していませんか?それでは、接触できる学生は少なくなってしまいます。
大手では細分化されてしまう作業も、中小なら一貫して取り組むことができます。フルスペックエンジニアなどのやりがいを求める学生のためにも、採用スケジュールはなるべく前倒して早期から動きましょう。 自社の魅力を直接学生へアピールし、積極的に学生獲得へ向けて動いている企業が、新卒エンジニアを確保できる傾向にあるようです。
求める人材を明文化している
就職活動において大切なのは、知名度より企業とのマッチングです。どれだけ有名な会社でも、休職者と企業の相性が良くなければすぐに辞められてしまいかねません。 ミスマッチを防ぐためには、自社にとってふさわしい人材を明文化し、わかりやすく提示することが重要です。
- スキルや能力はどのようなものがほしい?
- インターンや学会活動などの経験は必要?
- 既存社員とうまくやっていける性格は?
上記に踏まえ、自社の経営理念や企業風土に見合った人物像はどのような人なのかを書きだしていきましょう。具体的に設定するほど、ミスマッチは起こりにくいでしょう。
適性や将来性も考慮する
エンジニアという職種は、まだ生まれて間もない新しい分野です。そもそもITやAI技術に携わった経験のある人の方が圧倒的に少なく、将来性で採用を決定する「ポテンシャル採用」も視野に入れるべきでしょう。
IT技術は日進月歩で技術が変化し、常に勉強が必要になります。10年経てば今の技術はあっという間に古くなり、また新しい勉強をしなければなりません。
そのため「自発的に学習を継続できるのか」「新しい技術や流行りの言語、サービスに対して感度が高いか」などの適性を考慮し、幅広い視点で判断することが必要になってきます。
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エンジニアを新卒採用する方法
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では実際に、エンジニアを採用する有効な方法を見ていきましょう。低コストで有益な効果が見込める施策をピックアップしていますので、参考にしてみてください。
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ダイレクトリクルーティングの活用
ダイレクトリクルーティングは、企業側が求職者側(新卒社会人)に直接自社をアピールし、アプローチしていく採用のやり方です。
従来、求人は「待つ」だけしかできませんでした。求職者側が求人票を見たり、転職サイトに登録したり、求人サイトで探してから応募するまで、企業側は待つしかありません。
今までの求人の形では、知名度が低い中小企業やスタートアップ企業はどうしても不利になりがちです。自社がイメージする通りの人材を、自ら見つけていけるメリットがあります。
地方学生の採用を検討
流行の技術や、きらびやかなオフィスなど、その多くが首都圏に集中しています。労働環境の優位性から、採用に当たってもつい近場で学生を探しがちですが、地方の優秀でやる気あふれる学生の採用も検討してみましょう。
地方で暮らす学生も首都圏の学生に負けず劣らずやりがいやスキルアップを求めているのはご存知の通りです。 地方に出向いて自社の説明をする工数は必要となりますが、地方には自社が求めるスキルや有望な将来性を持った人材が眠っている可能性があります。
文系学生の採用も視野に
「ITは理系の知識だから、文系は難しいのでは?」という認識は視野をせばめてしまう可能性があります。確かにプログラミング技術は理系有利の面があるのは否定できませんが、文系であっても習得することは可能です。
例えば、プログラミング言語は英語がベースとなっているものが大半です。語学に長けた人材という視点でみれば理系より文系の方が優位な面があるのは否定できません。 また、最新の仕様書や設計図の意図を読み込み、顧客がどのような製品を望んでいるかをコミュニケーションを通していち早く理解できる人材も文系学生の方が得意としている分野でもあります。
新卒したての新社会人に、多くを求める企業はあまりありません。大切なのは、やる気と勉強したいと思う前向きな姿勢と捉えると理系一辺倒で採用枠をせばめてしまうのはもったいないと言えるでしょう。
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新卒採用は将来性も視野に入れる
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人材不足が叫ばれるようになっても、問題はすぐに解決できません。IT分野などのエンジニア職は、世界的な人材不足になる試算がすでにもう出ています。 積極的に学生を獲得し、自社でじっくりと育て上げる覚悟を持てば、そこに大手や中小などの違いはありません。自社は本当に素晴らしいものを作っているんだというプライドが、学生を引き寄せるのでしょう。
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