
ペアプログラミングはチームの成長を促す手段。やり方と導入のコツ
ペアプログラミングは、プログラミング手法の一つです。新人研修で取り入れられるなど、1人で実施するより多くのメリットがあります。ペアプログラミングの概要や特長、やり方や導入のポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.ペアプログラミングとは何か?メリットは?
- 1.1.1台のPCを使い2人でプログラミング
- 1.2.分からないことや問題をその場で解決できる
- 1.3.お互いの刺激になり、ミスも減る
- 2.メンバーの決め方
- 2.1.2人作業への興味や相性を考えて決める
- 2.2.ランダムに決める方法も
- 3.ペアプログラミング活用のポイント
- 3.1.適度に休憩をはさむ
- 3.2.コミュニケーション量を重視する
- 3.3.テスト駆動開発(TDD)導入で認識合わせ
- 4.リモートでのペアプログラミング
- 4.1.リモート向きとは言えない
- 4.2.会話しながら同時編集できるツール活用を
- 5.よい関係性を築いて知識を深め合おう
ペアプログラミングとは何か?メリットは?
ペアプログラミングは正しいやり方で実施すれば、さまざまなメリットがあります。理想的な方法や得られる効果を見ていきましょう。
1台のPCを使い2人でプログラミング
ペアプログラミングとは、1台のPCを使い、2人でプログラミングすることです。
それぞれ、「ドライバー」と「ナビゲーター」という役割に分かれて作業をします。
ドライバーは、ナビゲーターの指示に基づき、コードを記述します。指示通りにプログラミングすることで、初心者でも難易度が高いプログラムを書くことができます。また、実際に手を動かしながら学べるので、効率的にプログラミング技術を習得することが可能です。
ナビゲーターとは、ドライバーにプログラミングの指示を出します。キーボードは触らず、コードの指示出しやミスの指摘など、ドライバーのサポート業務を担います。一般的には、プログラミング上級者がナビゲーターを務めることが多いです。
作業環境は、1台のPCにマウスを2台つなげ、2人が操作できる状態が理想です。
分からないことや問題をその場で解決できる
ペアプログラミングのメリットは、プログラミングでつまずいた際に、同じペアの人にすぐ相談できることです。
多くの場合、ペアプログラミングは初心者と上級者がペアを組みます。
経験を積んだプログラマーがサポートに回ることで、コーディングや知識の共有ができるので、1人で作業するよりも、効率的にプログラミング技術を学ぶことができます。
一般的な環境では、上司や先輩が忙しかったり、外出していたりすると、質問や相談する時間を確保できないことがあります。
その点、ペアプログラミングでは上級者に質問や相談をしやすいので、初心者の育成に適している環境であると言えます。
お互いの刺激になり、ミスも減る
ペアプログラミングは、ペアで行うことで集中力が高まると言われています。適度な緊張感を保つことで、作業にメリハリが生まれます。
また、ペアプログラミングではダブルチェックを行います。1人で作業をすると、ケアレスミスを起こしやすいですが、ペアプログラミングによって未然にミスやバグを防ぐ可能性が上がるのです。
ミスが減ることで手戻りが発生しづらく、作業時間の短縮効果にも期待が持てます。結果的に、システムの品質も高まるでしょう。
メンバーの決め方
ペアプログラミングを効果的に行うために、メンバー選びは重要な要素の一つです。メンバーの決め方を紹介します。
2人作業への興味や相性を考えて決める
全てのプログラマーが、ペアプログラミングに対してポジティブな意見を持っているわけではありません。ペアを組む際は、2人で作業することに抵抗がないプログラマーを選ぶとスムーズでしょう。
ペアプログラミングに向いている人は、メンバーとのコミュニケーションをためらわない人や、自分が分からないことを素直に質問できる人などが挙げられます。
ペアプログラミングは、協力しながら進めるものなので、しっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。まずは試しにペアを組み、2人作業への抵抗感や相性のよさを確認するとよいでしょう。
ランダムに決める方法も
得意分野やパワーバランスでペアを決めるのではなく、ペアの相手や作業範囲をくじ引きでランダムに決める方法も、技術力を高め合う意味では効果的です。
