新人を育てる気がないと指摘される理由。教育体制改善のポイント
新人は会社の未来を背負う重要な人材になる可能性を秘めています。しかし教育環境や労働状況によっては新人を育てられない、新人を育てる気がないと指摘されてしまうこともあります。これから教育担当、新人教育の担当になる方は新人を育てる教育体制を改善するポイントを把握しましょう。
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目次[非表示]
- 1.新人教育が企業に大きな影響を及ぼす
- 2.育てる気がないのでは?と感じさせる瞬間
- 2.1.仕事を教えてもらえず放置される
- 2.2.いきなり難しい仕事を任される
- 3.新人を満足に教育できない原因
- 3.1.教育体制が整っていない
- 3.2.指導力のある人材が不足している
- 3.3.新人のやる気がなく教え甲斐がない
- 4.研修の在り方を改善、新人を受け入れる
- 4.1.新人を対象とした研修のポイント
- 4.2.指導者を対象とした研修のポイント
- 4.3.ノウハウ不足や費用の問題はどうすれば?
- 5.教育体制を見直して優秀な人材を確保
新人教育が企業に大きな影響を及ぼす
新人の教育は企業の未来を左右する大切な取り組みです。企業として成長していくためには、新人をどのように育てるかもしっかり考えていかなければなりません。
まずはなぜ新人教育が重要なのかを理解し、内容に不備があると早期離職にもつながることを把握しておきましょう。
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新人教育の重要性
入社したばかりの新入社員は仕事の手順がよくわからないことが多く、新卒であれば習熟した技術もありません。効率的に教育を行わなければ戦力にならない人材を長く抱えることになり、社内の労働効率を落とします。
新人教育には仕事を覚えさせるだけでなく、既存の社員が新人とコミュニケーションをとる目的もあります。適切な教育の場を設けなければ新人はいつまでも会社に馴染めず、社内の雰囲気を悪くする結果になりかねません。
適切な教育を実施できれば早めに仕事を任せられるようになり、社内の雰囲気もよりよくなるでしょう。新入社員のモチベーションやエンゲージメントの向上にもつながるため、長い目で見て会社に貢献できる人材が増えていきます。
離職率との関係
新人教育の成否は離職率とも大きく関係します。離職の直接的な要因となるのは、新人が抱えるストレスの大きさや職場へのなじみ具合などです。
不十分な教育のまま現場に出た新人は、スキルや知識不足により十分活躍できません。現場に入ってみても、失敗ばかりして先輩や上司に怒られてしまうといった苦痛やつらさだけを体験してしまう可能性があります。成功体験を積めないとストレスは大きくなってきます。
コミュニケーションがうまくとれずに、悩みの相談や質問がしにくい雰囲気になってしまっているという問題も考えられます。職場になじめないと相談する相手を見つけられないこともあるでしょう。
離職率を下げるためにも、仕事に必要なスキルを習得させ、既存の社員とよい関係を築ける適切な新人教育が重要になってきます。
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育てる気がないのでは?と感じさせる瞬間
企業側は新人を育成しているつもりでも、新人からは「もしかしてこの企業は、新人を育成するつもりがないのでは…」と思われてしまうことがあります。
新人はどんな瞬間に「この企業は新人を育てるつもりがない」と考えてしまうのでしょうか。代表的なシーンを二つ紹介します。
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仕事を教えてもらえず放置される
人手不足の現場では、新人が仕事を教えてもらえないという問題が起こりがちです。教育係の社員が自分の本来の仕事と兼任しているため教育に専念することができず、新人を放置する時間が増えてしまうケースも多いようです。
張り切って入社した職場で放置状態の時間が増えれば、新人は不満から「適切な教育ができない会社」だと感じてしまいます。
資料を読み込むだけの時間や見学させられているだけの時間が圧倒的に多い教育体制も、放置されていると感じる原因になります。新人教育は新人とコミュニケーションをとることを前提として行うのがポイントです。
いきなり難しい仕事を任される
「習うより慣れよ」「仕事は見て覚えよ」という言葉を体現するかのように、新人にいきなり他の社員と同レベルの仕事を任せてしまう現場があります。これは教育の観点からするとNGです。
難易度の高すぎる仕事や達成の難しいノルマを与えても成功体験が積めず、新人は「この会社は仕事をきちんと教えてくれないのだろうか」「今後もこの会社でやっていけるだろうか」といった不安を抱えてしまいます。
新人の知識やスキルを見極め、段階的に成長していけるような目標を与えることが新人教育のポイントです。最初から難しすぎる仕事を任せるのは避けましょう。
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新人を満足に教育できない原因
担当者が新人を教育したくても、満足に教育できないケースがあります。この場合は企業の体制や教わる側に問題があることが多いでしょう。考えられる原因を三つ紹介します。
