社内SEの仕事内容とは。システム構築や運用保守など多岐にわたる
社内SEはどのような仕事をするのでしょうか?ジョブサポートの研修受講企業でも社内SEの方もいますが、関わっている仕事は会社によって違うようです。社内SEの主な仕事内容や、求められるスキルなどを中心に、ITの企業SEやSIerとの違いについて見ていきましょう。システム構築や運用保守など、その業務内容は多岐に渡ります。社内SEの採用に関わる人事担当者の方にも活用できると思います。
目次[非表示]
- 1.社内SEを理解しよう
- 1.1.ITの企業SE・SIer・社内SEの違い
- 1.2.会社の規模で仕事内容は異なる
- 2.システムを導入する際に社内SEが担う役割
- 2.1.ベンダーコントロール
- 2.2.システム構築に従事
- 2.3.システム構築後の動作テストも担当
- 3.日常の業務を支えるのも社内SEの業務範囲
- 3.1.システム運用管理
- 3.2.システム保守
- 3.3.パソコンのトラブルへの対処
- 3.4.ITインフラの整備
- 4.社内SEにはIT戦略の策定スキルも必要
- 4.1.システムの企画や立案に携わる
- 4.2.システム改善にも取り組む
- 5.仕事が多いゆえ、配置は適切に
社内SEを理解しよう
社内で仕事をするSEにはどのような仕事があるのでしょうか。SIerとやITの企業SEとの違いや、それぞれの特徴、会社の規模による違いを説明します。
ITの企業SE・SIer・社内SEの違い
IT企業のSEやSIer(エスアイヤー)の仕事は、クライアントの要望をかなえるためのシステムを構築することです。
システム開発に当たって、クライアントにどんなリクエストがあるのかを確認し、それに沿った基本設計、詳細設計をします。構築や開発、試験を経て、クライアントに納品するのが主な仕事内容です。
一方、社内SEは自社の課題を洗い出し、それらを解決できるシステムやベンダーを選定します。
開発を担うベンダーとの窓口となり、要件の提示や情報の開示など、ベンダーの依頼を実行する役割もあるでしょう。
システム構築だけでなく、既存のシステムや社員が利用するパソコンのメンテナンス、社内の問い合わせ対応なども社内SEの仕事です。
会社の規模で仕事内容は異なる
大企業と中小企業では、社内SEの仕事の比重が少し変わる傾向があります。
大企業では業務内容が分担され、それぞれに特化した一部の仕事を担う場合が多くなります。例えば、システム構築に向けたサーバーチームやネットワークチーム、データベース部隊といったチームに細分化される傾向があります。
一方、中小企業は人手も少ないので、ヘルプデスクのような役割や、メンテナンスなどの業務を1人でこなすことも珍しくありません。
どちらのケースにおいても、社内SEは、社員がより働きやすくするための役割や、会社の競争力を強める仕事など、縁の下の力持ちとして働きます。
システムを導入する際に社内SEが担う役割
システムを導入する際、社内SEはどのような仕事をするのでしょうか。社内SEの具体的な業務内容について見ていきましょう。
ベンダーコントロール
ベンダーとは、ITシステムやサービスを提供する会社のことを言います。システムの設計や構築などをする際に、ベンダーに100%任せきりになってしまうと、意図しないシステムをが納品されてしまったり、トラブルを招いてしまったりする可能性があります。
例えば、ベンダーから提案されたの見積もりの概算額のまま発注すると、割高で購入してしまうことになりかねません。
そのような事態を防ぐためにも、相場などを調べ、価格が適切であるか確認したり、必要であれば価格交渉をしたりすることも社内SEの仕事です。
また、ベンダー側に要望をしっかり伝えないと、想定と異なるシステムの納品や運用が起こる可能性もあります。
これらはお互いの思い違いから発生するケースが多いため、よくベンダーとコミュニケーションを取り合い、しっかりコントロールをすることを心がけましょう。
システム構築に従事
社内システムを構築する際は、社内のシステム化ニーズを分析し、どのようなものを作るのか方向性を定めた上でプロジェクトを立ち上げます。
主に要件定義、基本設計、詳細設計、構築、テスト、運用といったフェーズに沿ってシステムを構築していくことになります。
一部または全ての業務を外注することもできますが、その場合はベンダーコントロールが必要です。
また、社内SEは新規開発だけでなく、既存のシステムを改修することもあります。その際は、要件定義から再度実施し、社内ニーズを収集した上で優先順位を付けて構築していきます。
システム構築後の動作テストも担当
システムを構築した後は、設計通りに動作するのかを確認するテストを実施します。テスト段階で何が悪いのかを洗い出し、改良して基準に耐えうるシステムに修正するのも仕事です。
また、実際に運用した後も、初期段階ではコーディングのミスやバグといったヒューマンエラーは付き物であり、その都度対応する必要があります。こうした対応も社内SEの仕事ととなるケースが多いのです。
