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社員研修に使える助成金は?代表的な2種類の内容と育成のカギを解説

社員のスキルアップを課題として取り組もうとする場合、予算がネックとなる企業も多いでしょう。公的な助成金を活用できれば、育成コストの大幅な削減につなげられます。ジョブサポートでも問い合わせが多く、新人研修では大半が活用しています。IT研修に使える助成金や育成のポイントについて解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.IT業界の現状と課題について
  2. 2.正社員が対象なら人材開発支援助成金
  3. 3.非正規雇用労働者ならキャリアアップ助成金
  4. 4.他にはどんな助成金・補助金がある?
  5. 5.ITエンジニアとして伸ばすべき能力は
  6. 6.エンジニア育成の重要ポイントは
  7. 7.助成金を活用してよい人材を育てよう

IT業界の現状と課題について

現在のIT業界が抱えている人材不足の問題について解説します。人材不足解消のために自社で育成するなら、助成金の活用がおすすめです。

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慢性的な人手不足から育成がより重要に

日本のIT業界は、人材の需要が高まる一方で、供給が追い付いていないのが現状です。先端ITへの需要の高まりや少子高齢化により、人手不足は今後ますます深刻化すると予想されています。 従来型のIT人材では対応できない分野において、今後の成長が見込まれている点もポイントです。

AI・ビッグデータ・IoT(モノのインターネット)といった分野は、複数分野の技術を組み合わせたスキルや全く別のスキルが求められます。 これらの問題を解消するためには、IT人材の育成がより重要となるでしょう。

自社で育成する場合は、入社時のスキルをそれほど問わなくて済む上、入社後に自社で必要なスキルを重点的に学んでもらえます。

育成コストは助成金の活用でカバー

IT人材の自社育成を検討する際、ネックになりがちなのが育成コストです。クオリティーの高い人材を育てようとするなら、相応のコストが必要になります。 育成コストのハードルをクリアするためには、公的助成金の活用がおすすめです。

数ある助成制度の中から、人材育成に特化した制度を利用することで、研修費や人件費を大幅に削減できます。 助成金は補助金と異なり、適用条件さえ満たせば利用可能です。多くの企業が活用している代表的な助成金を知り、積極的に利用を検討してみましょう。

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正社員が対象なら人材開発支援助成金

自社の正社員に対して社員研修を実施したい場合は、人材開発支援助成金の活用がおすすめです。制度の概要をチェックしておきましょう。

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人材開発支援助成金の概要

正社員を対象とした人材育成を図るなら、厚生労働省の人材開発支援助成金が適しています。従業員の職業訓練開発において、訓練費用や訓練中の賃金を一部助成する制度です。 人材開発支援助成金では、7コースが用意されています。

計画の実施や休暇制度の適用など、それぞれのコースで設定された条件をクリアしなければなりません。 生産性要件が設定されている点も特徴です。コースを導入した結果、企業の生産性が向上すれば、助成金が上乗せされます。

人材開発支援助成金を利用するためには、雇用保険適用事業所であることが求められます。他にも、コースごとに細かい条件が設定されているため、事前にきちんとチェックしておきましょう。

参考:人材開発支援助成金(特定訓練コース、一般訓練コース、教育訓練休暇付与コース、特別育成訓練コース)|厚生労働省

キャリア形成促進助成金からの変更点は

人材開発支援助成金は、2016年(平成28年)度以前に実施されていたキャリア形成促進助成金が変更された制度です。名称だけでなく、2項目の大きな変更点があります。

変更点の一つ目はコースの統廃合です。キャリア形成促進助成金は4コースで構成されていましたが、人材開発支援助成金ではコース数が7に変更されています。 二つ目の変更点は生産性要件の導入です。

制度の利用により生産性が向上し、数字上の条件をクリアすれば、助成金が割増されます。 生産性要件の新設は、キャリア形成促進助成金からの大きな変更点と言えるでしょう。単に助成金の獲得を目指すだけでなく、企業が人材育成の意識をより強く持てるようになります。

代表的な二つのコースの助成額

人材開発支援助成金の7コースのうち、代表的なコースが特定訓練コースと一般訓練コースです。 特定訓練コースでは、『OFF-JT』(Off-The-Job Training、職場を一時的に離れて行う教育訓練)と『OJT』(On-The-Job Training、職場で実務をさせることで行う教育訓練)と呼ばれる、二つの訓練内容が設定されています。