自分とは違うスキルのプログラマーと作業することで、自分の技術が足りない部分が明確になり、ペアの相手からスキルやノウハウを学ぶ良い機会が生まれます。
また、ランダムにペアを決めることで個々のスキルが分散されるので、チーム全体の能力を向上させる点においてもメリットがあります。
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ペアプログラミング活用のポイント
2人で仕事をするためには、スムーズな進め方が大切です。ペアプログラミングをする上でのポイントを紹介します。
適度に休憩をはさむ
1人で仕事をする場合は、自分の好きなタイミングで休憩をはさんだり、少し無理して仕事を進めたりと、自由に時間を使えます。
しかし、2人で仕事をする場合は、相手の作業リズムや思考を読み取りながら進める必要があります。
そのため、より多くのエネルギーを消耗したり、気を遣う場面が増えたりします。クタクタになってしまう前に、適度に休憩を取りながら進めることが大切です。
コミュニケーション量を重視する
ペアプログラミングでは、2人の足並みを揃えなければ、あまり効果がありません。片方が理解できないまま進めてしまうと、適切なアドバイスやコーディングができないためです。
2人で作業する際は、沈黙を避けてコミュニケーション量を増やすことを心掛けましょう。
パートナーと思考を共有するために、自分が考えていることを積極的につぶやいたり、独り言を喋ったりするのも効果的です。
業務以外の雑談でもよいので、ペア同士で積極的に会話をすることが大切です。
テスト駆動開発(TDD)導入で認識合わせ
ペアプログラミングで開発をする場合は、最初から完璧なコーディングを目指すのではなく、テストと実装、ブラッシュアップを繰り返してゴールを目指すTDD(Test-Driven Development)でおおまかな動作を確認するとよいでしょう。
最初からきちんと設計され、完成度の高いプログラムを求めると、お互いの主張や考えが相反する可能性が高くなります。まずはとりあえず駆動するソースを作り、動作イメージを合わせます。
実現したい動きが一致したら、どのようにコーディングすれば美しいか、メンテナンスしやすいかを話し合うと、前に進めやすくなるでしょう。
リモートでのペアプログラミング
リモートワークでペアプログラミングは実施できるのでしょうか。リモートペアプログラミングの概要やコツを紹介します。
リモート向きとは言えない
リモートペアプログラミングとは、画面共有ツールや相手側のコンピューターにリアルタイムで変更を反映できるエディターを使用した、ペアプログラミングのことです。
通常のペアプログラミングに比べ、2人で作業ができる環境構築が必要です。
例えば、作業に必要なデータは、クラウド上に全てそろってなければ業務を進めるのは難しいでしょう。ネットワーク環境が片方でも悪ければ、作業が滞ってしまいます。
このように、通常のペアプログラミングに比べて、事前準備に時間とお金がかかる可能性が高くなります。
ペアプログラミングをリモートで実施するのは、決して向いているとは言えないでしょう。
会話しながら同時編集できるツール活用を
ペアプログラミングでは、双方のコミュニケーションが大切です。そのため、会話しながら同時編集ができる環境が必要になります。
対面で通話しながら作業ができるシステムとして、ウェブ会議やテレビ会議ツールが挙げられます。最近のシステムは、ファイル共有機能だけでなく、同時編集ができるものあるので便利です。
また、テキストチャットに加え、ボイスチャット機能が付いているツールを活用するのも有効です。
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よい関係性を築いて知識を深め合おう
ペアプログラミングでは、ペア同士の相性が重要です。しっかりとコミュニケーションを取り合えば、双方の知識やスキルを共有できたり、簡単なミスをなくしたりできる効果が見込めます。
適度な休憩や雑談を交えることで、作業にメリハリをつけることができます。
ただし、ペア同士で意見が異なることや、ペアプログラミングに否定的なプログラマーもいるので、ペアの相手選びには注意が必要です。
うまくコミュニケーションを取り合い、ペアプログラミングで知識を深め合ってみてはいかがでしょうか。