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教育体制が整っていない
新人研修や育成マニュアルなどのが整っておらず現場に任せきりにしてしまっている企業で、行き届いた新人教育を行うのは難しいでしょう。
新入社員は社会的なマナーや現場のルール・先輩社員とのコミュニケーション方法など、働くための基本的なスキルがまだ足りていない状態です。基礎的な部分からしっかり教育できる体制が整っていてはじめて、現場での実践的な研修が生きてきます。
自社の教育がうまくいっていないなら、基本的なルールから教えられる環境が整っているか確認してみましょう。不十分であれば、マニュアル作成などの適切な体制作りが必要です。
指導力のある人材が不足している
教育は誰にでもできるわけではありません。新人に足りないスキルや知識を把握し、わかりやすいように教えるスキルが求められます。「新人研修をする担当者の教育」をする企業もあるほどに、人に教えるのは技術が必要な仕事です。
十分な教育スキルのある人材が企業内で育っていなければ、当然適切な教育ができず新人を育てられません。教える人間のスキル不足が原因でうまくいっていない場合は、指導する側に対しての研修を行うのが効果的です。
新人のやる気がなく教え甲斐がない
教わっている新人側に問題があるケースもあります。現場の人間や教育担当者がいくら仕事を教えようとしても、新人にやる気がないように見える場合があるでしょう。教えても反応が悪ければ、教える側のやる気もなくなってしまう恐れがあります。
新人に対して、「わからないことがあれば聞く」「反省点を次に生かす」といった意識を育てることで改善が見込めるでしょう。やる気があっても積極性を感じるような態度に反映されていないだけかもしれません。
新人にフィードバックを返し、どうすれば教えがいがあるように振る舞えるかを教えることも重要な新人教育の一環です。
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研修の在り方を改善、新人を受け入れる
成果の上がらない新人教育を改善するには、研修の在り方から変える必要があります。新人だけでなく、教える側の既存社員にも研修を受けさせることで意識を変えていきましょう。
研修を行う際のポイントを、新人向け・指導者向けに分けて解説します。
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新人を対象とした研修のポイント
入社したばかりの頃は、まだ学生気分が抜けていない新入社員も多くいます。学生時代は、教室に入り席に座ってさえいれば教師や教授が講義を行ってくれました。教育を改善するには、まずこの受け身の意識を変えるところから始める必要があります。
「わからないところがあれば積極的に質問する」「技術習得のために自分から行動する」といったように、学生時代とは異なり教育を受ける側も積極的に動かなければなりません。
学生時代とのギャップはすぐには埋まらないかもしれません。だからこそ研修を行い、社会人として必要な能動性や自分で考えて動く意識を持たせる必要があります。受け身の姿勢が改善されれば、業務の習得も自然とスムーズになっていくでしょう。
指導者を対象とした研修のポイント
教育する側からも新人に歩み寄ることが重要です。「新人の立場になって考える」「新人に興味を持つ」という意識を定着させましょう。
新卒の社員なら、社会の常識がない・会社のルールを知らないのは当たり前です。「どうしてできないのか」「これぐらい常識だろう」などの語気が強い叱り方は新人を萎縮させ、積極的に挑戦する姿勢を失わせてしまいます。新人の立場に立って「今はできなくて当たり前」と考えることも重要です。
新人に興味を持つ姿勢も大切です。一人一人のフルネームを覚え、それぞれの得意・不得意をできるだけ把握するようにします。興味を持っていればわずかな変化にも気づけるため、コミュニケーションも活発になるでしょう。
新人側も「自分が見られている」という意識から、良い意味での緊張感を持って研修に臨むようになります。
ノウハウ不足や費用の問題はどうすれば?
教育をするだけのリソースがない、教育担当を務められるだけのノウハウやスキルを持った人材がいない場合もあるでしょう。社内でまかなえないのであれば、研修を行っている外部の研修会社に依頼するのも一つの手です。
費用の問題を解決するには、例えば集合研修をなくすという方法もあります。研修場所のレンタル料や宿泊費用・教育担当者の人件費など、集合研修には多くの費用がかかります。
代わりに動画による研修やオンライン会議などを活用して、コストの低減を図りましょう。オンライン研修であれば場所の手配や会場準備にかかる時間が不要なため、その分教育内容を充実させる時間も増やせます。
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教育体制を見直して優秀な人材を確保
新人は教育するための手間や時間がかかりますが、長期的に見れば既存社員の負担を減らし会社の利益に貢献する存在です。適切な教育を行い、活躍できる人材に育てましょう。
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教育にあたっては、新人だけでなく既存社員や指導者側への意識付けもポイントになります。これからの企業を担う新人に安心して就業してもらえるよう、自社の教育が抱える課題と向き合うことが大切です。