OFF-JTでは、賃金助成が1人1時間あたり760円、経費助成が対象経費の45%です。OJTの場合は、実施助成が1人1時間あたり665円に設定されています。 一般訓練コースでは、OFF-JTのみ選択可能です。賃金助成が1人1時間あたり380円、経費助成が対象経費の30%となっています。 特定訓練コースでは、OFF-JTとOJTの組み合わせも可能です。生産性要件をクリアすれば、これらの助成額はさらに上乗せされます。

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非正規雇用労働者ならキャリアアップ助成金

非正規雇用労働者を社員研修で育成したい場合は、キャリアアップ助成金の利用を検討しましょう。制度の概要や代表的なコースの助成額について解説します。

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キャリアアップ助成金の概要

非正規雇用労働者を対象に自社で研修し、戦力として計算できるまでに育てたいなら、厚生労働省のキャリアアップ助成金を利用するのがおすすめです。

有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者の正社員化や処遇改善に取り組むことで、国から助成金をもらえます。非正規雇用労働者を取り巻く、地位や処遇の問題解決も目指している制度です。

キャリアアップ助成金では、正社員化コースをはじめとした7コースが用意されています。受給要件については、業種ごとに資本金の額や常時雇用する従業員の数が定められています。

参考:キャリアアップ助成金|厚生労働省

2021年4月から6コースに統廃合

キャリアアップ助成金は、かつては正社員化コース・人材育成コース・処遇改善コースの3種類しかありませんでした。しかし、2017年4月からは7コースに変更され、2021年4月からは6コースに統廃合されています。

障害者正社員化コースをはじめ、諸手当制度等共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コースなど、内容をより細分化していることが特徴です。 障害者正社員化コースは今回の統廃合で新設され、従来あった健康診断制度コースは諸手当制度等共通化コースに一本化されました。

今回の統廃合のように、キャリアアップ助成金制度はしばしば変更されるため、今後も社会の変化などに応じて変更される可能性があります。

代表的な「正社員化コース」の支給額は

キャリアアップ助成金の代表的なコースである正社員化コースは、非正規雇用労働者を正規に雇用した場合に助成されるコースです。コースの拡充に伴い、助成金の金額も大幅に増額されています。

正社員化コースで有期契約労働者を正規に雇用した場合、1人あたりの助成金は57万円です。また、無期契約社員から正社員へ切り替えた場合は、1人あたり28万5000円が助成されます。 これらの金額は中小企業のケースであり、大企業の場合は助成される金額が少なめです。

人材開発支援助成金と同様、キャリアアップ助成金でも生産性要件が導入されており、生産性が向上すれば助成金はさらに増額されます。

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他にはどんな助成金・補助金がある?

 社員研修のコストをまかなえる、おすすめの助成金や補助金を紹介します。それぞれの募集要項をチェックし、自社に合ったものなら利用を検討してみましょう。

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社内型スキルアップ助成金・民間派遣型スキルアップ助成金

都内の中小企業なら、東京都の『社内型スキルアップ助成金・民間派遣型スキルアップ助成金』がおすすめです。年度内100万円まで、社員研修にかかる費用を助成してもらえます。 助成の対象となる従業員は正社員だけでなく、常勤であれば非正規雇用労働者も対象です。

助成金の支給額は、社内型と民間派遣型で計算方法が異なります。 訓練経費が受講者負担でないことや、訓練中にも通常の賃金を支払っていることなどが、主な申請要件です。助成対象となる訓練の要件には、通常の業務と区別されるOFF-JTの訓練であることなどが含まれています。

この助成金はいつでも申請できるわけではなく、年度ごとにいくつかの申請期間が定められます。利用を検討する場合は、都が公表するスケジュールをチェックしましょう。 参考:社内型スキルアップ助成金・民間派遣型スキルアップ助成金(中小企業人材スキルアップ支援事業)|東京都

IT導入補助金

ITツールを業務で活用できる業種であれば、中小企業庁所管の『IT導入補助金』の利用も検討しましょう。ソフトウエアやサービスなどのITツールを導入することで、導入経費の一部を補助してもらえます。 補助の対象者は中小企業や小規模事業者です。

業種ごとに資本金や従業員の条件が設定されています。補助される金額は最大450万円です。 補助金は助成金と異なり、要件を満たせば補助金が必ず支給されるとは限りません。予算総額が決まっているため、申請後の審査に通過する必要があります。