システムの構築を外注した場合は、試験は主にベンダーが実施します。試験結果を記載した試験成績書を作成してもらい、システムに不備がないことを証明してもらいましょう。
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日常の業務を支えるのも社内SEの業務範囲
新規にシステム構築をすることだけが、社内SEの役割ではありません。既存のシステムをメンテナンスし、社員の業務を支える重要な役割もあります。
システムの運用をサポートする、社内SEの業務を紹介します。
システム運用管理
社内SEは、システムが安定して稼働し続けるために、運用管理やメンテナンスなどのシステム運用管理を行います。
円滑に業務を回したり、迅速なトラブル対応をしたりする検討・仕組みづくりを実施することも、社内SEの業務内容の一つです。
具体的には、スケジューリングされたデータのバックアップや、サーバー上にあるファイルを自動でアプリケーションに取り込むツールを作成など、社員が働きやすいシステムの運用を行っていきます。
システム保守
システム運用と異なり、システムの改修や調整、故障修理することも社内SEの業務です。これを「システム保守」といいます。
システム運用はシステムの監視など、安定した稼働を目指すものですが、保守はシステムに変更を加え、問題の解決や改善を図るものです。
安定稼働はしているものの、システムに関する社員のちょっとした要望に応えることも、社内SEの仕事と言えるでしょう。
パソコンのトラブルへの対処
社内SEは、社内のパソコンに関する問い合わせやトラブルの対応も行います。
社員の中にはシステムに不慣れな人がいる場合もあるでしょう。そのようなときは、初歩的なところから説明しなければなりません。
言葉も専門用語だと伝わりづらいので、言い回しを変えるなど、理解しやすい説明が求められます。
突発的な対応が多かったり、複数の社員から同時に問い合わせが入った場合は、時間を掛けて対応するケースも出てくるでしょう。
ITインフラの整備
社内のITインフラを整備する際は、一般的に安全性・快適性・耐障害性を考慮しなければなりません。
そのため、安全性ではセキュリティーを強化し、社内情報の流出を防止や、外部からの攻撃を防ぐなどの必要があるでしょう。
快適性を向上させるためには、パソコンやサーバーのスペックを強化、またはネットワークを簡略化させるなどの対応をすることもあります。
耐障害性を強化するのであれば、仮にシステムがダウンしてしまった際に、早く復旧するための仕組みを考慮しなければならないでしょう。
また、片方の機器が故障しても、別の機器で運用を続けるなどの冗長化構成も有効です。
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社内SEにはIT戦略の策定スキルも必要
会社のシステムを構築する際は、IT戦略を立てた方が見通しが立てやすくなります。
将来実現したいことなどの具体的な未来図を持たないと、手戻りの発生や、都度修正が必要で費用ばかりかさむシステムが出来上がる恐れがあります。
社内SEに必要な、IT戦略の策定スキルを見ていきましょう。
システムの企画や立案に携わる
社内SEは、システムの企画や立案に携わることがあります。会社の事業やサービスを続けていくために、どのようなシステムが必要になるのか、どうすれば最適になるかを検討しなければなりません。
その場合、社内ニーズの把握や構築するシステムの品質管理、予算の作成、納期スケジュールのコントロールが必要です。
コミュニケーション能力だけでなく、プロジェクトを前進させるプロジェクトマネージャーの技術も求められるでしょう。
システム改善にも取り組む
時代の変化とともに、IT業界は目まぐるしく進化していきます。社内システムも新しい技術を取り入れたり、時代の波に対応しなければならないこともあるでしょう。
そのためにも、常にIT知識の収集や、新技術に対する勉強が求められると言えます。
また、新しい技術だけでなく、システムの改善が必要な場合は、それを上層部に説明したり、実際に構築する必要も出てきます。
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仕事が多いゆえ、配置は適切に
社内SEの仕事は、新規に社内システムを構築するだけはありません。システムの運用管理や保守メンテナンス、ヘルプデスクや将来のシステム構想の立案など、多岐に渡ります。
仕事が多いため、人材の配置は適切にしなければなりません。仮に少人数で運用するのであれば、仕事が属人的になってしまう場合があり、フォローする人がいなくなってしまうでしょう。
どうしても少人数で仕事を回す際は、ドキュメントをしっかり作成したり、仕事の一部または全てを外部に回し、ベンダーコントロールに徹するなど、工夫することをおすすめします。