また、各年度の募集期間が短いことも補助金の特徴です。募集要項を小まめにチェックし、申請のタイミングを逃さないように注意しておかなければなりません。

参考:IT導入補助金公式サイト|サービスデザイン推進協議会

ITエンジニアとして伸ばすべき能力は

ITエンジニアを育成するにあたり、特に伸ばすべき能力について解説します。社員研修を実施する際の参考にしましょう。

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プログラミング言語スキル

ITエンジニアに欠かせないスキルの一つがプログラミング言語スキルです。習得する言語数が多いほど、またそれぞれの理解度が高いほど、より多くの業務に従事できます。

近年多くの現場で求められているスキルが、PHP・Java・Rubyなどのプログラミング言語スキルです。操れる技術者が少ないため、これらの言語を習得できれば重宝するでしょう。

プログラミング言語の研修で重要なことは、自社で必要とされる言語を明確にすることです。生産性向上のために必要な言語を特定できれば、研修のプログラムを組みやすくなり、時間やコストの無駄も省けます。

マネジメントスキル

近年のエンジニアには、マネジメントスキルも求められています。指示された作業を正確に行える技術者に比べ、プロジェクト全体を統括し作業を推進できるエンジニアはまだまだ少ないのが現状です。

エンジニアのマネジメントスキルを磨くことは、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーを育成することに他なりません。これらのエンジニアを育成できれば、システム開発におけるパフォーマンスの大幅な向上が見込めます。

マネジメントスキルを伸ばすことで、幅広い知識やスキルが身に付くため、エンジニア自身の成長につながる点もメリットです。組織の意思決定も早まるでしょう。

コミュニケーションスキル

一般的に、ITエンジニアはチームを結成して業務を進めていきます。チームとしての作業を円滑に進めるためには、それぞれのエンジニアに高いコミュニケーションスキルが必須です。 特に、チームのマネジメントを担当するエンジニアには、より優れたコミュニケーションスキルが求められます。

自チームのエンジニアだけでなく、他部署やクライアントとも意思疎通を図る必要があるためです。 これからのIT業界においては、技術力のみ高いエンジニアは生き残れないでしょう。さまざまな関係者と適切なコミュニケーションをとれるエンジニアこそが、企業に大きく貢献できる人材になり得ると考えられます。

■関連サイト

エンジニア育成の重要ポイントは

ITエンジニアを効率よく育成するために、意識しておきたいポイントを解説します。以下に挙げることを実践すれば、効果的な育成計画を立てられるでしょう。

現状把握と確かな目的設定

エンジニア育成を行う際は、最初に自社や各エンジニアの現状を把握することが重要です。プログラミングやセキュリティなど、自社に必要なITスキルを一覧化すれば、業務の円滑な遂行や適切な人材配置につなげられます。

現状を把握できたら、一覧化したスキルと自社の課題を照らし合わせて、各エンジニアが目指すべき目標を設定します。単に習得したいスキルを勉強するのに比べ、より自社に合ったスキルを各人が目標にできるでしょう。

エンジニアが個人目標を設定する際は、企業側とエンジニアとの認識を一致させておかなければなりません。なぜそのスキルを学ぶのかを理解してもらえなければ、単なる押し付けになってしまいかねないためです。

社員自ら学べる環境づくり

エンジニアが自発的に学べる環境を企業側で用意できれば、意欲のあるエンジニアの能力は飛躍的にアップするでしょう。 具体的には、専門書の購入費用を補助したり、資格取得や勉強会にかかる費用を支給したりするサポートが挙げられます。

オンライン講座が無償で受けられる環境を提供するのもおすすめです。 エンジニアの自発性をより高めるために、定期的なヒアリングを実施するのも一つの方法です。エンジニアが自ら学ぶための希望を聞き、可能な範囲でサポートすることで、モチベーションアップにつなげられます。

育成サービスやプログラムの活用

ITエンジニアの育成においては、IT専門の育成サービスやプログラムを活用するのがおすすめです。業界のプロを講師に招き、考え抜かれたカリキュラムで学習を進めれば、育成効果をより高められます。 エンジニアの育成を全て自社で実施しようとすると、コストや時間をかけたにもかかわらず、失敗する確率が高まります。

担当者の本来の業務にも支障をきたしかねません。 ITに特化した育成サービスやプログラムは、多くの業者がさまざまなプランを提供しています。規模・期間・学習内容などを吟味し、自社に合ったサービスやプログラムを実施してみましょう。

■関連サイト

助成金を活用してよい人材を育てよう

 自社で社員研修を実施したい場合は、助成金の活用がおすすめです。従業員の育成を目的とした助成金制度を利用できれば、育成コストをカバーできます。 正社員を対象とするなら人材開発支援助成金、非正規雇用労働者の場合はキャリアアップ助成金が適しています。他にも使える助成金があれば積極的に活用し、企業に大きく貢献できる人材を育成しましょう。

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